【書評】『青野くんに触りたいから死にたい』

こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。講談社のマンガサイト「モアイ」掲載の1話が30000PV突破という椎名うみ『青野くんに触りたいから死にたい』第1巻のレビューです。

Kindleだと1話だけ試し読みの『分冊版』が配信していますが、1ページ目でヒロインが『初めて男の子と喋っちゃった……わたし彼氏ができちゃうのかもしれない!!』とベタベタな発言からどんどんおかしな方向に転がっていく不穏なラブマンガですね。

最近だとこのザワつく感じ『あげくの果てのカノン』にもあったのですが、頂いたレビューもサイケデリックなところを強調されてますなぁ。マンガ読みの方にいま話題の作品、気になる方は是非。


サイケデリックなラブドラマ『青野くんに触りたいから死にたい』

どうも、早くも二度目の登場、写楽斎ジョニー@sharaku_johnnyです。

皆さんは、トムヤムクンを生まれて初めて食べたとき、どう思いましたか? 自分は「甘いの?酸っぱいの?わかんない、けど、ぅんまい!!!」と思いました。この『青野くんに触りたいから死にたい』もそういった、なかなか同居しない感情が、コマごとに醸造されるサイケデリックな作品です。

主人公は図書委員で引っ込み思案な女の子。そして快活な男子に恋をする

はいこれ、ベタですね。ベタベタですね。そして図書委員で友達少なくて、それでいて一途。途方もない回数こすられてきた、完全無欠のテンプレートキャラクター、それが本作の主人公、優里ちゃんです。

そして快活な男子高校生、青野くん。優しく優里ちゃんの気持ちを受け止めます。そして衝撃の、青野くん、死去。

ここまで、これを含めて、超絶ベタ的展開。ここまでは伏線だといっていいでしょう。ここからが、この物語の真骨頂。

悲しいの?面白いの?怖いの?

さて、ここから。優里ちゃんはあまりの悲しさに自分も死んであの世で青野くんに触れようとします。純愛ですね。

しかし青野くんが幽霊となって現れ、幽霊となった青野くんとの奇妙な共同生活(とても好きなフレーズ)が始まります。抱きつきたいけど抱きつけないことを嘆く優里に、枕を自分の身体に当てて抱きつかせる青野くん。コメディですね。高橋留美子の短編でそんな話を読んだ気がします。

突然「憑依」して触れ合うことを思いつく優里ちゃん。試してみようとすると、優里ちゃんの身体に鈍痛が。流血、そして、性格が豹変する青野くん。その後もなにかと「何かおかしい」ことが優里ちゃんと青野くんの間に起こり、それがまた別の引き金になっていき……。

どこかが致命的におかしい青野くん、身に覚えのない血が出て、記憶をなくす優里ちゃん。巻き込まれる友人たち。恐怖ですね。

この「悲しい」「面白い」「怖い」が順繰り順繰りに、それもひとコマずつというくらいの速度でもって、読者を楽しませてくれます。一巻だけでは、まるで着地点が見られないこの作品。総合的な書評はできませんが、とにかく引きが強い。Twitterなどで好事家たちからの反応が凄まじかったのも頷けます。

恐怖とエンターテイメントとギャグが同時に楽しめる人にお勧め

アフタヌーンや四季賞あたりの、一癖も二癖もある作品たちが好きな人におすすめです。また『ちーちゃんはちょっと足りない』などでおなじみの阿部共実さんとかお好きならいいかも。

間違ってもスカッとするような明朗快活な作品ではありませんので、もやもやっとして読むよーに!!

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青野くんに触りたいから死にたい(1)

椎名うみ (著)
価格:540円

君に触れるなら、死んでもいいよ。これがわたしの愛なんだ。アフタヌーン公式サイト「モアイ」掲載の1話が30000PV突破! 話題の「青野くん」がついに単行本化! 天然少女・優里ちゃんと、その彼氏・青野くん。ごく普通のお付き合いをしていたふたりだが、ある日突然、青野くんが「いなくなって」しまう……。絶対に結ばれないし、触れ合えないふたりの、でたらめで切実すぎるラブ・ストーリー。

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