『バイプレイヤーズ』名脇役6人 おじさんたちのテラスハウスは、とってもキュートでちょっぴりビター

こんにちは、きんどるどうでしょうです。Amazonプライムビデオ見放題にテレ東深夜ドラマ『バイプレイヤーズ』が配信されましたので、ライターのたまごまご tamagomagoさんにレビューをいただきました。

本作は遠藤憲一、松重豊など6名の名脇役がシェアハウス暮らしをしたら〜という、本物っぽいフィクション作品ですね。今年のエイプリルフールには人気アニメ『おそ松さん』とのコラボが話題になったのを覚えている方も多いんじゃないかしら。

さて、50・60代のおじさまたちのキュートでキャッキャウフフ、そしてシリアスなぶつかり合いなどを楽しめる本作をバァーンと語っていただきます。


 『バイプレイヤーズ』名脇役6人 おじさんたちのテラスハウスは、とってもキュートでちょっぴりビター

日本で誰もが一度はテレビで見たことがあるであろう、名脇役中年6人。彼らが命じられたのは、3ヶ月のシェアハウス生活だった。

遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研

もうこの6人揃ったらどうやったって面白いでしょ。Amazonプライムで『バイプレイヤーズ』配信開始です。ベースは6人おじさんのドタバタ人情コメディ。同時に、芸能界の結構アレな話題にも切り込んでいます。

『おそ松さん』ならぬ『おじ松さん』

ちょっとややこしいのですが、このドラマは『本人が「デフォルメされた本人」を、本名で演じる』フィクションです。6人の名俳優が集められて、映画「七人の侍」のためにシェアハウス生活をするように言われるところからスタート。首を傾げつつも真面目な6人は、映画のためにと1つ屋根の下で暮らすことに。

しかし真の理由は、6人が10年前に撮った映画「バイプレイヤーズ」のフィルムを盗んだ犯人探し。大杉漣はかつての仲間5人を疑います。

その様子は、言うなれば50代で仕事のできる実写版『おそ松さん』。公式でも実際にコラボしています。


大杉漣……みんなのリーダーでまとめ役、時々暴走もする。
寺島進……激情的で口調は荒いが、義理人情にとても厚い。
松重豊……冷静なツッコミ役。家事全般をこなしてみんなを支えている。
遠藤憲一……心配性で繊細、細やかなところに気を回す。
田口トモロヲ……何を言い出すかわからない変わり者。思考が宇宙人。
光石研……女性大好きなプレイボーイで、愛されモテ体質。

テレビアニメ「おそ松さん」の30年後が実写化!? ドラマ「バイプレイヤーズ」6人のエイプリルフールの大ウソに大反響!

おじさんたちのテラスハウスは胸キュン

50代となると、やっぱり頑固で譲れない部分が出て来るもの。おかげで、6人の俳優全員がツンデレな部分があります。

テーマの1つが大人の青春。大御所になっても、笑ったり泣いたり怒ったり、ドキドキしたり、ワクワクしたり。シェアハウス生活では、今まで言わなかった本音を告白するシーンが多々でてきます。そんなん言われたら照れますわ、言う方も言われた方も。そして見ている側も。

本編はフィクションですが、毎回ラストに「バイプレトーク」という、撮影後6人でおしゃべりするパートが入ります。お酒が入っていることもあり、かなりオープンなテンションで、こっちもまた仲良し。ここについては何も知らない状態で見てほしいので、ネタバレ編で。

「脇役」という仕事

もう一つのテーマは、タイトルの通り脇役。6人それぞれ主役はやっていますが(例・松重豊は『孤独のグルメ』の井之頭五郎役)、基本的にはドラマ内のサブポジションとして支える役が多い。

同時に数本撮影、全く違う役を同時進行、なんてのは日常茶飯事。すぐに頭を切り替え、七色に演じる職人的能力が必要になってきます。

この作品に登場する6人は、仕事の面では一切スキを見せない。どんな役でも自分のものになるまで突き詰める田口トモロヲ。常に謙虚に黙って演技をする松重豊。悪役の仕事にプライドを持つ寺島進。どんな仕事でも貴賎なく引き受ける大杉漣。

男は多くを語らない、仕事の成果で語る。ドラマ撮影シーンは、6人全員がかっこいい。

だからこそ、シェアハウスのシーンのいちゃいちゃ感が、ギャップでさらに引き立ちます。リビングで一緒にテレビ見て泣いたり、豆まきしたり、ボールで遊んだりしてるんですよ彼ら。

パロディのオンパレード

俳優を題材にしたお仕事モノなので、ドラマあるあるネタはたっぷり盛り込んでいます。題材として、刑事モノ、恋愛不倫モノ、学園モノ、特撮、人情モノ、はてはピンク映画まで登場。撮影現場の様子がバラバラなのが面白い。

松重豊がきちっとした背広で、遠藤憲一がフライトジャケット。2人組の刑事モノを撮影するシーン。それ『相棒』じゃん。

大杉漣が「宇宙大作戦」の曲がかかる中、決断を迫られるシーン。それ『シンゴジラ』じゃん、本人じゃん。遠藤憲一が見ているウミガメの産卵。ナレーションをしているのは遠藤憲一。NHKでしょうね。割とやりたい放題にネタかぶせてきますので、探してみるのも楽しみの1つ。

コメディとして笑えるし、「キャラ」萌えもできるし、中年のブルースも見られるある。一粒で何度も美味しい作品です。

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ここから物語後半のネタバレ的な話をします

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気になる方は、先に本編を見てください

バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~【テレビ東京オンデマンド】 2017

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海外の動画配信サイトから大型ドラマのオファーを受けた6人の名脇役たち。主演はあの大物俳優で監督も世界的な有名監督。しかし、監督から要望が…それは『役作りで絆を深めるために、シェアハウスで3カ月間の共同生活を送る』こと。おじさんだらけの共同生活に戸惑うが、家事の分担でもめたり、朝食の献立でをケンカになったりと、ささいないざこざはありつつも、和気あいあいとまるで中学生のよう。そんな微笑ましい6人だが、実は10年前のとある仕事が原因で、各々に対してしこりが残っていたのだ…。さらに、この大型ドラマプロジェクトにもとある秘密が…。そんな中、主役降板の噂を聞き、シェアハウスに激震が走る。(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会

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それでは、以下ネタバレ含めたレビューです

かなりソリッドな芸能ネタにハラハラする『バイプレイヤーズ』ネタバレ編

ここから先はネタバレ全開です。3話が放映された時は慄きました。芸能人の不倫と、文春砲。今やたら炎上しているとこ突っ込んで大丈夫か?

不倫ドラマの共演者である山口紗弥加に誘われ、ついつい抱いてしまう光石研。まあ山口紗弥加の誘いは断れないのはわかるけどさ。これが文春にスクープされたら、芸能生活は一気に崩れ去ること間違い無し。となると6人で撮る映画も、暮らしていた日常も、全部瓦解。このままでは自分のせいで全てダメになると、狼狽えまくる光石研。

5話の監督の横暴問題。松重豊が学生服を着て高校生を演じる、という無茶苦茶な撮影。監督は若手俳優の野村周平やダンサーに当たり散らし、ヒロインの佐藤日向にはセクハラまでしている。さすがに野村周平もブチ切れ寸前、ダンサーは離脱。あわや撮影中止という事態。

しかし松重豊は何の文句も言わず、だまって監督の指示に従い続けます。見ていて気が気じゃない。答えのない問題に、スタッフなりの主張をちゃんと入れているのが、この作品。

5話だと、松重豊はじめ6人は、監督に一切文句を言わない。周囲で困っている人を助け、ばっちりな映像を撮るためならなんだってする。似合わない学生服を着て笑われ者になることも辞さない。

松重豊「やるとなったら、腹をくくる。作品をベストなものにするために頑張る。そのためには自分を殺すことも必要なんじゃないかなあ」(5話より)

もちろんそれで何もかもうまくいくわけではない。でもやる。かっこよくて、ダンディで、少しだけブルース。

50代、60代の余裕と焦り

毎朝一緒にご飯を食べながら、しょうもない話をしている(例・エロサイトを見る光石研)様子は、大人の『おそ松さん』そのものでニヤニヤ。

茶化したりおどけたりもする間柄だけど、彼らは先輩俳優として仕事の責任を背負っており、同時に将来の生き方も考えねばいけない。ふとヒリついた空気を匂わせます。今は大量の仕事を抱えている彼ら。明日全部仕事を失う可能性だってある業界です。

8話では大杉漣が、実は「七人の侍」のリメイクはすでに頓挫していたこと、こっそり皆を監視していたことを明かしました。残り5人への罪悪感。どうしたらいいのかと考えた結果、仕事を誠実にするしかないと駆け回って、気づけばキー局全てに出演するほどに。

制覇自体はすごいことなんだけれども、偉いことではない。万が一にでも抜けたら大変なことになる、管理が出来ていない状態。芸能界を干される寸前の綱渡りです。

田口トモロヲ「どんな現場も誇りを持ってやってますんで!」
大杉漣「みんなそうだろ、言わないだけだよ!」(1話より)

俳優業を続けていくことは、彼らの誇り。だからケンカになることもあります。脇役としての決意はみんなあります。どんな役でも、全力でやっている。同時に、やりたい夢もある。それは現実と噛み合わないこともある。夢の象徴が、作中の映画「バイプレイヤーズ」です。

おじさんのかわいさ演出がズルすぎる

序盤、連絡を取り合うためにみんながLINEをスマホに入れて教え合うシーン。シェアハウスメンバーのルームを作って、みんなで無邪気に自分たちの顔スタンプ押しまくります。(以降ずっと使っており、話題になったため実際にLINEで販売されました)

この作品、おじさんのたどたどしいかわいさを、うまく見せている。

松重豊らが待ち時間にサッカーをするシーン。少年のような行動を50代がやっているだけで、キュンと来る。

この作品が大事にしている「青春」は、どんな年齢でも感じられるもの。確かにちょっと足腰弱くて動きが鈍ったりはするかもしれない。けど、俳優業は少年時代にワクワクしたことの延長。「プロフェッショナルとしての仕事」と「夢」の両立の難しさでぶつかっちゃうのも、それぞれの俳優論が対立してしまうのも、みんな本気で好きだから。

一方夏川結衣やジャスミンなど、女性たちは割とシビアで惑わされないのも興味深い。あくまでもこれは、強くて弱い男たちの物語。

ぶっちゃけだらけのバイプレトーク

毎回ラストに入る「バイプレトーク」は、演者たちがキャラクターから解き放たれた本音。微妙に自分に似ていて、自分じゃないキャラを演じる難しさなどを語っています。

好き勝手話して笑っている様子は、えらいほほえましい。でもやはり俳優業での経験談が出ると、ベテランな彼らの凄みが滲んで見えてきます。大杉漣のピンク映画時代の話なんかは、こういう機会じゃないとなかなか聞けないのでは。

酔った皆が、サービス精神旺盛すぎて適当に発案しまくるのもいい。「パート2はバラエティにしよう」「6人で旅しよう」みたいな話をしだす始末。映像でこだわりたい部分を自分から言い出し、みんなを再度集めて撮影したこともあった様子。

やっぱり現実も、俳優バカなバイプレイヤーズを見ることができてニヤニヤできる作品になっていました。可能であればパート2希望!

プライムビデオ『バイプレイヤーズ』をチェック

バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~【テレビ東京オンデマンド】 2017

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あわせてどうぞ!『山田孝之のカンヌ映画祭』

こちらが「本人をデフォルメしたフィクションドラマ」だとしたら、本放送時その次に流れていた『山田孝之のカンヌ映画祭』は「ドキュメンタリー撮影の形を模したドラマ」。いっぺんに見ると、現実と嘘がわからなくなる、カオスな深夜ドラマ帯でした。『カンヌ』もプライム入りしたので、こちらもぜひ。

山田孝之のカンヌ映画祭 【テレビ東京オンデマンド】 2017

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ライター紹介:たまごまご

tamagomago
http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/

ライター。エキレビ、このマンガがすごい!web、ねとらぼなどで執筆中。著書に「仕事のマナー「気がきかない」なんて言われるのは大問題ですっ! 」など。女の子が殴り合うマンガをこよなく愛しています。デレマスは大槻唯P。ミリオンはロコP。

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