これほどクリエイター向けの教科書はない『邪神ちゃんドロップキックからマーケティングを学ぶ』
「おい、本読まねぇか!」きんどうです。本の宣伝を目指す記事作り、第2回はアニメ宣伝プロデューサー・栁瀬一樹『宣伝は差異が全て 邪神ちゃんドロップキックからマーケティングを学ぶ』を紹介します。
本書はタイトルで誤解されそうですね。『邪神ちゃんドロップキック』という作品でランチェスター戦略を学ぶようなものではなく、弱小コンテンツを育て上げた実践的手法を解説しています。
作者の栁瀬さんは「アニメは毎期たくさん作られビジネスとしても視聴者としても1作品にこだわる必要はない、しかしわたしはアニメビジネスではなく邪神ちゃんをやりたいんだ」と言い切る狂人。ふるさと納税含んだ自治体コラボやYoutubeにバンバン作品をアップなど無茶苦茶な手法で3期まで育て上げたノウハウがためになる。というか、この覚悟のキメっぷりが最高です。
以下サンプル部分の最後部あたりにあるTwitter広告(現X)の捉え方を読むだけでもコンテンツ関係者には勉強になるでしょう。
『邪神ちゃんドロップキック』のアニメを生き延びさせたノウハウと歴史を学ぶ
アニメビジネスじゃなく「邪神ちゃんをやりたい」と作品を育てる狂信的なプロデューサーが語る内容は納得ばかり。強く勧める。
宣伝は差異が全て 邪神ちゃんドロップキックからマーケティングを学ぶ
栁瀬 一樹 (著)https://t.co/dTnZGaexMp #Amazonアソシエイトhttps://t.co/MF3idbwoks— きんどう (@zoknd) October 22, 2024
特にオススメしたい読者層は
・作品公式SNSアカウント運営する編集者
・マンガ家
・コンテンツビジネスに関わる方
ファンコミュニティの形成についてこれだけ具体例をあげて紹介されてるのはありがたい。そのまま自分に当てはめる、というのは難しいでしょうけれど1期 → 2期の間にファンの関心を繋ぎ止めるアプローチの考え方は連載前や第1話公開前、1巻発売前に実践いただきたいもんですね。
宣伝は差異が全て 邪神ちゃんドロップキックからマーケティングを学ぶ
宣伝の仕事をする中で「差異こそが宣伝の全てなのだ」ということに気がつきました。この本ではそこに至るまでに行ってきた施策の数々を「邪神ちゃんマーケティング」としてまとめています。本来は1期で終わるはずだったマイナー作品がどのように他者との差異を描いて生き残ってきたのか?そのエッセンスはきっと宣伝・広告・販売を業務とする皆さま、そして就職活動・転職活動・オーディションなどに挑む皆さまのお役に立つはずです。
本のプロモーションも自由
もう終わってしまいましたが発売直後は「無断転載キャンペーン」として本の内容を転載OKなんて仕組み。現在は公式で毎日1ページを公開なんてのをやっています。
太田出版|【9/30まで】『宣伝は差異が全て』無断転載キャンペーン開催! #邪神ちゃんマーケティング で本の中身を撮影してアップしよう!
https://www.ohtabooks.com/press/2024/09/05120000.html
こういう手法がちゃんとフォロワーとファンが存在する状況でおこなえば公式がRPするだけで素材がバンバン集まりますからね。とても楽。
もしわたしがそのままパクるなら「今回のKindleセールで買った作品教えて下さい!」みたいなやつになるかな。あんまりフォロワーさんと絡んでないので是非真似たいところ。
第1話公開前、第1巻発売まえの関係者に読んで欲しい
読みながら感じてたのはやっぱり作家・マンガ家さん向けだなぁと。特に第1話公開前や第1巻発売前の「初速」をどう確保するかって部分。よくコミックでも1巻の売れ行きが……みたいな話でますが、発売後に知ってもらって動かすよりは発売前にどれだけファンを確保するかじゃないですか。
でも、やることは発売後にでてくる動きばかりですから。コミックで最新刊発売にあわせた1巻キャンペーン!なんてのはもう一般的ですが、3巻くらいで打ち切りの作品だと明らか手遅れですからなぁ。最終巻発売にあわせた1巻大幅セールなんて在庫処分みがツヨすぎる。
本書で学べるのは作品に力がない状況でも強みを探し、ファンに届けて、ファンに支えてもらうために作者が取り組んだ実例の数々。わたしが会った作家も編集者さんの多くも「良い作品を作る」ことには熱心ですが「届ける」部分はフワンとして「届かない!」とボヤいてらっしゃるので。わたしはとても勉強になりました。
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