書評「シュウ君と悪夢の怪物」ヘリベマルヲ(著)by犬子蓮木

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こんにちわ、きんどるどうでしょうです。今回紹介するのは、『シュウ君と悪夢の怪物』(ヘリベマルヲ 著)。
『Pの刺激』『Kissの法則』など、硬派な文章がウリのインディーズ作家の作品だ。こちらの作品は同著者の作品群の中では比較的大人しい児童書風味に仕上がっている。

愛らしくコミカルなキャラクターを持つシュウくんとその持ち主・ノベルが悪い宇宙人と戦うというジュブナイルストーリーだ。シュウくんのダイナミックな活躍に思わず微笑んでしまうことだろう。そして何より今回はゲストポストとして、インディーズ作家である犬子蓮木さんにレビューをしていただいた。同じ創作者の視点から語られる本書の魅力について是非とも耳を傾けて欲しい

「シュウ君と悪夢の怪物」の書評 by犬子蓮木

あらすじ:「ごめん、驚かすつもりじゃなかったんだ!」

ある朝、目覚めるとぬいぐるみのシュウ君が動きだしてしゃべりだした! 学校を離れることになった先生からもらったぬいぐるみのシュウ君。シュウ君がいうには彼は銀河警察の刑事で指名手配犯『人喰らい』を追って地球にやってきたらしい。その際、偶然近くにあったシュウ君に乗り移ったというわけ。

『人喰らい』は子供の可能性を食べる宇宙人。そして連れ去られた同級生。シュウ君とその持ち主ノベルは悪い宇宙人を捕まえることができるのか!というようなお話です。

オススメポイント1:「人生に行き詰まったとき、助けてくれるのは」

ノベルとシュウ君、そしてその友人たちは、子供だけで『人喰らい』に挑んで逃げられてしまった。

このままでは同級生の女の子は『人喰らい』にたべられてしまう。

もうどうしていいかわからない。

大人はこどもの言葉なんて信じてくれない? 本当にそうだろうか?

信じて助けてくれる大人だってきっといるかもしれない。

大切なことは、ひとりで抱え込まずに誰かに助けを求めることなんじゃないかな

オススメポイント2:「ヨガだよ。頭の回転が良くなる」

ぬいぐるみのシュウ君がかわいいです。中身は宇宙人のおじさんかもしれませんが、動きからはそんなことはまったく伝わってきません。
コミカルです。愛しいです。さわって弄くってみたいです。

ぬいぐるみのくせにヨガをします。料理もします。ネットを使うときはノーパソの上でタップダンスで入力します。

わたしが個人的にこういったマスコット的な動物系を大好きという点は充分に計算に入れる必要がありますが、それでも一般の方に楽しんで頂ける描写になっていると言っても過言ではないでしょう。

まとめ

こちらはKDP(Kindle Direct Publishing)での作品です。そこでまず心配するのはプロでないアマチュアが書いた作品なんてどこまで読めたものなんだろう?ということだと思います。(私自身も出す側ですが、購入する際は結構、半信半疑でした)

ですが、心配ありません。こちらの作品はレベルが高いです。少なくとも所詮素人と一笑に付すようなレベルではありません。文章も整っており、というか児童文学にしてはハードボイルドすぎではないかという気さえするような面白いできになっていました。

くわえて先程も言いましたがシュウ君のコミカルな動きなどは地味に楽しめますし、最後まで読み通すとそれまでに気付かなかった伏線などもあり構成がしっかりとされていることもわかります。こちらの作品はストーリーも王道に近く多くの人が楽しめるような作品となっておりますので、KDP作品を何か読んでみたいな、と思われた方は、ためしに読んで見てはいかがでしょうか。

書評者紹介:犬子蓮木さん

森博嗣先生と漫画と犬や猫や動物なんかが大好きなアマチュア小説家。
灯台杜と緑の少年:http://blog.livedoor.jp/lotus_tree/
Kindleで「demi-spring&autumn-」「demi-summer&winter-」をリリース中です。

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