【新作】「よろこびのうた」のウチヤマユージ最新作『葬送行進曲』

2年に一度、というスマホの更新期間並みのロングスパンで、とんでもない良作をリリースしてくるウチヤマユージという漫画家をご存知ですか? このたび2年4ヶ月ぶりに刊行された彼の新作『葬送行進曲』を、イブニング編集部のKが紹介します。

前科者男子とゴミ屋敷で暮らす老婆〟そんな辛気臭そうな漫画読みたくないですよね!? ところがですよ!!

ウチヤマユージさんの前作『よろこびのうた』は、主要登場人物が後期高齢者&舞台は限界集落という、なんともキャッチーさに欠ける設定の作品でした。なのに読み出したら止まらなくなり、感動で泣いたり・理不尽な現実に怒ったり・夫婦愛にほっこりしたりと、喜怒哀楽を万遍なく刺激される読書体験をされた方々続出の傑作です。

新作の『葬送行進曲』では、何をやっても上手くいかず行き詰まった前科者が、ゴミ屋敷に独りで暮らす老婆と出会うところから始まります。

11月14日、紙とKindle同時発売

葬送行進曲(1) (コミックDAYSコミックス) Kindle版

ウチヤマユージ (著)
価格:648円

嵐の夜、山道に迷った男は廃屋で一夜を明かす。しかし、廃屋と思われたその家には老婆が一人で住んでいた。さらにその家は「よくぞこれだけ!」と思われるほどのゴミに溢れたゴミ屋敷であった。行き場のない男と、どこへも行けない老婆。ワケアリの二人の孤独な魂が共鳴し……。前作「よろこびのうた」では実際にあった事件を題材に日本の問題をあぶりだしたウチヤマユージが、今作でもまた人の心の暗部を優しく掬う。

【紙・物理書籍版】葬送行進曲(1) (イブニングKC)

ウチヤマユージ (著)
価格:864円

嵐の夜、山道に迷った男は廃屋で一夜を明かす。しかし、廃屋と思われたその家には老婆が一人で住んでいた。さらにその家は「よくぞこれだけ!」と思われるほどのゴミに溢れたゴミ屋敷であった。行き場のない男と、どこへも行けない老婆。ワケアリの二人の孤独な魂が共鳴し……。前作「よろこびのうた」では実際にあった事件を題材に日本の問題をあぶりだしたウチヤマユージが、今作でもまた人の心の暗部を優しく掬う。


私(担当編集)がウチヤマさんの漫画に惹かれる理由はいくつもあるのですが、今回は

①現実と地続きで且つユニークなテーマ
②キャラクター描写の上手さ

の基本的な2点を挙げておきます。

現実と地続きで且つユニークなテーマ

ウチヤマさんは小さなニュースやノンフィクションの書籍から発想を得ることが多いようです。『葬送行進曲』なら「ゴミ屋敷の独居老人」がまずありますね。そこへもう1つ、かねてから気になっていた「庚申待(こうしんまち)」という日本に古くからある風習をぶつけて、ミステリアスでユニークな1巻の物語を作り上げたのです。



付け加えると、1巻で完結していることも本作の良さと言えましょう。続きを待つ必要がなく、映画1本分の満足感が得られるって意味で。

キャラクター描写の上手さ

ウチヤマ作品の特徴は「ポップな絵柄」です。
前作の『よろこびのうた』を読んだ同業者の知人に「話はめちゃ面白いけど、絵がちょっとなぁ~」と言われたことがあります。
「貴様、正気か!? この重い話を劇画調で読まされたら腹こわすわ!!」と思いましたが、センス無い奴に何か言ったところでクチビル寒いだけなので、「なるほどねー」と半笑いで聞き流しました。
老若男女はもちろん、いい人・悪い人・ヤバい人・クセモノと、シンプルな描線で人物を描き分けるスキルは見事です。
その上手さが表れていると、私が思う場面をひとつ見てください。


この運転手と客の女性はここにしか出てこない〝端役〟です。だけどキャラがしっかり立っているので、声が聞こえてきそうじゃないですか?

”前科者男子とゴミ屋敷で暮らす老婆”──キャッチーさからは遠い漫画だけどホントに面白い。ウチヤマユージ2年4ヵ月ぶりの新刊となる『葬送行進曲』、この機会にぜひお楽しみいただけたら嬉しいです。次の新作はまた2年後とかになっちゃうかもしれないので。

ウチヤマユージ既刊作品もKindle配信中

よろこびのうた (イブニングコミックス) Kindle版

ウチヤマユージ (著)
価格:円

北陸の勝野市、田園地帯の集落で火葬場から老夫婦の焼死体が見つかる。警察は老老介護の末の心中と結論付ける。事件から半年後、東京で週刊誌記者をしている伊能は取材ため勝野市を訪れる。近隣住民の口は重く難航する取材のなか伊能は、地域の雑貨屋の駐車場に残る濃いタイヤ痕、焼死した夫婦が事件の半年前に車を買い替えたこと、挙動不審な小学生という三つの『不自然』に気付く。それは事件の深淵へ至る第一歩であった。

月光 (イブニングコミックス) Kindle版

ウチヤマユージ (著)
価格:540円

ヘルプデスクに9時・5時で勤める一見普通の青年・坂本。彼の自宅はひっそりとした郊外の一戸建て。そこには厳重に施錠された地下室があり、ワケあり少女との奇妙な共同生活が営まれていた。『松濤一家殺人事件』、『闇サイト』、『誘拐』、『筆談』──キーワードが導く異常な真実とは? コミティアで活動を続けてきた新鋭ウチヤマユージが、誰にも似ていないタッチで描く“日常系クライム・サスペンス”。

各画像については出版社より提供されたものを使用しております。

本記事は編集部さんより新作新刊案内として原稿を頂いて掲載しています。マンガの新作拡販のためきんどうの枠を解放中なので気になる編集部・作家の方はご連絡ください。なんでも掲載するわけではありませんが、原稿・画像をご用意いただける限り無料です。 @zoknd

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