「自衛隊のごはん」廣川ヒロトさんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第54回は、「自衛隊のごはん」を執筆した”廣川ヒロト”さんのインタビューを掲載します。

自衛隊のごはん

廣川ヒロト「自衛隊のごはん」

自衛隊体験談シリーズの第2弾です。前作「オモシロ自衛官観察日記」とは繋がりはありませんので、未読の方でも問題なくお読みいただけると思います。
私は以前「陸上自衛隊の中」というサイトを運営(現在はありません)していました。本書は、そのサイトのコンテンツから食に関するエピソードを抜粋し、大幅な加筆修正を施し、入隊から退職までの4年間(2任期)を時系列で追う、という構成となっています。
※詳細なメニューの紹介などはありません。あくまで自衛隊の食に関したエピソードです。(時系列ごとの構成にした結果、食に直接的には関係ないエピソードも幾つか含まれています)
自衛隊のご飯は美味しいのか、否か。普段どんなものを自衛隊員は食べているのか。本書を読めば、それらの疑問が解消されること間違いなし! ……かもしれません。

『自衛隊の食事は、大別して温食と非常食があります。』
1回自衛隊広報施設のりっくんランドには遊びに行ったことあるんですけど、自衛隊ご飯の展示があったんですよね。意外に美味そうなディスプレイがされていましたが…そうか、やはりそんなに美味しいわけがないのか(笑)さて、本作は元陸上自衛官の廣川さんによる『食でふり返る自衛官エッセイ』だ。色々と自衛官に対して風当たりが厳しい世の中ですが、いやあ、現場も苦労してるなあ…。ところで笑ったのですが、
「カレーは常に平均以上の味でした」
本作は食を通じてあくまでも自衛官時代を振り返るという本なので、自衛官という仕事に興味ある人にはいいかもね。高校生に読んでみて欲しい作品だ。自衛隊広報の人でも取り上げてくれませんかねえ。たしか「マモル」ってあったよね?
廣川ヒロトさんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 廣川ヒロトさん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

以前自衛隊の体験記のサイトを運営していたので、草稿が手元にある状態でした。KDPは原稿さえあれば誰でも出版可能ということで、好奇心に駆られて、という部分が大きかったですね。
元々書きためていたフィクションがあるので、そちらをKDPでと考えていましたが、全くの無名では埋もれてしまいそうです。ミリタリー系はある程度人気が見込める分野ですから、まずはノンフィクションから挑戦しようと思った次第です。
あとは、自衛隊系のキンドル本は「黎明の笛」が有名かと思いますが、体験記のようなジャンルはまだ出版されていませんでしたので。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

自衛隊員の日常です。メディアに出てくる自衛隊は、余所行きの顔なんですね。
本音と建て前。その本音の部分の一端でも知っていただければ、と思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

最初は食に関するエピソードばかりで構成していたのですが、主軸にブレが出てしまって、レビューでけちょんけちょんにけなされました。
いや、けなされた、というのは正しくないですね。そのレビューは決して間違いではありませんでしたから。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

以前運営していたサイトのエピソードを草稿としているので、正確には分かりません。

――廣川さんは自衛隊関連本を2冊書かれましたが、今後も自衛隊をテーマとした執筆活動をされるのですか?

予定はありませんが「絶対にない」とは断言できません。何か思いついたら書くかも知れません。教育隊をテーマにしたら面白そうとは思いますけど、とりあえず次は自衛隊とは全く関係のないフィクションを書きたいです。

――電子書籍についてどう思われますか?

電子書籍は最初はスマホで読んでいました。キンドル(KindlePaperwhite)を購入してみて、大きさや使い勝手が段違いに良いと感じました。キンドルは若干モッサリ感があって、そのせいで飛ばし読みには向いてません。
資料を読む、という用途だと不向きですね。
電子書籍は紙と違って、場所を取らないのが良い。紙の本がなくなるとは思いませんが、電子書籍は今後確実に伸びていくと思いますね。

――値段はどうやって決めましたか?また今後値段を変える予定はありますか?

他のキンドル本が99円という価格設定が多かったので、それを参考に本書も99円としました。
3版、4版と、大幅に加筆、及び構成変更などを施したので前作「オモシロ自衛官観察日記」と同じ値段ではちょっと釣り合いがとれない、とも思いますが、色々と錯綜して皆さんにご迷惑をお掛けした点もあり、しばらくは価格を改定する予定はありません。

――読者からの感想はありましたか?

評価は、キンドる速報さんのレビューでは星四つ(正直にいうと過分な評価だと思います)でしたので、人によって変わるとも思います。
クリエイターというか、制作者側に立つ方の評価はおおむね良かったのですが、二版の時に、アマゾンのレビューが入りました。星二つです。内容は「ブログ程度の内容。作者は文章力、構成力ともに低い。ネタは良いのだから、もっと勉強して再度挑戦してください」
改めて確認したら、出来の悪いエピソードが最初に配置されており、しかも時系列ごとに並んでおらずバラバラ。従って読みづらい。大幅に構成を見直し、加筆修正をしました。4版となり、ずいぶんと品質はアップしたと思います。だけど、元のエピソードにこだわるあまり、特に後半部分は若干いびつな箇所が幾つか残りました。
99円のミニコンテンツだから、という理由で、あまり深く考えずに前作「オモシロ自衛官観察日記」と同じような構成にしてしまって。あちらは各エピソードは人物が中心でした。しかし本書は「自衛隊のごはん」ということで、主軸がブレてしまいました。
構成を変更した4版は、なので読み物としての質は上がっているはずですが、直接食とは関係のないエピソードも増えています。食に関する話というよりは青春記という側面が強くなりました。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

特にありません。……といいたいところですが、文字コードの関係で、端末によっては不具合がでるとのことで、一時販売が中止となりました。現在は修正済みのものに置き換わっています。

――オススメのKindle本を3冊教えてください

代々木犬助『残念な聖戦』
抽象的で難解な幻想小説かと思っていましたが、全く違いました。面白い!!
一級の文芸作品です。村上春樹の一番良かった頃の作品と比べてもなんら遜色はありません。序盤の麻雀対決のパートでは、これからどうなるんだろう……と不安でしたが、それ以降は一気読み。
終盤、物語がキレイに収束していく展開も見事。処女作にありがちな著者自身の投影らしき描写もありますが、それを含めても、パズルがカチッカチッと填っていくようなカタルシスがありました。
電子書籍ならでは、という部分もあって、正直、こういう作品を読むと自信を失いますね。

忌川タツヤ、佐々木大輔『ダイレクト文藝マガジン』
現時点でのキンドル本の著者、そしてこれから著者になろうかな、と考えている方には必見のメルマガです。「絶対すくみず黙示録」の忌川タツヤ氏が編集長、発行人は「セルフパブリッシング狂時代」の佐々木大輔氏。毎週、読みごたえのある内容で、大変ためになります。月額525円は破格。
忌川氏の文章は軽妙で、かつ熱くて、読み応えあります。3号と4号に、ショートショートを投稿させていただきました。4号から「未来少女ミウ」の山田佳江氏の連載が始まったりして、これからも目が離せません。

藤井太洋『ジーンマッパー』
今更ながら、という感じですが、読んでない方がいたらぜひオススメしたい。ITやテクノロジーに興味がある人ならワクワク、ゾクゾク、そして楽しめます。話の筋は難しくはないものの、描写はちょっとついていけない部分(難しすぎて)はありましたが、雰囲気で何となく分かりました。
素人だから文章力や構成力が低い、なんてことは全く感じませんでした。ものすごく上手だと思います。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

初版から3版までを購入していただいた方、本当に申し訳ありませんでした。99円のミニコンテンツだからそれほど気は遣わなくていいや、と考えた私が間違っていました。キンドルストアに他の商業誌と一緒に並ぶ以上は、最低限の水準はクリアしないとダメですね。
4版は読み物としての質を高めていますので、以前購入していただいた方は、よろしかったらアップデートをお願いします。
未読のかたは、本書を読めば、自衛隊の食事事情がよく分かると思います。とは言っても、食べ物ばかりの話でもありませんので、その点、ご了解下さい。

著者プロフィール

廣川ヒロト
福岡市在住
元自衛官
若干、文筆業の経験あり

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