Twitterを使った新刊・セールプロモーションのテクニック

年に1度くらいの頻度で書いている気がする、クリエイター向け電子書籍のプロモーションノウハウ記事。まもなく本格的にはじまる『 ニコニコカドカワ祭り2017』で作家さんが大量に自著案内を始めると思うので、そんな方々向けに準備しといた方がいいんじゃない? という提案です。

ザッと言うと
・セールは突然はじまるから、事前に準備しよう。
・Twitterでストアへの案内もいいけど、どこかにまとまったページを用意しよう。
・予算に余裕があればひとに任せるってどうだろう。

という話をします。『ニコニコカドカワ祭り』でどう各クリエイターが効果を最大化させられるか、を念頭に置いてるのでKindleには限らないですよ、商売ぬきやで。

長々と書きますが、カドカワ系作品もつ作家さんは近々セールあるだろうから『告知イラスト』を速やかに準備しときましょう。Twitterに載せる時はこうしたららいいよ自分でできないなら誰かを雇ってしまえとかという話です。

ニコニコカドカワ祭りに向けたプロモーション準備のすすめ

『ニコニコカドカワ祭り』は10月1日、ドワンゴ×KADOKAWAの合併を記念した毎年恒例のキャンペーンですね。すでに フライングセールを実施して、いろんなクリエイターさんが自著への誘導リンクを貼られています。

さて、どうもこういうセールについては"事前にクリエイターさんには連絡いかない事が多い"ようで。たぶん電子担当>編集>作家という連絡が組織的にできないからじゃないかと思うけれど。大規模になればなるほど手間がかかりますしねぇ。迂闊で残念な話とは思いますがね。

知らないうちに値下げされている作家としては『どうなのソレ』『わーいランキングトップだ!0円だけど』とイロイロ溜まってきてる話も聞きますが……少なくとも市場在庫が無い(ようは本屋に無い)作品や完結作品を動かすにはいい機会なんで活用できたら、いいよね。

セールはいつ始まるかわからないからチェックしよう

電子書籍のセールは各ストアごとに微妙に違い、Kindleではやってないセールなんかも存在します。どのストアで自分の本が割引になっているかはわからないですし、知らないうちに終わってたという方もいるでしょうから……習慣的に週末は各電子書籍ストアで著者名などで作品価格をチェックするようにしましょう。それが確実に自著がセールかどうか確認できます。

以下が主な国内電子書籍ストア。それぞれで自著名を検索した結果を各ブラウザのブックマークでフォルダをまとめとけばいいんじゃないですかね?

Kindle / ebookjapan / booklive / 楽天Kobo / ニコニコ書籍 / BOOK☆WALKER / ReaderStore / honto / GooglePlay/DMM電子書籍

編集者が教えてくれればいいのに!と思うでしょうけれど、彼らも知らないことがほとんどですから。これも自衛だと不満・不平はグッと飲み込んでチェックしましょう。ベテラン作家さんも自作品のプロモーションは自分で頑張ってる方は頑張ってますから。向き不向きは置いといて、頑張りましょう。

とりあえず、冒頭に載せたよう10月1日(もしかしたら9月29日)にはカドカワがKindle含む主な電子書籍ストアで『 ニコニコカドカワ祭り2017』として恐らく50%OFFをしてくれるので、カドカワで自著がある方はぜひ週末、各ストアで作者名で検索してみてください。

セールになってればTwiiterなり、自分のブログなりでシェアしていきましょう。たまに発売したばかりの新刊なんかもセールにされちゃってますよ☆ そのくせ、販売数に電子書籍は含めないとか出版社は悪魔的ビジネスを展開しています。

いつ始まるかわからないセールに備えて告知の準備をする

さて、セールはいつ始まるかはたいてい教えてもらえませんが、出版社経由でだしているものならコミックでもラノベでも小説でも急に大幅値下げされます。大幅値下げされた時に慌てて告知イラスト書かなきゃ!とかやってるとスケジュールガタガタになるでしょうからあらかじめセールの準備をしましょう。

・漫画家さんなら『告知イラスト・マンガ(過去イラスト再アップ)』を用意しておく

■参考

ほんと、セールの時に各ストアへの作品リンクを誘導する時イラスト1枚載っけるだけでもシェア率変わるから。どうせいつかセールになる、ってわかってるんですし準備しておきましょう。絶対ムダにならないから。

タイムリーに告知できれば短時間でランキング上昇して、より効率的にセールで売れます。セール始まった時に急に書き始めて、最終日にようやくとか、最悪間に合わないとかバカらしいでしょう?

Twiiterに載せる時のテンプレートとしてはこんな感じがオススメ。

■告知画像を載せない場合 - 各電子書籍ストアの書影などを載せたい場合
"キャッチコピー、作品名、ストアURL キャンペーンの終了日時や補足情報" 注:テキストの余裕は40字以上

画像を載せない場合大事なのは真ん中らへんにURLいれて後にテキストをいれること。最後にしちゃうとTwitterの仕様でURLが省略されるのでリンクへの誘導率が下がります。また、テキストに余裕が無いとなぜかアイキャッチ画像を呼び出せない時があります。

この辺はKindleに限らないので各ストアのURLをそれぞれタイミング見て貼っていきましょう。こちらが例 URL最後URL真ん中(ブログ記事にツイートを引用するとURL見えちゃうのでツイッターにリンクを貼ってます。)

■告知画像(スクリーンショット)などを載せる場合
"キャンペーンはX日まで! ストアURL 画像の添付(告知画像やストアのスクリーンショットほか)"

画像を載せる場合はURLの位置は適当で良いと思う。海外だと冒頭の方に置くことが好まれて、日本だと最後の方に置かれることが多いみたい。作品のコマなんかも載せるといいかも。画像は3枚までがバランスがいいと言われています。

告知イラスト+書影+代表的なコマなんかバランスいいかも

■URLを載せない誘導は意味が薄い

あと、漫画家さんによっては『無料キャンペーン中です!(URLなし)』『今、電子書籍ストアで第1位です!(URLなし)』とかだと、RTされてもファンではないユーザーが興味をもって各ストアを開いて検索して、という流れは期待しづらいのでせっかくのシェアがもったいないですよね。

ツイッターで見た新規ユーザーがすぐに買えるようにとにかく忘れずにURLを載せましょう。

■Twitterのシェアはセール期間中何度やってもいい。ただし、時間はバラけさせよう

Twiiterでの宣伝をたくさんすることを気にする方はいますよね。でもフォロワーさん全員がすべてのタイムラインを熱心に見ているわけではないので、繰り返すのは全然ありと思うんですよ。わたしはしつこいくらいセールの告知をツイートしてますが『セール見落とした!』『新刊発売してたんですか!』というフォロワーさん結構いますし。

ただ、短時間で一気に多数をやるとウザがられますので時間をバラけさせましょう。個人的にオススメは以下の時間。

・07時〜09時頃(通勤・通学など始業前の時間)
・10時30分〜11時30分くらい(ちょっと仕事をサボりたいとか、トイレでのチェック狙い)
・12時〜13時(昼休み狙い)
・15時〜16時半くらい(サボりたい時間)
・20時、21時、22時の各5分前(テレビ番組の終了やCMの時間帯)

この辺りを組み合わせてKindleストアの案内+他ストアの案内+次に説明するまとめページへの案内の3〜5ツイートをセール期間内に載せてく。その際【拡散希望】とかダサいことは載せず『おかげさまでランキング上昇』とか、こうタイムリーに伸びてる情報をいれたり、自著案内だけだとフォロワーも飽きるのでオススメのセール作品や、友人の作品案内なんかをいれるとなお効率が良さそう。

Twitterで直接ストアへの案内もいいけど、どこかにまとまったページを用意しよう。

セールがはじまったときストアへの誘導を一生懸命する方が多いのですが、せっかくなんで自分のメディアをもっていればそこの誘導も組み合わせるのがいいんじゃないかなぁと思うんですよね。

ブログを持っていれば『告知画像+各ストアへの一覧リンク+試し読みの添付、もしくは出版社公式の試し読みページへの誘導+新刊告知(orお仕事募集)』。

こういうのがあればいい理由としてはストア直の案内は作者 > 読者という流れで終わるのですが、まとめページなどある程度情報があるものは読者 > 読者というシェアが期待できるんですよ。

えーと、つまり試し読みとか何か作品のバックグラウンドや裏話的な記事がついてると「この漫画家さん面白かったからオススメ」とか友人に紹介されたりすることが増えます。間違いなく増えます。各ストアのURLが盛り上がることは少ないですが、何かしらWEBページに手間をかかっていて共感される部分があるとシェアされる可能性があがります

予算に余裕があればひとに任せるってどうだろう。

随分前に漫画家さんが自力でWBEメディアを運営する方法について述べたりして、今でも必要なことだとは思うのだけれど、最近はほらクラウドファンディングも発達して……あとはオススメしづらいけどVALUなんかもありますし、クリエイター自身での資金調達も可能になってきているので運営をプロに任せるというのはどうかなぁと思っている。

映画もドラマもそうですが、広告代理店がいて、メディアとつながりをもって色々広告をやっているわけじゃないですか。ゲームもそういうのがありますよね。

出版物については"売れてる作品"は出版社が色々やってくれますが、そうじゃない作品はまぁ……そういうわけではないですし。

そこで、WEBサイトの運営とかSNSのプロモーションを任せられるひとを資金調達して雇う。一人で養うのが無理なら漫画家10人くらいで専任広告担当を雇うとか。

日本でもエージェントをメインにする会社が増えていますが「そこまでお願いするほどではないけど、WEBサイトとかプロモーションとかの分野はなんとかしてほしい。」くらいのニーズをまかなうプロモーションビジネスはでてきたら面白いんじゃないかなぁと思ってる。

実際、わたしは電子書籍の紹介だけで生計たてられてますし、漫画家さんにとってもアシスタントを雇う延長くらいでとらえられたりせんもんかなぁと。

漫画家10人のWEBメディアの管理を合計月15万円くらいでやってくれるフリーの人っている気がする。初期構築が必要でも1サイト10〜15万円くらいならなんとか……? メディア作れる人がプロモーションできる、というわけでもないけれどなにもしないよりははるかにマシですし。

エージェントまではいかない漫画家プロモーション代理ビジネスってのは生まれないもんかなぁ。ぜってぇ面白いと思うんだけど。わたしはきんどうあるからやらないけれども。誰か初めてくれたらニヤニヤしながら推移を見守りたい。

おわりに 電子書籍の売上とかについての私見

プロモーション論について久々に書くのは漫画家さんが紙と電子書籍についてお話されていたからなんですけれど

こちらのツイートについてはこの前段階で”連載は現在第一部完結で休眠状態。出版社から提示された第2部開始の条件はこの単行本3巻の最初の月の売り上げが70%を超えること!”という話があります。ソウルリキッドチェインバーズ3巻発売!(作者公式サイト)

世知辛いなぁ……とは思いますが、ちょうどこの議論は年初に盛り上がりましたね。以下、参考リンク

KAI-YOU 「電子書籍の購入は作家の応援にならない」は本当? 現役編集者に聞いた
KAI-YOU 「電子書籍の購入は作家の応援にならない」はずがない
KAI-YOU 電子書籍は今やコミック市場の30%超 講談社とpixivが新アプリ発表の場で語ったこと

わたしは電子書籍の紹介で食い扶持を稼いでる手前、電書の売上ノーカンは苦いなぁと思いつつ、とはいえ特になんの影響力もない個人なんで、どうにも惨めな気持ちで界隈を見ています。

編集者さんと話すと「作家にはいい作品を書いてもらうのがわたしたちの仕事」と言いはするけれども販売戦略部分は分野外ってのはどうなんだろう。電子書籍の営業は各作品の販売について責任を追う立場にないとかどうかなー!と思いますが、結局すべてが半端なままで作家がダイレクトマーケティングするしか無いのが現状ですからなぁ。

いずれ出版社の役割が変わるか、潰れる会社が増えていくか、上で書いたような広告代理モデルができたり、作家個人によるプロモーションの仕組みが確立されたりするかもしれませんが……今しばらくは誰かがなんとかしてくれると期待している場合ではないだろうなぁと思ってこの記事を書いています。

この記事を読んで一人でも作家さんが「よし、なんか準備するかー」と思ってニコニコカドカワ祭りが盛り上がり、うちのサイトにユーザー流入が爆発的に増えて、わたしが儲かれば嬉しいですなぁ。

最後に、ここまで興味持った方向けの過去記事
『Amazonフォロー』に作家・漫画家は今すぐ対応したほうがいい件
マンガ家が電子書籍ストア・出版社キャンペーンを利用する方法
ベテランのプロ漫画家さんから『どうやったら電子書籍って売れるの?』と聞かれたのでメディアの作り方をまとめてみる

2017年9月28日まで 【最大70%OFF】ニコカド祭りフライングしちゃいました!

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