1年で60万ドルの印税!米国Amazon公認のベストセラー官能作家「時間外診察」を執筆したアリス・リデルさんにインタビュー

1305183こんにちは、きんどるどうでしょうです。
いま話題、もしくはこれから話題になるであろうKindle作家にインタビューするKDP最前線。今夜はその第117回。
昨年の収益は60万ドル!!Amazon.comも認めるベストセラーSM小説家が日本のKDPに登場。「時間外診察」を執筆したアリス・リデルさんです。
アリス・リデルさんには本作執筆のキッカケやオススメのポイントをなどを語っていただきました。さぁ、いったいどんなお話が聞けるのでしょうか。もちろん、本作はAmazonKindleで無料で試読が可能です。

インタビュー with アリス・リデルさん

著者プロフィール

アリス・リデル(Alice Liddell)
日本在住のアメリカ人女流SM作家。10年ほど前からSMに興味を持ち、同時に小説も書き始める。ビクトリア朝時代を舞台にした“The Harlot Bride”(嗜虐性をもつ伯爵に嫁がされた女性の性奴調教ストーリー)、“Childebride Island”(特定の趣味を持つ男性に提供するため、成人女性を幼児化する島の物語)など英語のSM小説10作をキンドル版で発表し、大成功をおさめる(一部はペーパーバック化)。
今年4月末に初の邦訳小説、医療プレイをテーマにした『時間外診療』(佐伯香也子・訳)を出版。発売後10日あまりでアダルト小説・サブカルチャー部門ランキングで1位を獲得。
アメリカをはじめ、ヨーロッパ、日本の有名SM関係者との交流も多く、日本の緊縛などにも造詣が深い。

時間外診察

この「時間外診療」は、『マニア倶楽部』『秘性』『カルテ通信』などで、女性の視点から描いた濃厚なSM小説を書いている佐伯香也子が、一読して「ぜひ翻訳したい!」と思った作品。全編を貫く知的で上品なトーンは、既存の男性作家の作品には見られないものである。
ストーリーは、若く美しいドラが、彼女の主兼恋人のジョージに診療時間の終った夜の診療所へ連れて行かれるところから始まる。彼女はそこで、すてきな男性ドクターと美しい女性ナースによって、徹底的な性の精密検査をされる。
強制的なストリップ、内診台・カート等への拘束、拘束姿での放置、猿ぐつわ、器具や指をつかった性器&直腸の内部検査、アナル貫通およびプラグによる拡張、剃毛、フェラチオ&飲精などが、次々とドラに強要される。
随所にほどこされた言葉責めや乗馬鞭による厳しいお仕置き、ナースによるドラへのレズビアン的プレイもちりばめられた、愛と被虐感満載のストーリー。 原文付きなので、英語で直に味わいたい人にも、また英語の勉強をしたい人にもおススメである。
SM行為や医療プレイに興味のない方は、どうかお買い求めなきようお願いいたします。
価格:298円
評価:★★★★★,2件のレビュー
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――この作品を書いたキッカケを教えてください

私が書いたきっかけよりも、翻訳された経緯をお話したいと思います。
たまたま知り合ったSM作家の佐伯香也子さんに英語の原文を送ったところ、是非翻訳したいとのお話があり、平成22年に小さな雑誌へ掲載されることになりました。しかし、その雑誌はあまり売れませんでした。私は既にアメリカ、UKなどのアマゾンで販売し、成功していましたから、日本版のキンドルストアが始まってすぐに、彼女に電子書籍化の話を持っていったのです。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

日本ではあまり触れることのない、欧米の本物のSMスタイルを知ることができるところだと思います。

――読者からの感想はありましたか?

英語の小説に対してはたくさん来ています。レビューで褒めてもらうこともありますが、ブログを通して、直接のメールをたくさん頂いています。喜んでいただいたお客さまからお便りをいただくと、とてもやりがいを感じます

――値段はどうやって決めましたか? また今後値段を変える予定はありますか?

70パーセントのロイヤリティをもらえる、最低の金額にしました。アメリカと同じように、より安い価格に対して70パーセントの設定ができるようにしてほしいですね

――作品を書くうえで悩んだところは?

原作はほとんど自分の楽しみのために書きましたので、悩むということはありませんでした。ですので、翻訳で配慮した点をお話したいと思います。
たとえば、英語だと二人称は「you」だけですが、日本語には「あなた」「きみ」「おまえ」といろいろあります。「きみ」と「おまえ」のどちらを選ぶかで、物語の雰囲気が全然ちがってきます。「ドラちゃん」というのと「ドラ」と呼び捨てにするのでは、そこに含まれるニュアンスがまったく変わってしまうのです。
日本語にする場合は、そうした言葉の中からふさわしいものを選ぶということが、大変重要になってきます。言葉責めのところを翻訳する時には、2人でさんざん苦労しました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

原文を書いたのはもう十年前のですので、よく覚えていませんが、翻訳のほうは時間がかかったのは事実です。何回も佐伯さんと会って、確認したりしました。

――小説を書くときのこだわりってありますか

美しくわかりやすい文書で書くということが、なによりも重要です。そして官能小説なので、自分も興奮して感動できる小説でないとだめです。私はいまだに、自分が書いた小説を読むと興奮します

――電子書籍についてどう思われますか?

最初は抵抗がありました。本というのは、やはり手に持って、実際にページをめくるものだと思ったからです。
でも、日本に住むようになって、洋書を自由に手に入れるのが難しくなりました。人一倍読書好きの私は困りましたが、キンドルを使って英語の本を発売直後に、しかも安く買えるようになって納得しました。キンドルを日本で発売前にアメリカのアマゾンで買って、日本へ持って帰った時、これはすごく便利だと思ったのです。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

私はアメリカ人なので、すでにTaxpayer number(納税者番号)やアメリカの銀行口座を持っています。ですから事務手続きの面では割合簡単でしたが、日本人には、まだハードルが高すぎます。リフティングチャージ(外為手数料)の面だけでも、もっと優遇されるようにならないと利益率が低すぎますね。
また、小さなことですが、翻訳者の名前でも検索できるよう、商品ページで表示してほしいと思いました。BOOKSHELFのデータには入っているのに、表示されていないのです

――なぜ日本のKDPでだそうと思ったのですか? また他の国では出版されていますか?

原作 (The After-Hours Examination) が、英語圏のアマゾンで年間8千冊以上の売り上げを見せたからです。これなら、日本の読者も受け入れやすいのではないかと思いました。私が日本在住だというのも、大きな理由の一つです

――アリスさんのように英語圏の作家たちは世界でのKindle出版に興味を持っているのですか?

それはもちろん、どんなジャンルの作家でも関心をもっています。官能小説でいえば、英語の作品をスペイン語やフランス語に翻訳することに力を入れている作家もけっこういます。でも、官能小説で日本語版を出したのは、おそらく私が初めてでしょう。

――英語圏の官能小説の状況について教えてください。

とても盛んです。ソフトからハード、ゲイSM、さまざまなフェティシズムやサブジャンルもあります。官能小説を、フルタイムで書いている作家もいっぱいいます。
私は本業でとても忙しい毎日を送っていますので、小説を書く時間はあまりありません。にもかかわらず、去年、アマゾンでの官能小説の販売だけで60万ドルの収入を得ることができました。
10作品合わせた一ヶ月の合計を見ますと、アメリカは1,000〜5,000冊、イギリスは数百冊、他の国は合わせて百冊くらいの売り上げがあります。結構満足できる数字です。新作を出すと全ての作品の売り上げがあがります
日本語と英語では市場の規模が違いますが、日本でもタイトルが増えていけば、キンドルで購入する人の総数も増えていくのではないでしょうか。官能小説の魅力は、人種を問わないと思います。

――人気のジャンルなどはありますか?

私が書いているような官能系は、人気ジャンルの一つです。
キンドルストアは、人に見られないで、いつでも自宅から購入できるのがセールスポイントの一つです。たとえば、書店で官能小説を手に取ることなんか恥ずかしくできない女性客にはうってつけなわけです。実際、英語圏のキンドルでは、女性たちが非常に大きな市場を開いてくれました。ほかにも、恋愛小説、セルフヘルプ(自己啓発書)、ファンタジーなど、読者に人気のジャンルがたくさん出てきました。

――プロモーションの秘訣を教えてください

最初に盛り上げるには、ブログとかTwitterを使えばいいのですが、私のアメリカでの経験から言わせていただくと、ある程度売り上げれば、似ている作品をチェックしたお客さまに、アマゾンが「おすすめ」として推薦してくれるようになります。そうなると、何もしないでもよく売れるようになります。後は定期的に新作を出すことが大切なようです。

――日本の官能作家が英語圏でチャレンジする時のアドバイスをお願いします。

フィクションは綺麗な文書でないと読者は最後まで読んでくれません。ネイティブの「チェック」だけでは済まないと思います。やはり文学のセンスのあるネイティブの人に翻訳してもらうか、リライトしてもらう必要があるでしょう。和英翻訳はなかなか難しいので、むしろ写真集のような商品から始めるのはどうかと思います。ただし、アメリカは未成年のモデルをとても厳しく取り締まっています。日本人の女性は若く見えるので、18歳以上のモデルでも未成年と間違えられるおそれがあります。海外市場へ進出する場合は、そうした事情をよく調べたほうがいいでしょう

――今後、どういった作品を発表していきたいですか?

以前、戦前の日本の女学校を舞台にした、“Teacher’s Dispatch”というF/f(女性が女性をいじめる)SM小説を英語で出版しました。この作品のために日本の画家が描いてくれたカラー挿絵も素晴しくて、日本の読者にも楽しんでもらいたいと思っています。この挿絵の付いた小説の和訳ができればいいなと思います

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

私は幼いころから、ちょっとしたことですぐに感情が動いてしまう子供でした。
繊細すぎるのは、アメリカでは欠点だと見なされます。結局そのまま育ちましたが、作家となった今は、それがとても役に立っています。これからも、女性にしか書けないものを書き続けるつもりです。
また近いうちに、日本の読者のみなさんにお会いできればと思います。アメリカ、イギリスと同じように日本も電子書の市場が拡大していくと信じています。みなさんも、KDPでの出版をはじめてみませんか。

アリス・リデルさんに質問をしよう!

今回、アリス・リデルさんから「もし日本のKDP作家さんから質問あればお答えいたします」と仰っていただいていますので、何か聞きたいことがある方は下記コメント欄にお願いします。込み入った内容やあまり公開したくない質問の場合はコンタクトフォームからお願いします。本日より1週間程度受付いたします。こちらでまとめて、後日記事のかたちで公開いたします。

今回お話を伺ったKindle本

時間外診察
アリス・リデル (著)
価格:298円
評価:★★★★★ 2件のレビュー
Amazon.co.jpで詳細を見る


きんどるどうでしょうでは、KindleDirectPublishing、個人出版で頑張るインディーズ作家の方々を応援しています。

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