インタビューされたので考えた。電子書籍をたくさん売るためにきんどうが考えてること
ITジャーナリストの西田宗千佳さんから「電子書籍ってどうでしょう」というテーマでインタビューを頂きましたのでそちらのご紹介と、インタビュー受けて自分が考えたことを言語化しようという駄文になります。新刊・セール情報なんかはないので興味ない方はスルーをどうぞ。
インタビューっても特定のメディア向けのマジなものではなく、西田さん個人のライフワークでのお話なんですけどね。
「きんどう」さんに聞く「電子書籍ってどうでしょう」(01)|note
https://note.com/mnishi41/n/na92080196a4e
基本的にこういうのにお声がけされるというか、誰にも注目をされることもなく淡々と運営してるので「わたしでいいの?」くらいの気持ちでした。
2025年はほぼ確実に『電子書籍市場の0.1%がわたし経由』となかなかの数字になったんですが、個人でスゴイけど……ねぇくらいの存在なので。業界とは縁がないため、ほんとうに読者さん向けにコツコツやってるだけなので……。
インタビュー内容は「どういう生活スタイルなのか」「儲かってます?」「電子書籍の売れ筋って」「どういう風に選書してるのか?」みたいなことをご質問頂いて回答しています。電子書籍ユーザーさん向けというよりはメディア人向けですね。中の人にご興味ある方がご覧頂けますと喜びます。
あまりわたし自身の話をすることはないので新鮮な体験でした。わたしの活動ってきんどうをブクマしてる人やXをフォローしてる方向けに「これはウケるんじゃないか」と実際に自分で読んで納得して紹介して立派な売上があがると
(๑•̀ㅂ•́)و✧ ヨシッ
その楽しみだけでずっとやってるので。昨日見つけたやつですが、旦那ァこの辺とかお好きじゃないですかねぇ!
電子書籍をたくさん売るなんて、わたしにはできない
電子書籍市場の0.1%がわたし、という話をしましたがインフルエンサーとかVtuber、Yotuberみたいなカリスマ重視のやり方ではないので業界に求められる存在ではありません。
インフルエンサー「特定の本を10000人のファンにアピールして500冊売る」
きんどう「読書狂い200人が見るページ作って(色んな本を)500冊売る」
みたいな違い。同じ500冊でも性質がずいぶん異なる。タレントではなくメディアなんですよね。
本来ならライター増やしてコンテンツ拡充して「ナタリー」やら「ねとらぼ」さん的な拡大が本筋なんですが……まーFXで2億円ほど失って決算書がズタボロのままなんでハハハ。金を借りられないし、会社としての信用もないから個人のままコツコツやってます。
儲かってるんですけども、余剰資金でるたびにぶっ込んでは溶かしてるのでハッハッハ。
2億円を数年で溜める、くらいはわけないですが個人でできる範囲はもういっぱいいっぱいでしょう。
さらにメディアを成長させるためには「セール情報がたくさんほしい!」「毎日新刊のことを知りたい」という貪欲な電子書籍ユーザーを増やし続ける必要があるんですが、なかなかどうしてねぇ。
『動画コンテンツを見る』と違って本ってユーザー側が受動では成り立たないじゃないですか。自動ページめくりで読んだ気になれんでしょう。わたし自身が「自分で選んで読むから読書は面白い」と思ってるので、言われたから買ったけど読みもしない、では経済は回りますがどうせなら自分で選んで納得して課金して読んで血肉にしてほしい。ページをめくる欲望をたぎらせろ!だから、選ぶのは読者で、わたしは選択肢を出すだけでいたい。
コレ良かった!って強く思うものは贔屓してオススメはしますけどね。
とはいえ、ずっと呑気に選んでいるだけでやっていけるかはわからない。
電子書籍は横ばい、紙はヤバくなりつつある
まずは参考ニュースとちょっとバズってた作者さんのポストをどうぞ。
5年先はまだまだ大丈夫でしょうけど、20年先はどうかなぁ。まー、若い人が加速度的に減ってますから出版に限らず遠からずぜんぶがダメになるだろうとは思ってるんですけどね。
業界背負う立場でもなんでもないので新刊・セールを拾いつづけるだけなんですが、去年辺りから本格的にクリエイターさんが食えない、売れない、続きがでないと嘆かれるのをよく見るので……それはそれでなんとかしたい。
作者の新刊を読んで欲しいと、面白いものを読みたい!という読者をマッチングさせるのはわたしの仕事の範囲内と言えます。
ただ、Amazonから庇護もなければ出版社に贔屓にされることもないので、いまこの記事読まれてる読者さんと立場は何も変わりません。いつもなにも知らないままセールを見て、新刊見て、選んで調べて読んでまとめてます。
そうした読者のためだけの活動は全てクリエイターさんがいないと成り立たないので『電子書籍をたくさん売る』ためにできることはやろう、というのが今のスタンスです。
だから一昨年のサイトリニューアル時に宣言(12年目のリニューアル きんどうは「何か面白いものない?」に応えるメディアであることを約束します)して、毎日の新刊記事でも【新作1巻枠】とかコツコツやってみたり、売れそうだなぁという新作はプッシュ記事を書いたりしましたが……個人としてはなかなかの数字ですし、Amazonランキングに影響は与えますが、やはり個人規模でしかないようですわ。
たくさん売ることを目的にするのは読者のためにならない
ずいぶんまえにレーベルフェア的なもので30万冊くらいマンガを売りまして、出版社にお話したところで「冊数はすごいですが、特別扱いするほどでもないですねー」ということでした。最近、ぬ〜べ〜を4万冊売りましたが公式アカウントさんが「いいね!」してくれただけですし、100万部突破のオルクセンを2万冊売りましたが一二三書房さんと面識無いですなぁ……。
ちょいとまえのセールで作家さんに「新作1巻600冊くらいでましたよー!」と報告したら『それは、すごい数字なんですか?』と言われたので、まぁ……紙で初版1万部だとしても600は……ちょっと大きな書店1店舗くらいだから……。スゴイけど、特別ではない。
オイラはがんばってる。できる限りがんばってる。数字もある!けど、まぁ、そんなもん。10倍になっても電子書籍市場の1%程度だから、やっぱり大したことはないですね。……AppeStoreの1%とかだと凄まじいと思うのに、なんですかねぇ電子書籍市場だと1%程度は微妙感ありますね。
わたしも人間なんで、もうちょっと評価されてぇなぁとは思うんですが、下手に感謝されたり接待なりで特別扱いされるとしがらみで選書が鈍るでしょうし、読者さんだけに集中するなら現状が一番ではある。出版社とか作家さんから「新刊でるから優先的に紹介して」とか言われて基準が歪むのは許せませんな。
だから、きんどうはこのまま。誰にも邪魔をされず本を選ぶ。今後も飲み会に誘われても参加しませんし、新刊を紹介してと言われても「そういうのはちょっと」……と。ただ、フォローいただいてる作家さんや相互の方なんかのは気づいたときに取り上げたいので、新刊発売近くなったときは「いいね!」とかでアピールいただけると助かります。
【電子書籍をたくさん売るためにきんどうが考えてること】という記事タイトルですが、ここまでは「わたしはここまで頑張ってる!」「けど、業界とかクリエイターさん優位にすると読者のためにならないからやりたくない」という話をしました。つまり、電子書籍をたくさん売るためには『出版社・クリエイター、あんたらが頑張れ』というのがわたしの現時点の結論です。
そうした業界側の頑張りを読者に届けるのがきんどうができる「たくさん売るための施策」なのかなぁというのがいま取り組んでいることになります。
本は読者に選ばれるためのアピールが足りてない
Kindleの新刊ってだいたい週に2000〜3000冊くらい配信されまして、コミックだけでも1000冊以上あるんですよ。そいつをわたしは分冊版のぞいてだいたいチェックしてますが、そんな人間はどれくらいいるのか……。
ほとんどの新刊は存在を知られていません。作者のアピール力があればまだですが、ここしばらくは作者自身が「作家のインフルエンス力に頼るな!」と出版社側に怒ってるのも見ますね。出版社側は作家を育てるより育った作家を売り出すほうが楽ですし、編集者に育てたり広めたりの能力は最近はトラブルばかりききますね……ズレはどんどん広がるでしょうなぁ。
わたしができることとしてクリエイター向けのマーケティングの本を紹介したり、マーケター側からオススメを出してもらったりとしてはいますが……。実際じゃあ、クリエイターがマーケティングをバリバリやってというのは現実的じゃない。作品宣伝は人生のスパイスくらいで、作品に集中してもらうのが一番でしょうね。
じゃあ、なにをどうすればいいかでわたしがコツコツやってるのが【紹介ポスト】+【作家・出版社側の宣伝ポストを引リプ】。これはXのアルゴリズム的にも正しくよく伸びます。
フォロー頂いてたり過去RP・いいね!を頂いた方、新作1巻がでた!と作者自身が宣伝されてるのを見かけたらやってます。作者自身にRP頂くとよく伸びますし、そうでなくとも読者さんの目に留まるだけで動きますね。
作家さんからRP頂くのは【誉】ですし、編集者・編集部からのは拡販でありがたい。作者さんのアピールを直接読者に届けられるのがSNSの良いところなんで、この方式はもっと洗練できれば手法になりそうだなぁと思ってます。
たとえば、わたしとして嬉しいのが作者による引用RPの文章が「作者のフォロワー外も意識した内容になってる」とか。この引用RPをわたしがRPしてきんどうユーザーが興味を持てばWIN-WINになるので。Xのアルゴリズム攻略的にも有効です。
わたしがRPすると3〜4000PVくらい上乗せされるので「作者のポストがバズってる」風に見えます。わたしの元ポストにもPVが加算されるので人気の作品のように見えます。WIN-WIN。
XのPVが増えたら必ず売れるわけではないんですが、これがオススメ欄に載るほど育てば数字に繋がっていきます。それで伸びて数百〜千数百でしかないから、頑張るほどではないと言われると凹みはするんですが。
実際、数百冊売れてのKindle紹介料8%って2万円くらい。作者さんにはいるのはランキング変動効果なんかで増えても……10万円分くらいなんですかね。数百冊積む努力をするより新作生み出すほうが効率が良いと言われればそう。
次回につづく?
XでバズるだけでAmazonランキングはバカ上がりして紙の本あわせて売り切れ御免みたいになるので、とにかくバズを狙うのが今の正解なのは間違いない。で、なんでもかんでも万バズを目指せるかと言えば【無理】なので、努力で刻んでこうという趣旨を考えてました。
だから、ここから先は【作家さんはこういうポストの組み方したほうがいいよ】とか【宣伝ポストを作るタイミング】【固定ポストの入れ替え】とかゴチャゴチャと小手先の技術について書いてはみたものの、どうもクリエイターさんに負担を強いるだけの傲慢さを感じたので消去。
西田さんのインタビュー記事はもう1回更新されるので
「クリエイター側がじゃあ何をすればいいんじゃい」
という需要がありそうならまた書きます。
まとめると【12年のリニューアル】の時に宣言した通りわたしは出版業界に対して「クソ喰らえ」と思ってますし、きんどう読者のニーズに応えることだけが喜びです。とはいえ、クリエイターさんが食えない・売れないと嘆かれてるのを無関係というのは居心地が悪いので【なんか、いい感じにできんものか】ということを模索しています。
業界のために新作1巻を売れるようにしたい!とは思うけど、新作1巻で試し読みがあるんだかないんだか、序盤読んだだけだと面白いかどうかもよくわからないのを「ここが期待できる」とか掘りに行って読者にアピールするの無理があるから……これは売れるな!こういう風にすれば売れるぞぉぉぉ!とか思わせてくれる武器を誰でも見れるよう用意されてるとありがたい、というか普通になろうよ。試し読みすら見つからない、内容紹介はピンとこなくて、作家宣伝が「新刊でます!よろしくお願いします!あとX日!」だけで誰が読むのよ。もっと伝えることも伝わるための努力もあるんじゃないかい。
読者あっての商売ですから、読者が「わぉ、面白そう!」と喜んでページをめくる手伝いをしたいですね。良いニュースで、良い人生を。きんどうでした。







