「弁護士 隈吉源三」小玉オサムさんインタビュー

こんばんわ、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第55回は、「弁護士 隈吉源三」を執筆した”小玉オサム”さんのインタビューを掲載します。

弁護士 隈吉源三

小玉オサム「弁護士 隈吉源三」

元医師の新米弁護士、隈吉源三は33才にして著名な法律事務所に就職する。事務所には高校時代の同級生高山雄治がいて、二人はコンビを組んで依頼人の抱える問題を解決していく。
背が高く二枚目で家柄もいい高山に、顔も体もずんぐりむっくりの隈吉はコンプレックスを抱くが、そんな隈吉に高山はずっと好きだったとすがるように打ち明ける。性に奥手だった隈吉は、高山、そして事務所所長の大塚からも関係を迫られる。真剣な高山の想いから、隈吉は男同士の恋というものを少しずつ知っていく。
初出『月刊サムソン』のシリーズ第一弾。

「この分ならいいチームが組めそうだな。高山くんは医事法規のプロだし、そこに本物の医者がつけば、まさに鬼に金棒だ」
今回は20年を超えるプロのゲイ小説作家”小玉オサム”さんの長編シリーズの個人出版本です。モノ書きで食べていきたい人は是非ご一読を。これまでボーイズラブ本はサイトで取り上げてきましたが、ゲイ小説っていうと…読んだ限りまあ、あんまり違いがわからないかな。まあ美形の少年同志のキャッキャウフフというわけでなく…主人公はゴツイおっさんなわけだけども、しかし、さすがのクオリティですね。導入部分から物語がしっかり作られているので、男同士の心のやりとりというのが丹念に作られた上で交流がはかられます。

インタビューでも語られていますがゲイ小説は単行本化されることが少ないということで、こういう個人の取り組みで新しい文化が生まれるかもしれないですねえ。

小玉オサムさんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 小玉オサムさん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

もともと『サムソン』というゲイ雑誌に掲載されたシリーズ小説なんですけど、始まったのは十五年くらい前。
ゲイ小説はポルノでないといけないので、当時は(たぶん今も)ストーリーメインのゲイ小説は珍しかった。
でも、ポルノ要素はしっかりもたせつつ、エンターテイメント寄りの小説もけっこう需要があるんじゃないかと考えたのがきっかけ。
当時好きだったパトリシア・コーンウエルの検屍官シリーズでは、主人公は医者で弁護士でもある女性で、とにかくかっこいいんだけれど、これをゲイ好みのノンケ男の弁護士に仕立ててみた。それが毎回事件に出くわして、ゲイの男たちに迫られて関係を持ってしまうという設定。(結果として似ても似つかない内容になった。)

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

主人公ははじめはノンケで、マジメな性格だが太り気味で男くさくて、女にはまったくモテないタイプ。それがゲイにはモテモテで、同僚のゲイ弁護士と付き合っていく内に男同士の愛に目覚めていく。
第一弾ではエイズ問題を取り上げた。ポルノという分野ではリスクの高いテーマだが、シリアスなものも物語や登場人物をリアルに感じさせるのではないかと。
第二弾ではゲイとして生きるということや、家族へのカミングアウトがテーマ。

Kindleで出すにあたって十年ぶりに校正のために読み返したら、ポルノ描写はもちろんあるけれど少なめで、自分で驚いた。なので、ゲイ小説というものに抵抗のある方でも比較的読みやすいかもしれない。
最近は女性向けのボーイズラブ小説の読者さんで、ゲイ小説にも興味を持ってくれる人が増えているみたいなので、今後、そういった方々にも読んでもらえたらなあ、と考えています。

――作品を書くうえで悩んだところは?

上に書いたように、病気や恋人の死、罪の意識などシリアスなテーマも扱っているが、あまり突き詰めた描き方をするとエンターテイメントではなくなるので、ほどほどを心がけた。
毎回、必ず恋人とのホノボノしたエピソードを入れてなごませるようにしよう、とか。自分でもそこが一番書いていて楽しかった。
ただ、シリアスな話の最中にもポルノシーンを入れないといけないので、そこが一番苦労した。いま読み返すと唐突だなと感じる展開もある。

――この本を紙で出したいという出版社が来たらどうしますか?

もちろん喜んで。こないでしょうけど……。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

ひとつのエピソードにつき原稿用紙にして百五十枚から二百枚程度で、三週間から一ヶ月くらいかと。

――もう20年以上執筆活動をされているとのことですがモチベーションはどうやって維持されていますか?

ゲイ小説というのは市場が小さいせいで、紙の本にはしてもらえない。雑誌で読み捨てにされて終わり、という世界。
十年くらい前まではゲイ雑誌もたくさんあったけれど、ネットの時代になって淘汰されて、今は主に三つの出版社に絞られている。もともとゲイ小説を書いて稼ぐのはほとんど不可能という世界だったのが、ますます難しくなってきた。
そんな中でも書き続けてきたのは、楽だったから。ある意味、書くのはつらいことだけれど、きちんと勤めて働くことに比べたら、ずっと楽。楽な方に楽な方に、と流れてきたら、自然とこうなった、というのが正直なところ。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

セールス的には「ボーイズラブ」のジャンルに入れて欲しいのに、どうすればいいのかわからない。
ポルノなので「成人向け要素がある」というところにチェックを入れると、自動的にアダルト小説に分類される。アダルト小説は99パーセント男女のそれなので、ランキングを見ると奇妙だし、アダルト扱いになると普通の検索に出てこなくなる。
ボーイズラブのジャンルの作品はアダルト扱いになっていないものも多いみたいだが、どういう線引きなのか知りたい。ボーイズラブにもえげつない描写ばかりの小説、多いと思うんだけれど。

――電子書籍についてどう思われますか?

ゲイ小説で食べていくのは大変、と書いたが、原稿料の問題だけではない。以前は雑誌にのるだけで本にはならないから、自分の書いたものがどれだけ読者の評価を得ているかわからなかった。それが電子出版というものが始まって少しだけ変わってきた。
五、六年前から電子書籍サイトで過去の作品を配信してもらっていて、もちろん作家の取り分なんてたかがしれているけれど、売れていると聞けば励みになる。

ちなみにKindleでは、すでになくなってしまった雑誌や電子出版に乗り出さない雑誌に書いたもの、自分としては自信があっても掲載してもらえなかった作品を発表している。
アメリカのKindleストアで二年ちょっと前に一作出してみたのが始まりだった。本文は日本語でも、購入までに英語を読まなくちゃいけないので、やはり反応が少なかった。なので待ちに待ったKindleストア日本進出だった。他の電子書籍サイトでも自主出版制度はあるようだが、ポルノ要素のあるゲイ小説は難しいようなので、本当にありがたい話。

――Kindleで個人出版を目指す方にアドバイスをお願いします

難しそう、と思われるかもしれないが、文字だけの小説という体裁でよければ敷居は低い。最近はWordの横書きファイルのままでアップロードしても、向こうで縦書きに変換してくれる。変換ソフトを使うまでもない。
すべて無料でできるのだからチャレンジしましょう。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

いつもありがとうございます。
ブログでも告知しておりますが、Kindleで発表している小説も他の電子書籍書店(JPGAYS、どこでも読書)で取り扱われ始めています。内容は一緒なので重複して購入なさらないように気をつけてください。価格はそろえていないので、買いやすい場所で買っていただきたいです

著者プロフィール

小玉オサム
41歳。二十歳の時に、今はなきゲイ雑誌『さぶ』でデビュー。その後、『ジーメン』『SM-Z』『バディ』『サムソン』『薔薇族』などゲイ雑誌各紙に小説を投稿してなんとかやってきました。
小玉オサムblog
http://kodamaosamu.blog48.fc2.com/

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