【書評】雲田はるこ『バラの森にいた頃』

こんにちは、きんどるどうでしょうです。新企画「きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してください(仮)」。雲田はるこ 最新BL作品集『バラの森にいた頃』をご紹介いただきます。

雲田はるこさんといえばTVアニメにもなりましたベストセラー『昭和元禄落語心中』や、三浦しをん原作の『舟を編む』のコミカライズ(7月7日に待望の上巻発売)も好調ですね。

本作はそんな雲田はるこさんによるBL本。吸血鬼と少年。数百年ごしの恋描いた表題作含む4本が収録されています。BL初心者という方も楽しめそうな1冊です。


はじめまして。@soranoirohaao1と申します。漫画も小説も読むのは大好きですが、書評をは初めてです。今回は「これ読んで、ぜひ書きたい!!」と思う作品が候補に挙がっていたので応募しました。

その作品は雲田はるこさんの「バラの森にいた頃」。実はこれ・・・ボーイズラブ、いわゆるBLです。雲田はるこさんを知ったのはアニメ化もされた「昭和元禄落語心中」で、それを見た時には「やけに男性の表情を艶っぽく書く人だなぁ」と感心していました。調べて納得、雲田さんのデビュー作はBLでだったのですね。

私は、男の子たちがキャッキャキャッキャとじゃれ合っているいわゆる「ブロマンス」が中学生の時から大好きでした(と今になって思います。)恥ずかしながらじゃれてる男の子たちのイラストをせっせと描いていた時期もあります。

でもそこに恋愛が入ってくると、どこに・誰に感情を移入すればいいのかわからず、興味はあるけれど手に取ることはできませんでした。なので今回この企画を知ったとき「きっかけ!!」と思って飛びついた次第です。

勘違いしていたのはBLというのは同性愛者同士の恋愛話ばかりと思っていたということ。そういう漫画もあるとは思うのですが、今回の「ばらの森にいた頃」に限って言えば、全くそんなことはなかったのです。いわゆるノーマル同士の恋愛感情への進展のさまは男女間の恋愛と同じで、そこは何の違和感もなくお話に入っていけた大きな要因の一つでした。

第一話は表題作にもなっている「バラの森にいた頃」は吸血鬼と、彼に育てられた男の子の物語。何世紀も前からの訳ありな関係(これ以上は書けませんが)は切なく、モチーフになっているバラが彼らのシチュエーションにピッタリで、ラストはギュッと胸が熱くなりました。


第二話「モンテカルロの雨」は落ち目のおじさん俳優と海外美青年スターのほんわか物語。映画監督の気まぐれと、美青年の美しさに振り回されながらも、俳優人生に挽回のチャンス!!と頑張るおじさんの苦悩がかわいらしかったです。

第3話「ヨシキとタクミ」は私が好きなブロマンスのはるか延長線上にあるかのような物語でした。ヤンキー同士の男の子なのですが、ケンカはあたかもじゃれ合いに見えますし・・・。男の子が女の子と「かわいい」「抱きしめたい」と思う感情って、男の子同士でも同じなんだなぁと目からウロコの作品でした。ちなみにこの作品には巻末に書きおろしがあって、そちらもキャッキャとした2人に母性をくすぐられました。

最後は「Be here to love me」。会社の先輩と後輩の物語。脚フェチ先輩が大好きでよく見ていた美脚自撮りブログが実は後輩の脚だった、というありがち(ありがちか?)。後輩君は何とも女の子っぽく、そりゃノーマルでもそうなるよね~てなくらいの魔性っぷりで、アワアワしつつも自分の性癖にこたえてくれる後輩君に流されていく先輩ってのもまた、男女間の感情と同じだなって思いました。

読んでみて思ったことは「別に感情移入する必要ないんじゃない?」ということ。これは私にとって大きな収穫でした。気持ちの動きや衝動は人間誰しも持つもの。読んでいて「えー、そうかな?」「あっそれわかる!」と思えれば、それはそれでいいのでは

以前テレビでBL好きな女性タレントさんが「なぜBLが好きなのか?」という問いに「男女の恋愛の不倫だ浮気だにはもう飽きた。BLはとても純粋」といわれていたのを思い出しました。そればかりではないのでしょうが、この作品に限って言えば、とても純粋な真っ直ぐさがやけに眩しかった~。

全話通してかなりな絡みシーンがありますので、苦手な方は気を付けてほしいです。でもそればかりじゃなく恋愛の機微も楽しめるので、BL好きさんにはもちろん、私みたいにきっかけ待ちの方オススメです!

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ばらの森にいた頃 (onBLUE comics)

雲田はるこ (著)
価格:648円

雲田はるこ最新BL短篇集! [ばらの森にいた頃]年をとらない吸血鬼×転生を繰り返す恋人 食用ばら農家を営む吸血鬼の正宗は、人間の恋人・陽と暮らしている。数百年前に恋人を亡くした不死の吸血鬼・正宗は長い時をずっと孤独に生きてきた(……)そして、はじめて人間の姿で転生したのが陽だった。年をとらない吸血鬼と、ただの人間。2人は数百年ぶりの蜜月を楽しむが、正宗には秘密があって――。 

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