あらゆるツッコミを整理分析し、対処法を確立する。これが21世紀の評判マネジメント最前線

1307063こくぼしんじです。
今週の『あな神』で語りたいのは、あなたがKDP作家なりその他のカリスマとして名前を売っていく上で絶対に避けられない――「批判」についてです
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実際、批判にもいろんな種類があって。その全てを怖がり無駄に身構えていると、いつまで経っても前に出られません。さりとて、批判を完全に無視して我が道を行くだけだと、最終的には社会的制裁や無視という形で退場を余儀なくされます。
単なる根性論や精神論ではなく、批判に関してのリテラシーを高める「負のマネジメント講座」とも言うんでしょうかね。それが今回の記事の内容です
では、いってみましょうか!
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「身内ヨイショ」は悪いコトなのか?

前回、ステップ2『認知』の段階で徒手空拳の個人がいきなりファンを獲得するのは難しい……と述べました。なので最初はファンよりも、一緒に盛り上がれる「仲間」を探しましょうと。
そうなるとKDP作家さんの場合、志を同じくする仲間が集まったら作品を相互にヨイショしたり互いの作品の良い点を指摘しあったり……となるかと思うんですが、そこに不安を感じる人も、けっこう多いんじゃないでしょうか。
特に、いわゆる身内びいきや身内ヨイショが、傍からどう見えるのかという不安。ぶっちゃけ「そーいう内輪受けみたいなの、みっともなくね?」みたいな話です。実際、前回の記事を読んだ方からも、この点に不安があるとのご指摘をいただきました。

必死になりすぎなければ大丈夫

なので、まずはこのご指摘について答えましょう。
自己アピールやブランディングの初期段階で身内びいきや身内ヨイショが生じるというのは……コレ、単に「個人で必死に騒いで目立つ」の次に来る必然的な段階の1つであって、そこに良いも悪いもないです。
個人が仲間やファンを獲得しながら影響力を増していく途上で、一時的に「身内ヨイショ」の状態が生じるコトは、おそらく避けられません。

「身内ヨイショ」の良し悪しは何で決まる?

ハッキリ言ってしまえば、ヨイショされている「対象」それ自体の良し悪しで決まります。
KDP作品の例で言えば、ヨイショされているのが本当に面白い作品だったら、やがては身内だけでなく、その外側にいるファンをも巻き込めるようになるってコト。
逆に「身内ヨイショ」の域をいつまでも出られず、TwitterのRTなどもいつも決まった身内で堂々巡りし続けているようなら、それはやっぱりヨイショされている対象の「本質」に問題があると見るべき。
結局のところ「身内ヨイショ」が持つキモさってのは、外側から見ているだけでは何が楽しいのかも素晴らしいのかも分からない……そんな「不安」「怪しさ」に端を発する感情です。
何気にこうした「身内ヨイショ」の状態とよく似ているのが、麻雀やテーブルトークRPGのようなインドア系の遊び。知らない人が外側から眺めても何が楽しいのか分からないし、後者に至っては魔法や技名まで叫んじゃったりして、完全にヘンって部分が共通します。
でも、もろもろの不安を乗り越えて彼らの仲間に入ったら、実際にはすごく楽しいですよね? まあ、経験者にしか分からないとは思いますが。いずれにせよ、麻雀もテーブルトークRPGも「やれば確実に楽しめる」だけの魅力を持っているが故に、潰えないんです。
ヨイショの中心にある「モノ」や「理念」が真に魅力的ならば、それが限られた身内だけの盛り上がりで終わることは絶対にないワケです。もちろん、黙ってたり、あんまり遠慮がちにしていると、盛り上がりもせずに終わるリスクはありますが。

改めて認識しましょう「今の時代、批判を浴びずに名前は売れない」

この21世紀において新しい何かを始める場合、その主体(あなたなり作品)が一切の批判を受けないまま有名になったり、一定の地位を築いたりする道はアリマセン。
良い物だからと宣伝すれば、すかさず「うぜえ」と言われます。次に、その良さを理解した数人がみんなで宣伝すれば、今度は「身内ヨイショきめえ」と言われるワケ。もちろん、宣伝しているモノ自体の良し悪しに関係なく(笑)。
今の世の中では、何か新しいモノが登場すると脊髄反射的に批判したりあら探しを始めたりする人が一定数いるため、コレは宿命というか、どうしようもないんです。
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こうした「周囲の批判」というのは、実のところ、この先どんなに有名になったところで消し去るコトができません。まあ、昔だったら、批判なしで神格化されるコトもできたんですけどね……。あ、ここはちょっと補足します。

ネットの登場でアラ探しが簡単になった

今の時代じゃなく昭和30年代だったら、王さんや長嶋さんがいくら好きでも、ファンは彼らの酒癖やら女遍歴やら小学生時代の作文まで、いちいち調べたりしなかったワケです。メディアもそんな下らないコトまで話題にしなかった。だからこそ、彼らは現人神のような存在になれたと。昭和50年代でもある程度はそう。芸能人のスキャンダルを調べるのなんて、週刊誌ぐらいでした。
……でも、今の時代は違いますよね? ファン1人1人が、気になった相手については、週刊誌の記者みたいな取材力を発揮しちゃうワケです。

「切り分け」さえできれば、批判はトモダチ! 怖くないよ!

繰り返しになりますけど、今は良くも悪くも顧客の情報リテラシーが上がっていて。
何か気になる本なり曲なりコンテンツを購入したら、次は同じ人の別作品へ、その次は作者のプロフィールや経歴などへと、どんどん顧客の関心が「奥へ奥へ」と向かちゃうんです。よって、あなたが「気になる存在」に近づけば近づくほど、過去や素性を徹底的に調べられるという顧客動向からは逃れられなくなります。
特に『あな神』なんてその最たるモノで……読者が「コイツ、実績もないクセに何を偉そうに語ってやがるんだ?」と思ったら、すぐにでも「こくぼしんじ」なり「小久保真司(本名)」で検索かけられちゃうワケです。
だからって自分に不都合な情報をあらかじめ消しておけばいいかって言うと……そうでもなく(笑)。そもそも、素性を指名検索で調べてくれる人って相当な「ファン」なワケですよ。良くも悪くも。
なのに調べた結果、何も面白い追加情報が出てこなかったら……ファンの側に立った気持ちで言えば、むしろ「興ざめ」なんじゃないかと。そのうち別の気になる人がどんどん登場して、いままで懸命に調べていた相手のコトだって忘れちゃうはずです。
放っておけば次々と新しい情報が飛び込んでくる今の世の中では、掘り下げがいのある過去や分かりやすいツッコミどころぐらい抱えてないと、1人のタレントなりキャラクターが話題に残り続けるコトなんて、できないんじゃないでしょうかね。
要するに、批判やツッコミを恐れて過度に情報発信や露出を制限すると、今度は純粋な「情報量」でライバルの後塵を拝してしまうってコト。

批判の切り分けスキルを装備しよう

……だいぶ前置きが長くなりましたけど、こういう世の中で少しでも目立とう、話題に残ろうと思ったら、その過程で必然的に生じるツッコミや批判に対する適切な「切り分け」を行えることが重要です。恐れるのでもなく、さりとて無視するのでもなく、キチンと区別して、別個に対応する。
つまり「批判の切り分けスキル」こそが、21世紀の世でブランディングを果たすための必須スキルってワケです。
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そこで以下、カンタンな「批判の切り分け」の例を紹介します。

受けても大丈夫な批判、ツッコミとは

1)匿名の人からの批判、ツッコミ
脅威度ゼロ(ただし例外アリ)
基本、相手にするだけ労力の無駄。いわゆる誤字や言葉の誤用をツッコむような揚げ足取りもこの類。必要なら、慌てずに黙って修正すればいいだけです。ただし、一部の例外はあるので、この先に述べる「要注意な批判」の部分まで読んでください。

2)「あなたにお金を払ってない人」つまり外野からの批判や中傷
脅威度マイナス
コレは慌てるどころか、もらえたらむしろ喜ぶべき批判。批判相手が実名でも匿名でも関係ありません。
なぜなら、コレは批判ではなく、むしろ「懐疑」という名の口コミ宣伝活動だから。ねえ、コイツどう思う? 変じゃん? って言いながら、その実、あなたの存在をモーレツに宣伝してくれているんだと考えましょう。
そして「懐疑」ですから、批判している当人もまだあなたに対する評価を固めていません。なので、誤解や悪い先入観さえ解ければ、転じて熱心なファンになってくれる可能性だって高いんです。
先述した「身内ヨイショ」や「悪目立ち」に対する批判も、9割以上はコレ。

3)あなたの恥ずかしい過去に関する暴露
脅威度マイナス~★★★
批判の際によくあるパターンの1つ。自分を少しでも良く見せようとするあまり、弱点を隠したキャラで頑張っていると、そこそこの知名度やファンからの信頼を掴んだ頃、過去を知る人間から嫌がらせ的に暴露話が出ることがあります。
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早い段階――できれば、ステップ1『定義』の時点でありのままの自分をさらけ出しておくと、こうした過去の恥ずかしい履歴もすべて脅迫的な意味合いを失います。また、そうした負の部分も知った上で協力してくれる人たちは、嫌がらせを受けても平然としているあなたを見て、さらに尊敬の念を深めてくれるでしょう。

受けたら要注意な批判とは?

1)「あなたを信じてお金を払った人」からの批判
脅威度★~★★★★★
この批判の脅威度は商品の額によっても異なりますが、特にマイホームや教育サービスなど、高額商品やサービスでこの手の批判が増えると致命的です。
電書の場合は単価が安いので、身を滅ぼすほどの脅威にはならないと思いますが、もっと売れたい、良く評価されたいと思うならば改善が必要でしょう。
【改善方法】
早急な商品/サービスの品質改善

2)社会通念の逸脱に対する指摘および批判
脅威度★~★★
「新しいコトやってんだからさあ!」で押し通して済む場合から、批判内容が社会問題化し、新たに法制定されてしまう重大なケースまで様々。
【改善方法】
信念なり方針として意図的にやっているなら、押し通す。純粋に気づいてなかった点を問題視されたのなら、検討した上で対応するのもアリ。

3)矛盾や辻褄の合わなさに対する批判(言ってるコトとやってるコトが違う)
脅威度★★
基本、外野からの批判など恐れる必要はないのですが、たとえ外野や匿名人物からの批判であっても、唯一気にすべきなのがこの種の批判。
【改善方法】
自身の掲げたルールと現状を再確認し、その辻褄や整合性、一貫性を見直す。
スルーすると確実に評判が下がるので、時には指摘に対する誠実な謝罪が必要。

4)「仲間」や「元仲間」からの批判
脅威度★★★
自分と志を同じくしているはずの仲間や、袂を分かった元仲間からの批判。いわゆる内部告発なので、周囲の第三者が見た際にも情報としての信用度が高く危険。内輪もめに発展すると、周囲からのさらなる評判低下を招く。
【改善方法】
ケースバイケースだが、まずは周囲の反応を見るのが適切。誰も拡散しない、ないしは「私怨乙」と言われている程度ならスルーもアリ。ただし身内というコトもあって内部事情に通じているため、他の高脅威な批判とコンボ化するコトが多く、そこは要注意。

5)法の逸脱に対する指摘および批判
脅威度★★★★
いわゆる「これ違法じゃね?」みたいな批判。正義がバックにあるため、叩く側にとって非常に好都合な材料になってしまう。放っておくと猛烈な勢いで拡散しかねず、瞬く間にブランドや評判が崩壊する。もちろん、当局が動く場合も(笑)。
【改善方法】
法に従うのみ(笑)。法だけに。

6)根も葉もない、悪意のレッテル貼り
脅威度★★★★★
もっとも脅威度の高い批判、というか中傷。事実でもないのに「アイツは詐欺師だ!」とか「犯罪歴がある」とか「誰とでも寝る」とか。これは噂で流されるだけでも第三者が「疑いを持ってしまう」という点で、最大級に危険。
そんなレッテル嘘だと証明しようにも、ないという証明はできない(悪魔の証明)ので、対処が本当に困難なんです。
【改善方法】
噂やレッテルが事実に基いていないなら、法的手段も含めて断固戦わないとダメ。逆に事実に基づいたレッテル貼りであるなら、いっそカミングアウトして仕切り直すのが上策。

むしろブランド性や影響力を強化する「うれしい批判」とは

批判を種類や脅威度で切り分けると同時に、知っておくと良いことが1つ。それは、批判がむしろブランド性や影響力を高める場合もあるというコト。
たとえば、コレは仕事で知り合ったファッションブランドのオーナーさんから聞いた話なんですけど……。さすがに実名や事例は守秘義務の関係から出せないので、ここではApple商品を例に語りましょう。
Apple商品のイメージと言えば「デザインがオシャレ」「同クラスの性能を持つ他社商品より高価」……いわば電子機器界の一大ブランドです。知名度も高いため、当然、批判は沢山浴びます。
だいたい、こんなトコでしょうか。
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でも、批判の内容を良く読みましょう。
批判は批判ですけど……その実、羨望やヤッカミ半分であるコトは分かりますよね? アンチがわざわざ「金持ちの道楽」「所詮はただのブランド」「デザインがちょっとオシャレ」という言葉で、Apple製品のブランド性を認めちゃってるんです。
こんなん言われたら、十分にカネ持ってる人ほどブランド商品を買いますよ(笑)。ブランドというのは実のところ、それを買えない人たちの妬み僻みから生じる批判を吸い上げることによって確立するんです。

最強のブランドを作ってくれるのは「誰」かを考えよう

いわゆる「俺スゲー」も「身内ヨイショ」も「メディアのゴリ押し」も、なぜ素直に世の中へは受け入れられないか? 理由は単純で、大体において、論旨が発信者側にとって都合の良い内容――つまり「ポジショントーク」に過ぎないからです。
なら、第三者が褒めていれば、それは信頼できる? そんなコトないですよね。何しろ、それこそがみんな(別の意味で)大好きな「ステマ」だったりしますから。こうなると、信用できる情報の発信源って、ホント少ないんですよ。
では、いったい「誰」が褒めてくれれば、あなたなり、あなたの作品なりは本当に素晴らしいんだと信頼されるのか? 世に受け入れられるのか?
答えはズバリ「商売敵」か、あるいは「被害者」「落伍者」です。
つまり、(KDP作家の場合)あなたの作風を嫌っている人や、あなたの活動から本質的に利益を得られない立場の人から褒められると、逆説的に本物の評判を獲得できます。

「敵ながらアッパレ」
「悔しいが、面白いと認めざるを得ない」
「レベルが高すぎてついていけなかったけど、あそこは本当にすごかった」

大事なのは、敵や被害者さえも認めてしまうぐらいのレベルまで、自分自身なり、作品なり、サービスの質を「磨く」ということ。そういう意味で言っても、ブランディングって小賢しい立ち回りのテクニックだけでは決して完成しないモノなんです。
ではまた!

この記事を書いた人

本名:小久保真司(こくぼしんじ)
1974.10.12.うまれ。
東京都台東区の山谷地区出身。慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、専門学校や声優養成所の事務員として働きながら漫画原作者に師事し、シナリオライターに。コンビニ向けのペーパーバック漫画やゲームのシナリオライターとして活動する。現在は通常のライター業も請けつつ、KDPでオリジナル作品を発表中。他に、自分と同じKDP作家を支援する活動も行なっています。
→『きんぷれ!』(http://kin-pre.com
Kindle本「DISTANCE (がんばれ!アクターズ戯曲シリーズ)」好評発売中

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