「雑文集」オドネル・ケビンさんインタビュー

こんばんわ、Kindleどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第42回は、「雑文集 I&Ⅱ&Ⅲ」を執筆した”オドネル・ケビン”さんのインタビューを掲載します。

オドネル・ケビン 雑文集

オドネル・ケビン「雑文集 I&Ⅱ&Ⅲ」

初めまして、オドネル・ケビンと言います。24歳のアメリカ人です。現在僕は大分県にある二つの中学校で英語を教えるかたわら、日本語で小説を書いています。将来の夢は、日本で作家になることです。アメリカ人初の芥川賞受賞者になることを目指しています。「雑文集」は、今まで日本語で書いた文章を全てまとめたものです。

『全てを執筆に捧げてもいい。いや、全てを書くことに捧げるべきだ。』

益荒男(ますらお)だ・・・ここに益荒男がおりますぞ諸君っ!侠気溢れる今回は、アメリカ人初の芥川賞作家を目指すオドネル・ケビンさんの作品集だ。雑文集シリーズは当初iPhoneアプリにてリリースされ、すでに1万5000回ものダウンロードを記録している。アメリカ人が書く文章と言えば、リービ英雄さんが有名かしら。母国語をつかわずに執筆をするというのはそれだけでたまげる。
でもね、先日紹介した山本山本佳宏さんの著作にあったのだけど、文字はたんなる情報に過ぎなくて、それにいかに魂をのっけて言葉にするかが作家と凡人をわける部分だと思うんですよ。そういう意味で、本作は彼が魂をのっけようとあがいてる感がビシッと伝わってくる。非常にこれからに面白みを感じられる作家さんだ。
オドネル・ケビンさんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with オドネル・ケビンさん

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

もともとは『カラハン湖の渡り』という青春小説を最初に公開する予定でした。一年以上かけて書いていたのですが、推敲を行っていくうちに作品を客観的に見る能力を失ってしまい、気分転換に短いコメディをいくつか書いてみることにしました。それを友達に見せてみると「『カラハン湖の渡り』より断然面白い」と言われ、大ショックを受けたのですが、おかげでコメディ色の強い随筆集を本気で書いてみる気になりました。それが、『雑文集』です。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

アメリカ人ならではの視点、だと思います。「美しい文章」を書く自信はありませんが、「日本のスターバックスは何故おかしいか」や、「正常なアメリカ人から見た『おさかな天国』」や、「白人男性が日本人のおっさんにモテる訳」など、日本人がなかなか思いつかないネタがたくさん盛り込まれているのではないかと思います。

――たしかに。その視点は日本人じゃ気付けないですね。本作で特にお気に入りのシーンはどこですか?

『オレは巨大なサメ』でサメが何故ドーナッツに穴があるのか考えているシーンです。

――読者からの感想はありましたか?

Appleのアップストアでも出版していますが、日本のスーパーを題材にした文章「僕は日本が大好きだが…」と風刺エッセイ「ポケモン」が好きだという読者が多いです。今までもらったコメントの中で一番印象に残っているのは『雑文集I』への「脱帽です!帽子脱ぎました!」です。(笑)

――それは印象的な感想ですね(笑)では、作品を書くうえで悩んだところは?

『雑文集II』の後書きにも書いてありますが、この作品の文章のほとんどは、日本語のネイティブにチェックしてもらいました。最初は添削されるのがものすごく嫌だったのです。何だか自分の作品じゃなくなっていくような気がして。
でも書いていくうちに「日本語をどれくらい自力で書いたのか」よりも「作品そのもの」の方が大事だと気づき、そこから色々な人に相談をし始めて、おかげで作品の完成度がぐっと上がったと思います。つまり最初は「良い作品」よりも「自慢できる」ような作品を作ろうとしていて、そこがダメだったと思います。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

「雑文集I/II」を書き上げるのに約二年かかりました。

――本作はAppleStoreで1万5千部販売とのことですが、プロモーションの秘訣を教えてください

作品を広めるために、TwitterとFacebookの他に映像を作ったりもしています。去年Appleに自分の作品を出した時には以下の自己紹介動画も作ってYouTubeにアップしました。

また、去年の五月に「This is OSAKA」というPVみたいな動画も作りましたが、YouTubeにアップしたらとあるプロジェクター会社の方から展示会で使わせて欲しいというメールが来ました。作品を広めるいい機会だと思い(動画に自分のTwitterなどが載っていますので)、快諾しました。
This is OSAKA
http://youtu.be/MeKyQUyOGzQ

――ところで、なぜ日本で作家を目指したいと思ったのですか?

14歳の時に「SOFTBALL」という日本のインディーズバンドの音楽に夢中になってしまい、歌詞を理解したくて近所の書店で日本語の教科書を買って独学し始めました。一年間ほど勉強に励んでいましたが、学校の勉強と部活で忙しくなり、やがて諦めざるを得なくなりました(音楽はずっと聞き続けましたが)。
大学に入って二年生の時からまた日本語を勉強し始め、三年生の時は慶応に留学しました。新川崎の寮で勉強していたある日、自分が日本にいてこんな素晴らしいところで勉強できるのはSOFTBALLのおかげだと気づき、ボーカルの女性に感謝の手紙を書くことにしました。かなり長い手紙でした。返事は来ないだろうと思っていましたが、三日後に彼女から「嬉しい手紙ありがとう!次のライブに来て!」というメッセージが来ました。
彼女はステージで僕の手紙のことを話してくれたし、日本語を勉強しようと思わせてくれた曲も弾いてくれたし、おまけにアフターパーティーにも誘ってくれました。居酒屋で僕は彼女に歌手になろうと思ったキッカケを聞きました。

「昔から音楽が好きだったから自然な流れだった。最初の頃ファンが少なくて生活はきつかったけど、その数人のファンのために、音楽を作り続けていきたいなと思った。私は話すのが苦手なんだけど、もし音楽で人に感銘を与えられたらそれは私にとって幸せだよ。ステージの上から盛り上がっているファンの姿を見るなんて、本当に最高だよ。私の兄はサラリーマンで、姉はOLで、二人とも幸せな人生を送っているし、お金には全く困っていない。でも二人はケビンが書いてくれたあの手紙のようなものをもらったことはないんだ。私はあれを読んで涙が出るほど嬉しかった」

彼女の言葉を聞いて僕は日本語で作家になろうと決めました。それが自分の義務だと悟ったというか、それまで作家になろうなんて思ったことなかったのに、突然、それ以外のことがどうでも良くなったのです。彼女が僕を感動させてくれたように、僕も彼女が褒めてくれた自分の文章を活かして、この先の人生で力の限り色々な人に感動を与えていかなきゃいけない、と。あれから毎日、執筆に励んでいます。
それに「Aeonの先生」よりも「作家」の方がモテそうだとも思いましたし。(笑)

――それは良い出会いですね。そして最後の本音が(笑)では今熱中しているものはなんですか?

Calbeeのフルーツグラノーラです。1食分が50gと書いてありますが、200g以下に収める方法が見つかりません。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

全くありませんでした。料理に例えると、Appleのアップストアに出すのはキャビアをチョウザメから自分で育てて用意するようなもので、Kindleで出すのはトーストを作るようなものでした。「ん?もう終わり?」と思わず言ってしまいそうなほど、簡単でした。

――今後の予定について簡単に教えてください

一週間以内に『雑文集III』を、三ヶ月以内に、韓国で出会ったクリームとマリファナが好きな青年を題材にした短編小説『フランス人のソウル』を発表する予定です。彼の名前はファブリスだったんですが、フランス語訛りが強くて、自己紹介の時「ファブリーズ」に聞こえました。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

椎名林檎のことを才能の塊だと言う人が多いですが、僕もその一人です。彼女に憧れ、常に感性豊かな作品を作ろうと努力しています。が、出来上がるのは何故か「丸の内サディスティック」を思わせるような精巧な創作というより、むしろ、きゃりーぱみゅぱみゅの「もしもし原宿」に近くなってしまいます。蝋燭の明かりと赤ワインではなく、LEDライトとハイチュウが合うような作品です。お時間があれば竹下通りに立ち寄ってみてください。

作品詳細

雑文集 I

オドネル・ケビン (著)
価格:199円
★★★★☆ 1件のレビュー

初めまして、オドネル・ケビンと言います。24歳のアメリカ人です。現在僕は大分県にある二つの中学校で英語を教えるかたわら、日本語で小説を書いています。将来の夢は、日本で作家になることです。アメリカ人初の芥川賞受賞者になることを目指しています。

著者プロフィール

オドネル・ケビン Twitter(@dogentricks
1987年カリフォルニア州生まれ。14歳の時「童部 WARAWABE」という曲を聞き感銘を受け、日本語を独学し始める。2007年に慶応義塾大学に留学、翌年帰国してワシントン大学を卒業。2009年英語で短編小説『カラハン湖の渡り』を書き、翌年再来日。英語教師のかたわら随筆集『雑文集』をiPhoneで出版し、ダウンロード数1万5千件を超える好評を博する。
Facebook:http://goo.gl/XkfCE

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