キノコとは何かっ!「(きのこファンのための)はじめての菌類学」を執筆した”中島淳志”さんにインタビュー

こんばんわ、きんどるどうでしょうです。いま話題、もしくはこれから話題になるであろうKindle作家にインタビューする”KDP最前線”。今夜は第66回「(きのこファンのための)はじめての菌類学」を執筆した”中島淳志”さんです。さぁ、一体どんなお話を聞けるんでしょうか!
はじめての菌類学

中島淳志「(きのこファンのための)はじめての菌類学」

著者は菌類学を専攻している大学院生です。菌類の研究を進める傍ら、長野県上田市にある筑波大学菅平高原実験センターにて、生物学に興味のあるボランティアの方々向けのオンライン講座を開講し、菌類学を初歩から教えてきました。この本は、その内容の一部を加筆・修正して収録した第1巻です。
講座の内容は専門的な菌類学に関するものですが、「きのこが好き!」、あるいは「きのこのことを、もっと知りたい!」という人のために、まったくの初心者でも理解できるように、豊富な写真を用いながら説明しています。本書できのこを学問的に理解することで、皆さんのきのこライフがより豊かになることを願っております。

これからの「きのことの付き合い方」が少しでも「豊かになる」ことを願っています。
恐らく、大多数の人にとってはキノコを食材以上に見ることはないだろう。しかし著者は違う。幼少の頃にキノコに魅せられ、カビに興味をもち「キノコの凄さを伝えたい」という情熱が静かに伝わってきます。さすが、これはわかりやすいキノコ本だ。中学生でもわかるような簡単さで説明してくれているので、理系アレルギーの方でも生物学に興味を持てるね。
本書を読み込むことでキノコとは何かを説明でき、菌類の大まかな分類を理解し、キノコを正式な方法で採集し学術的使用に堪える標本を作成・保管できるようになれるという、実生活では使いづらいスキルをゲットできるぞ。
中島淳志さんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。もちろん、本作はAmazonKindleで無料で試読が可能だ。

インタビュー with 中島淳志さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

「菌類学の本を書きたい」という子どもの頃からの夢が個人出版という形で叶うと知って、一気に作り上げました。
大学生・大学院生は学会やセミナー発表で自分の研究を「いかに分かりやすく、魅力的に伝えるか」に日々苦心していて、そのための知識もスキルも身につけているにもかかわらず、これまで「電子書籍の個人出版」を試みた方がいなかったのは、私にとってはむしろ意外でした。
そこで、科学者の研究内容を一般の方に伝え、両者の橋渡しをする「サイエンスコミュニケーション」を学んだ私が先駆けとなり、本書を出版することで、もっと多くの学生の方に「これなら自分にもできる!」と思っていただきたかった、というのが一番のキッカケです
私の先輩は出版に踏み切った私のことを「意識が高い学生」とおっしゃっていましたが、自分自身のキャリアデザインという意識は特になく、あくまで望むことは学問全体の活性化です

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

「学術書の個人出版電子書籍」という新しい分野に飛び込むにあたって、いくつか新しい発想を導入したと自負しています。あくまで実験的に取り入れた、ということなので、これがよい手法かどうかは、後の人の判断に委ねます。
1. 実名と所属を明記する(顔写真まで公開する!)。
学術書の場合には、一般的な実用書と異なり「学術的な正確性」も求められるので、「著者が信頼に足る人物かどうか」がより重要になると思います。実名を公開することは、内容がいい加減、あるいは誤謬があると信用にかかわる、という諸刃の剣であることは承知の上で、それでもメリットの方が大きいと判断したので、今回は勇気を振り絞って公開することにしました。
2. 自分の研究内容を公開する。
本書は入門的な内容なので、私の本来の研究とはあまり関係していません。
Slideshareというサイトで、私の卒業論文と修士論文の内容のパワーポイントスライドを公開しているのですが(このサービス自体、日本の学生はあまり取り入れていません)、そこへのリンクを貼ることによって、本書の内容に興味を持って下さった方が、私自身の研究(本業)も知っていただくきっかけになればと思いました。
3. クリエイティブ・コモンズの画像を積極的に使用する。
私が写真を撮るのが苦手、というのもありますが、世の中には写真の腕に自信があって、かつ自分の写真を「見てほしい」「使ってほしい」と思っている方が数多くいらっしゃいます。こちらとしては質のよい写真を使用でき、相手としては作品の注目につながる、ということで、相利的な関係になるのではないかと思います。
4. 引用文献と画像の出典を明記する。
学術論文では当たり前のことですが…。電子書籍の大きなメリットは、ワンタッチでwebページにアクセスできるということだと思います。特に写真の場合、出典へのアクセシビリティが高まることによって、先に述べた関係にもよい影響を与えるのではないかと思います。
5. ちょっと高級感。
個人出版とはいえ、表紙で「安っぽいなあ」という印象を与えてしまってはもったいないと思ったので、いい加減に作ることはしませんでした。KDPの本の無料サンプルをひたすら読んでいく中で、内容は面白そうなのに、表紙で損してるなぁ…と思うことが多々あったので。価格を100円ではなく200円にしたのも、「しょせん100円の本だから…」と思っていただきたくなかったからです。

――今回、研究活動の一環として出版をされたとのことですが、同じ大学の仲間で出版してみようかな、という方はいましたか?

まだ刊行から2日しか経っていないので、私が出版したことを知らない人も多いと思います。ですが、このようにインタビューまでしてくださり、「大きな反響があるんだ」ということを知れば、自分も書いてみよう、と思う人もいるのではないでしょうか。それこそが私の一番望むところです。

――作品を書くうえで悩んだところは?

やはり、これまでにない試みだったので、反響があるかどうかは気になりました。
ですが、蓋を開けてみると、Twitterの菌類学・きのこ関係者の方を中心に、大変好意的に受け入れていただき、感謝しています(発表の経緯と反響は「べにてんぐの会」さんがまとめて下さっています)。
http://togetter.com/li/464139
今の悩みは、自分なんかの本が専門家の先生方のご著書に混ざってランキング上位に並んでしまっていいのだろうか??(この回答を書いている時点で、Amazonの「 本 > 科学・テクノロジー > 生物・バイオテクノロジー」のカテゴリで2位でした)という嬉しい悩みです。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

実は、1週間前の私はKDPの存在を知らないどころか、電子書籍についてもほとんど知識がない状態でした。
偶然、どこかのニュースサイトで「個人が無償で出版できる」ということを知り、早速次の日にフリーソフトのSigilをダウンロードし、epubファイルの編集の仕方を学びました。文章は以前会員制の掲示板に書いたもの(執筆時間は計6時間くらい)に手を加え、それに「表紙」、「目次」、「写真とその注釈」、「文献と画像の出典」を新たに付け足し…と、ここまででまる1日とちょっとです。
Amazonの審査結果を、首を長くして待っていた時間の方が長かったような気がします。

――表紙を新しくするなら、どんなイラストレーターさんにお願いしたいですか?

実は、私が当初出版したかったのは、きのこの「萌え擬人化図鑑」なのです…。
擬人化本といえば、「軍事」の分野では情報量が満載の本が多く、専門の雑誌が刊行されるほど非常に「進んでいる」のですが、「生物」を含む他のジャンルでは、一般的な教養本として考えても、内容のボリュームや正確性がまだまだ限られているのではないかと思います。
ですが、私には絵のセンスが絶望的に無く、去年の秋に玉木えみさんが「少女系きのこ図鑑」という素晴らしい本を出版されたので、ひとまずその方針は断念することにし、「普通の」入門書を執筆しました。今後、もしイラストレーターの方で私と志を同じにする方がおられれば、ぜひご一緒に挑戦してみたいです。

――電子書籍についてどう思われますか?

個人出版の、ということに限ってお話ししますが、いち学生の私の立場から見ても、間違いなく、今後革命を起こしうるツールだと思います。ただ、現状Kindleストアを眺めていると、やはり出版社の関与している本とは、本の質にも信頼性にも大きく隔たりがあると感じます。
もしかすると、これは黎明期特有の現象で、やがて洗練されてくるのかもしれませんが、やはり校正も宣伝も自分自身で、というのは限界がある気もします。質に関しては著者の自助努力に委ねられるのかもしれませんが、きんどるどうでしょうさんのように、個人出版のシーン全体をリアルタイムで通覧し、著者をサポートしてくださる存在は大変貴重なのではないかと感じます。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

本の作り方や出版の手順は、巷間の「ノウハウ本」に頼ることなく、1日で一通りマスターしてしまえるほど簡単だったので、全く困りませんでした。誰かに読んでもらいたい文章さえあれば、そこから出版に至るまでの敷居は極めて低いと感じます。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

「きのこファン」というニッチな需要を狙った本にもかかわらず、興味を持って読んでいただいて大変嬉しいです。本書は今後もシリーズ化していく予定なので(第2巻は4月のはじめに刊行予定です)、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

著者プロフィール

中島淳志(なかじまあつし) Twitter @Ats_Nakajima
1988年生まれの24歳。筑波大学大学院博士前期課程修了見込み。
専門は菌類学。特に、「○○にしか生えない」という不思議な性質(宿主選好性)を持つ、きのこやカビが研究対象。例えば、「松ぼっくりにしか生えない」きのこや、「ギンナンにしか生えない」カビなど。
小学生の頃に友達と学校の森を探検し、変わった形のきのこを見つけたのがきっかけで菌類に興味を持ち、
中学生の頃に博物館で、カビが専門のスゴイ先生に出会ったことで研究者を目指す。
人類の役に立つ物質をつくる、新種の菌類をたくさん見つけるのが目標なので、最近は「カビハンター」を名乗ることもある。
(E-mail:s1121078@u.tsukuba.ac.jp)


きんどるどうでしょうでは、KindleDirectPublishing、個人出版で頑張るインディーズ作家の方々を応援しています。新刊やキャンペーンの案内を行いたいという方はお気軽に @kindouzon、もしくはメールフォームよりご連絡ください。

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