マンガ家が電子書籍ストア・出版社キャンペーンを利用する方法

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こんばんは、きんどるどうでしょうです。漫画家 佐藤秀峰さんが語った「電子書籍を売るために必要な基本認識について」で述べられた、作家が自身のコンテンツをどのように運用するかに知恵を絞るについての補足と実例について。つまるところは、ストアや出版社キャンペーンに乗っかりつつ上手くやろうとという話をします。

適切な例えかはわかりませんが「他所とは違う、こだわりの肥料をつかって丹念に育てた野菜を農協に卸してます」と聞いて「ネットでブランディングして直接消費者に売ればいいのに!」なんて、思ったらおんなじような話がマンガ業界と電子書籍です。

この記事で伝えたいのはどう売る、どう儲けるというよりも、ストアや出版社のキャンペーンを利用して、顧客である読者とどうエンゲージメントを結んでいくかという視点で取り組んで欲しいなということ。そして、ネットを使ったプロモーションというのは今日やれば明日上手く行く、というモノじゃなくて昨日までやってきたことが成果になる、ということを知ってもらいたい。

もし、ブログ・ソーシャルメディアを何もせず不平不満を感じているなら、すでに成功している・上手く行った方々となぜ同じことをしてこなかったのか、昨日はじめなかったのかを考えてもらえればなぁと。ただし、この記事も佐藤さんの基本認識も正解とは限りません。疑って、自分の頭で考えて、一人ひとりが正解に向かって取り組むのが……2016年の電子書籍市場に望まれる姿勢じゃないかと思うんよ。

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マンガ家は電子書籍ストアや出版社のキャンペーンを積極的に利用しはじめた方が良い話

もう、一線級のクリエイターさんの中には電子書籍経由の売上が2割を超えてらっしゃるという昨今。佐藤秀峰さんが考えたマンガ家さんが持つべき認識+として、Kindleストアでマンガ家が取り組んだプロモーションの事例や、学び。あとはマーケティング的な……ところ、について述べます。冒頭で話したとおり、それが正しいかはわからないが、何もしないよりは収入面で多少の助けになるじゃないかな。

Kindleストアでランキングをあげるのはチョロい

まず、Kindleストアは「短時間」で「まとまった冊数」を売り上げる/ダウンロードされることでランキングが急上昇します。今のところ、よほど大規模なセールが発生してなければ1日500冊ほど売ればランキングの20位以内に飛び込めるとは思います。つまり、超熱心なファンが500人いればなんとかなる数字ですね。

もちろん、500人のファンを作るなんて容易ではないのですが、ライバルのほとんどは何もしてないので、ちょっと熱心に活動をはじめれば簡単に順位を上げることができます。具体的に何するかといえば、人気のマンガ描いて、ブログに私生活をのぞかせて、Twitterでファンサービスする……のが正解かなぁ。そこから、炎上に気をつけて頑張れば1年くらいで目に見えて成果がでるかと。

そうやって、ネット活動を続けてきた結果、目覚ましい効果を発揮されたマンガ家さんの事例が下記になります。

例:少女ファイト

昨年12月、日本橋ヨヲコ先生の『少女ファイト』1・2巻がKindleで100%OFFキャンペーンやってたんですよね。この時、たしか宇宙兄弟とか120冊以上の無料作品が配信されてたんですが、迅速にキャンペーン告知の描きおろしマンガを配信され速攻Kindle無料本ランキングの1・2位へ。その後は1・2位になった記念イラストや既刊案内、連載10周年の告知など手広くされてました。結構な人気作家さんなのですが、機を見るに敏!

2万8千人以上フォロワーがいらっしゃることもあって、もう拡散力がスゴイ。作品と作者自身に力があれば、ツイート1つをキッカケにして熱心なファンが新たなファンを呼び込んでくれるので、より大きな効果が期待できます。これは無料キャンペーンなんで、セールス的に価値があるかはわかりませんが、何もしなかったより3〜12巻、もしくはその続きを読みだすファンの獲得につながったはずです。

例:B型H系

今年の1月1日に集英社の新春キャンペーンでONE PIECEやドラゴンボール、実写映画化を控えた珍遊記など約70冊がお試し無料をスタートしたんですよ。 1月1日配信のKindle無料本(集英社)

そこで、普段からTwitterでやり取りしてるさんりようこ先生の『B型H系』が対象になってたんで、下記みたいにご案内したんですよね。そしたら速攻反応いただいてRT頂きまして。6日23時現在同日配信の集英社キャンペーンので唯一総合ランキング一桁台にはいってますね。

1月6日23時現在のKindle本コミックランキング

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参考:現在のKindleストアランキング コミック の 売れ筋ランキング

これらは、わたしが絡んだ事例なのでよく数字や反応がわかってるのですが、それ以外にも今たくさんのマンガ家・作家が電子書籍のキャンペーンを利用してます。

電子書籍のキャンペーンを作者が利用した例

これら以外にもカドカワ半額キャンペーンとかならマンガ家さんに限らず小説家、ラノベ作家などもバンバンと最近告知を強化されだしてますね。あるマンガ家さんが1年前と比べて電子書籍の印税が倍になったとツイートされてましたが、みなさん目に見えて効果がでてきてるんでしょうなぁ。

ある程度、クリエイターがメディア力をもってれば電子書籍は稼げる手段になるが、出版社がすべき努力じゃないのか ← 誰かがなんとかしてくれるワケないでしょ

佐藤秀峰さんも”作家が自身のコンテンツをどのように運用するかに知恵を絞るのではなく、出版社の商品を宣伝している時点で、そのビジネスモデルは崩壊しています。”と指摘されてるとおり、わたしもこれは変だなと感じています。が、出版社が何かしてくれると期待するのは無理っぽい。

何度か、何かできればなぁと大手の出版社さんに提案してプロモーション的な協力は無料でするよと申し出ても「電子書籍に人員やコストをかけてプロモーションをするより、紙の出版に注力したほうが市場ははるかに大きい」というのが現実なんで仕方ないです。それに担当者は事務屋であって企画屋じゃないとか……結局、みんな自分の都合に精一杯なんですよね。チャレンジして失敗もできんですしなぁ、バックオフィス業務だと。

わたしも、電子書籍じゃいっぱしのメディアだー、御社の作品数十万冊の販売に寄与してますよー なんていっても、まあ、紙市場全体と比べられたらね。所詮、個人の局地戦ですよ。……じゃああんたらがやりなさいよ。バカみたいに半額にしやが(ry

……まぁ、そうはいっても、ビジネス的にいって芥川賞の『火花』が電子書籍全体で十数万部ですから、出版社が何かを始める時期ではたしかにまだないんですよね。いつ来るかはわからない。たぶん、こないし来たときには未経験でも安心というものでは無いと思いますが……電子書籍で話題になれば、紙も売れるとかならいいんですが、まだ証明されてないですしねェ。

とにかく出版社さんに過剰な期待はせず、最大のプロモーションの場である雑誌をなんとか維持してもらい、電子書籍ではバカみたいに値引いてくれてるのを巧みに利用しましょう。そして自分のことは、自分で頑張ろう。それが一番確実で安心できる方法です。

とにかく、余裕があるうちに出来ることをはじめたほうがいい

なので、今のように大雑把にまとめてドーン!と無料や半額にするようなキャンペーンをしてくれる電子書籍黎明期のうちに、上手く利用するような強かさを身につけるのは必要だと思うんですよ。これから先もこんな雑な販売方法が続くとは思えないので。「電子書籍も再販制度適用だー。価格は紙と一緒だーガハハハ」なんて、エライ人が政治の力で推し進めるかもしれませんからね。

もしすでに商業作品があり、それがセールや無料キャンペーンになればそれが伸びるようにメディア力を鍛える。これからデビューするならば、まずは作品が成功するように創作に取り組みつつ、将来的なファン獲得を目的にしたメディアづくりを行うですね。ネットプロモーションで実力をつけても肝心の作品で読者を熱くさせられないと本末転倒なんで力の入れ加減だけ気をつけてください。

5年先くらいでは電子書籍はまだまだかもしれませんが、20年先とかになれば相当なもんになってるでしょう。生き残るためには、ある程度ネットでの告知力や、プロモーション力的なもんを磨いておくのは無駄にはなりません。

個人的に、無名でゼロからメディアつくって電子書籍の紹介だけで生計をたててる身として話せることとしては「売ろうと思わない」「また見たいと思わせる」「ご縁は大切に」くらいだろうか。ネットはコミュニケーションのコストが低いから雑にしがちなんですが、ちゃんとすれば、それだけたくさん伝わります。画面の向こうには数字じゃなくて、人間がいるんですわ。

さいごに初心者向け、マーケティングの心得を学ぶ本

マーケティングマインドのみがき方

岸田 雅裕 (著)
価格:1,166円 28%OFF+20%還元
★★★★* 19件のレビュー

BMWは顧客の声を聞かない、ユニクロのターゲットは広くて狭い、ダイソンのマーケティングセンス、経済危機で売上を伸ばしたウォルマート・・・豊富な事例からマーケティングのキーワード、フレームワーク、新たなトレンドが学べる「教科書」。(……)現役マーケターも予備軍も、楽しみながらマーケティングマインドをみがくことができる。

グロースハッカー 第2版

ライアン ホリデイ (著), 佐藤 由紀子 (翻訳), 加藤 恭輔(解説) (その他)
価格:1,400円 20%還元
★★★☆☆ 4件のレビュー

2013年末に発行後、大きな話題を呼んだ『グロースハッカー』の第2版です。 グロースハッカーとは、数年でユーザー数を数千万人、数億人にまで増やす シリコンバレー企業の成長請負人のことです。 彼らは、華麗だけれども、地道な試行錯誤と分析する「グロースハック」を 繰り返し、事業規模を数十倍、数百倍にまで急成長させます。

マーケティングってなんぞや?という方にはまず岸田雅裕『マーケティングマインドのみがき方』がオススメ。ネットに限らず、大企業の事例をつかって顧客中心の考え方を学べます。取り組むべきはツールや方法よりもまずマインドです。根っこの部分があってないと、売れればええんや!数字でればええんや!なんて突っ走っちゃいますからね。

また、これまでマーケティング本やブロガー本を読み漁ってきたけど実践は何一つしていないという方には『グロースハッカー 第2版』がいいかな。今、熟読してる最中ですが、こちらもネットマーケティング・プロモーションをするためのマインド部分について述べています。特に作者のライアンホリデイは元出版プロモーターなんで、考え方がだいたい電子書籍にも応用できそうな実りある作品。読者を参加者に変えてくってことができればなぁ、と思いながら現在3週目。

この次にはセス・ゴーディンの『パーミッション・マーケティング』。次にもうちょい分厚い『ブルーオーシャン戦略』とか読んでもらえればなぁと思いますが、そうしたことに取り組みつつ今日の晩ごはんの写真をネットにアップしてイラスト描いてなんてまずは手を動かすことから初めてもらうのがいいんじゃないかな。実践が一番の勉強ですよ。

あわせてどうぞ!佐藤秀峰が語るマンガ家への提言

電子書籍を売るために必要な基本認識について
こんにちは、きんどるどうでしょうです。『ブラックジャックによろしく』『海猿』など人気漫画家であり、自身でも電子出版ビジネス...

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