映画レビューを楽しんでくれ「映画ヒッチハイク・ガイド 2011年公開映画編」を執筆した元木一朗さんにインタビュー

1303171こんばんわ、きんどるどうでしょうです。
いま話題、もしくはこれから話題になるであろうKindle作家にインタビューするKDP最前線。今夜はその第79回。
おべっかの無いストレートな映画レビュー、「映画ヒッチハイク・ガイド 2011年公開映画編」を執筆した元木一朗さんです。
元木一朗さんには本作執筆のキッカケやオススメのポイントをなどを語っていただきました。さぁ、いったいどんなお話が聞けるのでしょうか。もちろん、本作はAmazonKindleで無料で試読が可能です。

映画ヒッチハイク・ガイド 2011年公開映画編

この本は、Amazonで映画のビデオを購入したり、レンタルビデオ屋さんで「何を借りようかな?」と迷った時のガイドブックです。2011年に公開された主要な洋画33本、邦画27本を公開日順にまとめてあります。
価格:300円
評価:最初のレビューをお待ちしています
Amazon.co.jpで詳細を見る

インタビュー with 元木一朗さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

私は2004年からブログを続けていますが、ブログのメインコンテンツはラーメンを中心としたグルメ情報、映画情報、バイオテクノロジー関連、サイエンス・コミュニケーション関連などになります。これらの情報がかなり蓄積されてきていて、それをどうやってマネタイズ(=収益化)するかを考えていました。これまでもアゴラブックスから電子書籍を出版していますし、この一年ぐらいコンテンツメーカー(=売文家)の間で大流行の有料メルマガへの参入も検討したのですが、どれも成果が不透明でした。
また、私はネット以外で「空想科学ノンフィクション」の作家として活動中です。この分野も含め、一般書籍も数冊出版しているのですが、出版社の動きが遅いことや、編集者のハンドリングなどに不満がありました。既存の出版業界に対する最大の不満は既存のスキームにおける、作家・編集者以外の、印刷や流通に関する部分への配慮です。この「部分」とは、換言すると「これまで仲良くやってきた業界のうち、電子化によって冷や飯を食っていくことになりそうな部分」ですが、この配慮のお陰で、出版社の傘の下にいない「作家」や、「フリーの編集者」がとばっちりを受けています(もちろん、出版社の社員も受けているでしょうが、会社に守られていない分、私達の方が被害が大きいと思っています)。ただ、こうした配慮は全否定されるべきものでもないと思っています。
作家は「あいつらはけしからん」と考えるのでなく、自分たちで新しいスキームに乗り出していくべきだと考えています。作家が動き出せば、作家が中心となって、出版という業界の再構築が進んでいくと考えています。
こうした状況にあって、登場したのがKindleダイレクトパブリッシング(KDP)です。KDPは、今までの電子出版ツールよりも格段に使いやすく、また可能性のある出版プラットフォームでした。私は無名ではあるものの、一応「作家」という肩書きを持っていますから、評論家としてではなく、作家として、出版業界の再構築に参加したいと思い、KDPによる出版を開始しました。今年は「毎月一冊」「一年間12冊」を出版したいと考えています。
本作の「キッカケ」は、KDPというプラットフォームが提供されたことです。この本は2011年に公開された主要な映画のレビューで構成されていますが、一部のレビューはかなり辛辣で、「観る価値はない」というコメントもあります。こうした表現は、既存の出版プラットフォームには乗りにくく、一般の出版社から話をいただく可能性も非常に低いという自覚がありました。KDPが存在して、初めて実現する企画でした。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

何と言っても、しがらみを排除したストレートな感想が書かれていることだと思います。また、この本は映画のレビュー本ですが、映画を楽しむための本というカラーを打ち出していません。映画評論家の本には映画の裏情報・裏話や薀蓄などが書かれているのが一般的ですが、この本にはそういった情報はほとんど載っていません。なぜなら、私は映画評論家ではなく、知識もないからです。ひとりの映画ファンが、映画を観た感想を書いています。ですから、レビューを読んで映画を楽しむのではなく、レビューそのものを読んで楽しんでいただけたらと思っています。その上で映画を観て、もう一度レビューを読んでいただけたら嬉しいです。僭越ですが、この本においては主役は映画ではなくレビューだと思って書きました。

――作品を書くうえで悩んだところは?

レビューそのものを楽しんでもらうためにはどうしたら良いのか、楽しい文章、楽しい表現とは何か、という点についてかなり知恵を絞りました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

もともとのレビュー原稿は一年間かけて書き溜めたもので、映画鑑賞の時間も考慮するなら200時間ぐらいだと思います。今回はそれらをまとめて、加筆・修正しただけなので、正味2週間程度だったと思います。

――この本を紙で出したいという出版社が来たらどうしますか?

この本に限らず、私の電子書籍は全て紙化大歓迎です。電子書籍がリーチする層と、紙の書籍がリーチする層は異なります。より多くの読者に私の本が届くのが一番ですから、ぜひ一般の書籍としても販売していただきたいです。これからのテキスト文化はネットとリアルのシナジー効果が重要だと思っています。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

システム上の不具合がまだ散見されます。アップロードしても「しばらく経ってからもう一度お試し下さい」といったコメントが出て、以後、受け付けてもらえる気配が一向になかったこともありました。私はlivedoorブログ、Sigilの2つを連携させて執筆していますが、今のところ、livedoorブログ、Sigil、Amazonの全てのフェイズでバグがあります。ただ、こういうことは、技術の導入時にはどうしても起こります。そのストレスに耐えられる人間が頑張るしかありません。これらについては4月に発売予定の「livedoorブログを使って楽々出版」(仮題)で詳細に説明する予定です。

――どうしてこのタイトルにしたのですか?

もともとは「私をTSUTAYAに連れてって」というタイトルでした。このタイトルで表紙のデザインなども決めたのですが、TSUTAYAの広報に「このタイトルで構いませんか?」と問い合わせたところ、「内容を見て判断させて欲しい」という連絡があった後、音信不通になってしまいました。二度ほど連絡を入れたのですが返信がないため、それなら、ということでこのタイトルに変更しました。映画ファンならすぐにピンとくると思いますが、「銀河ヒッチハイク・ガイド」という名作小説・映画のパロディです。
さらに裏話をするなら、「映画 ヒッチハイク ガイド」でググっても銀河ヒッチハイク・ガイドばかりが検索されてしまい、失敗したなぁ、と思っています(笑)

――今年に入って3冊目のKindle本の出版ですが、手応えなどはありますでしょうか?

正直、全くありません(笑)日本人の電子書籍に対するハードルは、まだまだ高いと思います。ちょっと思うのは日本語の見た目の複雑さが一因かな、ということです。英語なら単純な26個のアルファベットで表現できるのですが、日本語はかなり細かくて、これを小さなデバイスで見ていくのはちょっと辛いのかも知れません。特に老眼だと(笑)

――今後の予定について簡単に教えてください

まず、一番最初に出るのが、上にも書いた「livedoorブログを使って楽々出版」(仮題)です。こちらはすでに原稿ができていますが、まだ若干の取材が残っています。
それから、「映画ヒッチハイク・ガイド」の2008年版、2009年版、2010年版を出します。
「ラーメン屋絨毯爆撃」シリーズを年内にあと1冊出す予定です。また、既刊の池袋編と山手線各駅停車編は英語版を出す予定です。
グルメシリーズとして、「とんかつ屋絨毯爆撃」の出版予定があります。今のところ、あと10軒ほど宿題が残っているので、発売は今年の後半になりそうです。
趣味で写真を撮っているので、「今日の富士山」という写真集を出す予定があります。
まじめな本として、「小学校高学年からの食育」(仮題)という本の予定があります。こちらはまだ目次までしか決まっていませんが、夏休み前までには書き上げてしまいたいと思っています。高校生以下版と大人版を用意して、高校生以下版は無料にしたいと思っているのですが、Kindleで無料にする方法を調査中です。この他に、自分のダイエットをもとにした、「絶対にリバウンドしないダイエット術」(仮題)を出したいと思っています。これは、本当にリバウンドしない(笑)自慢の内容です。
ビジネス書の企画は2本あって、「Twitter後のネット社会」の続編も原稿は集まっているので、そろそろ書籍化を検討します。もうひとつは「割引制度徹底ガイド」です。全く知られていませんが、三菱総研時代の私の専門のひとつは割引制度で、今では一般的になった日本のある割引制度の企画立案をしたのが私です。
最後に空想科学ノンフィクション分野で、「総統閣下はお怒りです」の続編も電子出版で出したいと思っています。こちらは「総統閣下はお怒りです」を出していただいたブックマン社さんと調整中です。新シリーズとして「誤植学」(世の中にある誤植をかき集めて分類したもの)も構想があります。

――影響を受けた、もしくは好きな作家さんを5人教えてください

村上春樹、夏目漱石、宮部みゆき、宮本輝、坂口安吾の5人です。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

出版業界はとても古くて、しかも自浄作用が働きにくい業界です。日本にはガラパゴス化しつつある業界がいくつかありますが、出版業界はその代表例です。出版業界の人たちの目線は、著者でも、読者でもなく、「業界」にあります。「この業界は今後、どうなっていくのだろう」ということばかりを考えています。
一方、今起きつつある出版業界のパラダイムシフトは、業界そのものの否定です。これまでテキスト文化は出版社によって作られてきましたが、これからは著者、編集者、読者の三者によって作られていくはずです。読者の皆さんは、これまでは「ただ与えられるだけ」の存在でしたが、これからはメインプレイヤーの一角を担うことになっていきます。ぜひ、テキスト文化の牽引者として、たくさんの本を読んでいただきたいと思います。

著者プロフィール

元木一朗 Twitter @Amidalachan
ブログ http://blog.livedoor.jp/buu2/
既刊
ネットオークション徹底攻略ガイド(2000年、ソーテック社)
親と子のゲノム教室 (2003年、ラトルズ)
親と子のゲノム教室韓国語版(2004年)
ブログ・ビジネス(2005年、ラトルズ)
Twitter後のネット社会(2011年、アゴラブックス)
遺伝子組み換え食品との付き合いかた(2011年、オーム社)
総統閣下はお怒りです(2011年、ブックマン社)
ラーメン屋絨毯爆撃 池袋編(2012年、Kindle)
ラーメン屋絨毯爆撃 山手線各駅停車編(2012年、Kindle)
映画ヒッチハイク・ガイド 2011年公開映画編(2012年、Kindle)

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