創作を続けるためのポジショニングについて

1307131こくぼしんじです。
今回は、ファンを獲得し継続的に活動を続けるためのポジショニングについてお話しします。
前回の記事では創作活動ではつきものの”批判”との付き合い方についてお話しました。タイトルを「煽り満載」で仕込んだおかげで、多くのご意見いただけたこと御礼申し上げます。しかし実は……
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冗談抜きで、野次や批判ごときは「トモダチ」です。この先の修羅の道を見据えて考えると、障害のうちに入りません。実力行使を伴う「脅迫」や「圧力」、あるいは各種のしがらみ、何も失わずには済まされない究極の選択。
そうした本当の困難と比べれば、言葉だけの批判なんて可愛いモンです。では、ステップ3「継続(断行)」に突入しましょうか!
これまでのあなたも神になれるはこちらから

ステップ3「継続(断行)」の主な内容

まずは、大きくまとめましょう。この3点をクリアするべく行動するのが、ステップ3「継続(断行)」です。
  ↓  ↓  ↓
1)いかに仲間と共に活動のスケールを拡大し、ファンを増やすか。
2)いかに仲間やファンを幻滅させないか。記憶や話題に残り続けるか。
3)いかに後続の追随を断ち切るか。

今回は、3つのうち、2)までを語ります。3)はかなり「黒い」内容なので次回。

1)仲間と共に活動のスケールを拡大し、ファンを増やす。

この項目は、第4回で少し解説した通り。
先に仲間を集めて結束を固め、互いに示し合わせた上で「仲間に持ち上げてもらっているあなた」を見せます。そうすると、ファンはさながら野次馬のように集まると。
「多くの人から注目され、また噂のネタにされている人は、それだけで周囲からスゴイ人と思われてしまう」
これは『おみこし理論』の大前提となる人間の認知的本能。
この認知的本能を利用するためには、1人で騒ぐだけじゃダメ。だからまずは仲間を集めて、小さかろうと、身内ヨイショのステマっぽかろうと、とりあえずは「あなたを頂点とするおみこし」を作りましょう。
ただし、あなた自身に何か褒めそやされるような「根拠」もないうちから、一方的に自分だけを仲間から持ち上げてもらうなんて無理ですよね。それはただの自己中。
その場合は、先にあなた自身が誰か仲間をおみこしの上に乗せます。その「見返り」として本当に必要な時に限り、お願いして自分をおみこしの上に乗せてもらえばいいでしょう。
この『おみこしの図式』を作って初めて、多くのお外の人たち(後のファンやアンチ)を取り込む準備が整います。

認知度を高める上で、もっとも美味しいポジションとは?

で、ステップ2で集めた仲間と一緒に騒ぐと、次第にあなたの注目度は増し、その周囲には認めてくれる「ファン」と、外野からけなす「アンチ」が入り乱れるようになります。
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この賛否入り乱れた「正体不明な感じ」こそ、認知度獲得におけるもっとも美味しいポジション。これは、ブランディングの対象があなた自身であっても、あなたの作品であっても変わりません。
また、こういった賛否にまみれた「怪しい人」や「ツッコミどころ満載の人」がメディアにもよく登場しますが、それも偶然ではなく。メディア側も「怪しい人」や「胡散臭い人」ほど話題になり、数字を取れると知っているからこそ、意図的にそういう人を選んで登場させているのです。
で、正体不明だからこそ、多くの人は「騒がれているアイツはいったい何なんだ?」という感じで、正体を確かめたくなってしまいます。そして、自分の目で確かめて魅力的だと思ったら、ファンになってくれるってワケ。
まあ、小さい頃から野球一筋で、甲子園にも出てプロで活躍して、WBCじゃ日本代表にも選ばれて……みたいな真のエリートなら、こんな小賢しい立ち回りは最初から必要ないんですけどね(笑)。
あくまで『あな神』は、そうじゃないフツーの人が人生のある時期に一念発起しようとする際、徒手空拳状態から何をどうすればいいのか……というお話ですから。

ファンの数だけ、一緒にアンチを作ることが、実は重要

特に昨今、出版業界では「名作」を書けるだけの実力を持った作家さんたちが、「食えないから」とバタバタ廃業しているワケですけど……。今や出版だけでなく、人気商売における成否の境目って、たった1つしかありません。
「大勢のファンだけでなく、大勢のアンチも一緒に抱えているか?」
ぶっちゃけた話、今どきの人気商売で売れてる人や団体は必ず、アンチの連中をアクセサリーのように振り回しています。プロ野球ならアンチ巨人、芸能界ならアンチAKB。マンガなら、『ワンピース』や『ドラゴンボール』にもアンチが沢山いますよね。
「絵がゴチャゴチャして読む気失せる(ワンピース)」
「話に中身ねえじゃん(ドラゴンボール)」

こうやってアンチが批判を飛ばしてくれるからこそ、既存のファンはより結束できるし、「そんなことねえよ!」とアンチに言い返すこともできて、結果的には話題性も継続するんです
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言い換えれば、アンチやら、違う価値観を押し付けてくる「敵」やらがいてくれないと、ファンは自分たちの愛や結束を確かめ合う機会を失い、やがて冷めるか忘れるかしてしまうってコト。人気商売で最も恐れるべき事態は、アンチが出てくることではありません。ただ、忘れられるコトです。

その「アンチ」はどうやって作るのか?

実は、読者さんに意識させないような書き方で、過去に伏線として語ってあります。ステップ2(第4回)において「悪目立ちしようぜ!」「ウザがられても一向に構わないんだよ!」という形で、すでに。
……分かりましたかね?
要するに、あなたや作品の価値が世に認められる前であれば、ファンはともかく懐疑的なアンチを作るのは非常にカンタンなんです。ホント、実績がない状態で少しばかり偉そうなコトを言えば、アンチなんていくらでも作れます
だから、世に認められる前に「悪目立ち」という形で、先に「仲間」だけでなく、アンチも一緒に作っておくワケです。すると、後ほどあなたの名前が世に広まりはじめた頃、最初に作っておいたアンチ軍団(笑)が、思い出したように「うわあ……」「UZEEEE!」なんつって盛り上がってくれるってワケ。
むしろ、世間的に認められてしまってから、アンチを作るのは大変です。

2)いかに仲間やファンを離れさせないか。記憶や話題に残り続けるか。

で、1)を実行する上で最大の問題となるのが、実は「時間軸」の問題です。
上のような状態が一瞬で成立することはないワケです。最初の志や理念、仲間の数や質にもよりますけど、メディアに取り上げられるような早い人でも数週間~数ヶ月、KDP作家さんの場合、下手すりゃ生前にはまったく評価されず、死後になって再評価されるコトで初めて陽の目を見る場合もフツーにあるかも……。
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まあ、泣いてもしょうがないというか、天運には逆らえません。それよりも大事なのは、活動を継続しつつファンを増やし、なおかつ一度獲得したファンをあなたや作品から離れさせないことです。結果として、そういった努力により、陽の目を見るチャンスだって増えます。

仲間やファンはどういう時に離れる?

ファンや仲間があなたやその作品から離れてしまうパターンは、大きく言って4つしかアリマセン。
1. 仲間やファンの期待を裏切った場合
2. 活動の継続性が失われた場合
3. 辻褄の合わなさを露呈した場合
4. 人気が「頂点」に達してしまった場合

この4つ。

1. 仲間やファンの期待を裏切った場合

いわゆる「幻滅」という状態。最初にイメージしていたあなたの虚像に較べて、いざ会ってみたら実像がかなりショボかった。あるいは、KDP作家さんの例で言うなら、期待して待っていた新作が大して面白くなかった……とか。
一番分かりやすい例で言うと、ファーストフードの新メニューなんかで、広告写真に載った美味しそうな「それ」と、実際に頼んだ「それ」があまりにも違うとかね。
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要は、期待値を満たさないとファンはすぐ離れるってコト。
ちなみに、その「期待値」を満たすための方法は大きく分けて2つです。
●最初からあまり期待させない。
この場合、一番大切なのは、ステップ1「定義」の段階から自分をあまり実像以上にすごい存在と定義しないこと。言うならばどっかのオレみたいに(笑)「おいらバカですよ~、あんまり期待しないでね~」のオーラを全開にさせ続けます。すると、読み手の期待値が下がるので、クリアしやすくなります。
まあ、卑怯と言えば卑怯なやり方ですが……評判になればなるほど、どんなにバカバカしく振舞ったところで期待値が上がることは避けられません。オレは何だかんなで、毎週緊張しながら『あな神』を連載し続けているコトも一応、申し上げておきます。
んで、もう1つは正攻法。
●不断の努力で高い期待値を何度も何度もクリアし続ける。
世界レベルで戦うスポーツ選手なんかは、みんなコレですよね。ただ、生涯に渡って高い期待値をクリアし続けられる人って、いるのかな……って感じ。
コレばかりはどっちが正しいなんて軽々しく言えません。後者は後者で、いつか破綻が訪れると分かってはいても、やっぱりカッコイイと思っちゃいますし。ご自分の「器」や「なりたい自分のイメージ」とよく相談して、やりたい方を選ぶしかないでしょうね。

2. 活動の継続性が失われた場合

これは単純。続けていないと、忘れられるってコト。ぶっちゃけた話、オレが『それゆけ! ライターズ』の後に『あな神』を連載し始めたのも、基本はコレを恐れてです。おそらく、本連載の読者さんにはKDP作家さんやブロガーさんが沢山いらっしゃると思うので、言わずもがなではないでしょうか。
あえて言うならば、現在の情報ラッシュな世の中では、1作だけ大当たりさせてあとは印税で左団扇な生活を……なんて、たぶん無理。
書くのを止めた途端、ファンは別の情報ラッシュに巻き込まれて、あなたや作品のことなど忘れてしまいます。そして忘れられたら、瞬く間に作品は売れなくなり、印税生活なんてすぐ破綻です。書き続けない限り、話題に残り続けることも、売れ続けることもできないってコトですね。

3.辻褄の合わなさやダブルスタンダードを露呈した場合

いわゆる「言ってるコトとやってるコトが違う」を続けている状態。政治の話はなるべくしたくないですけど、例として分かりやすいので1つ。
「国民の生活が第一」と言っていたどっかの党が、政権交代を果たした後、超円高で国内産業をどこまでぶち壊し、国民の生活をどこまで追い込んだか(笑)。
あとはそうですね……「世界の恵まれない子供たちを救いたい!」と言ってる慈善事業の親善大使サンが、自分はちゃっかり青山あたりに豪邸を構えてるとか。弱そうな相手には文句言えるけど、怖そうな人相手には黙っちゃうとか。
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全然、応援できなくなりますよね。こーいうのやられると。さて、ちょっと例の出し方が散漫としましたけど。
要は人間の心って、原則、他者の多面性やダブルスタンダードをすんなりと容認できるようにはできてないってコト。(自分のそれにはすぐ言い訳がたちますけどねw)
長年の付き合いで培われた「情」や「それでも付き合うメリット」といった補完要素があって初めて、人は他者の多面性やダブルスタンダード、あるいは矛盾点を「消極的に容認」できる――そんな生き物なんだと考えていいでしょう。
したがって、多くのファンから信頼を得ようと考える場合、あらかじめ決めたルールや約束事をいつ何時、いかなる場合でも適用できるという「シングルスタンダード」的な姿勢に、どこまで近づけるかが重要となります。
このシングルスタンダードは、前の連載『それゆけ!ライターズ』でも、マンガやキャラクター小説で魅力的な主人公を作る際の最重要項目としてあります。現実かフィクションかを問わず、「偶像」に多くの人の信頼を集める際、唯一にして必須の条件なのだと思ってください。

4. 人気が「頂点」に達してしまった場合

コレは……オレも含め、フツーの人の身の上にはまず起こらないケースなんですが、教養として一応。
一番分かりやすい例は、ズバリ「AKBの人気投票」です。アレって毎年、センターになる子が入れ替わるじゃないですか。今年は指原莉乃さんでしたっけ?
あのAKB総選挙。まあヤラセではないでしょうけど、1位の子が毎年入れ替わることに限っては必然というか、ドラマもクソもない、ある意味「自然の理」なんです
なぜなら……人気って、頂点に達すると、あとは大なり小なり雲散霧消するようにできているから。言い換えれば、人気が1位なり頂点にあるってコト自体が、すでに人気を失う最大の要因ってコト。
人気1位のアイドルなんて、ファンにしてみれば、もうこれ以上応援しなくたってイイ存在になってしまっているというか。自分1人ファンをやめたところで、今さら大きく人気が揺らぐワケでもなし。
よって、人気が頂点に達すると、そのファンは応援するモチベーションをどんどん失ってしまいます。しかも、人気1位の存在を応援してるってコトは、イコールで自分が最大の多数派に所属している最も無個性な「その他大勢」の1人であるってコトでもあって。
何だか、虚しくなっちゃいますよね。そんな相手のファンやってたら。よって、人気1位は常に入れ替わるというワケです。なべて世はこともなし。ではまた!

この記事を書いた人

本名:小久保真司(こくぼしんじ)
1974.10.12.うまれ。
東京都台東区の山谷地区出身。慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、専門学校や声優養成所の事務員として働きながら漫画原作者に師事し、シナリオライターに。コンビニ向けのペーパーバック漫画やゲームのシナリオライターとして活動する。現在は通常のライター業も請けつつ、KDPでオリジナル作品を発表中。他に、自分と同じKDP作家を支援する活動も行なっています。
→『きんぷれ!』(http://kin-pre.com
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