はじめまして。何度か、見て頂いている方はお久しぶりです。サックスプレイヤーの河野あゆむです。
三度の飯よりアニメが好きな僕が、ミュージシャン目線で、ジャズの魅力や各アルバムのコンセプト、アーティストのバックグラウンド、そしてちょっとした業界裏話をまじえながら解説、お話したいと思います。
さらに、アニメ音楽の楽しみ方や現在のトレンドも書かせて頂きましたので、これを読んで、アニメを音楽方面からも楽しんじゃいましょう。
現役サックスプレイヤーが薦めるアニジャズ
新世紀エヴァンゲリオンの公開が発表されましたね。TV版エヴァのエンディングのFly me to the moonでピアノを弾いておられるのが上記アルバムのアーティスト、クリヤマコトさん。
聴きどころは、ボーカル曲は日本語ということと、骨太の本格派ジャズであること。英語にしてジャズカバーするアーティストが多いなか、一曲目の「魂のルフラン」はちょっと歌謡曲ぽさが残ってて、日本人のココロにグッとくる。ローズやエレキベースの音がAORさを醸し出していて、大人の香りがするのに、あどけない女性ボーカルが乗ることによって、敷居がグッと下がって聴きやすい1曲。
あとは4曲目の「ふしぎの海のナディア」の主題歌、ブルーウォーターは名アレンジ。ピアノのアドリブたっぷりのピアノトリオアレンジで、ピアノ、ベース、ドラムの三者のコミュニケーションを楽しめます。
ベースソロまで長めに入っていて、本格派ジャズといってもいいのでは。ちなみに、エヴァ破はナディアの世界観が色濃くて戦艦ヴンダーが発進するときのBGMは「万能戦艦 N・ノーチラス号N」のアレンジなんですよ。こういうBGM切り口の楽しみ方もありです。
ちょっと話は逸れましたが、風の谷のナウシカ(本編に採用されていない)からGod knows...まで年代も幅広いので、好きな曲が一曲はあるのでは?
Rasmus Faber主催のジャズプロジェクト。CMでも使われている銀河鉄道999など今や、アニメジャズといえばコレ。アコースティックにこだわったアレンジとハウスのフィーリングを感じるところ。
「え、ジャズなのにハウスってどういうこと?」と思ったあなた。プロデューサーのRasmusって元々、北欧ハウス(美メロハウス)って言われるジャンルのトラックメイカーなんですよ。あと普通にピアノめちゃくちゃ上手い。輪廻のラグランジェというアニメのオープニングに楽曲提供してるんですが、普通にゴリゴリの4つ打ちハウス。
3曲目のゲキテイは、Rasmusが得意なハウスにラテンが混じったフィーリングの4つ打ち抜き、という印象。ああ、素敵。
ジャズアルバムとはいいつつ、かなりクラブ的な要素も入っているんです。北欧ではクラブジャズが10年ぐらい前に流行ったこともあって、「踊れる」要素がナチュラルにはいっている、っていうのがこのアルバムが売れた要因でもあるんじゃないでしょうか。あとこの人は守備範囲広すぎ。
普通にアニメオタクというエレメントが強すぎてほんと、好き。なんでデビルマンから攻殻機動隊までセレクトするんだ笑。
イタリアのジャズシーンの重鎮で天才、ジョバンニ・ミラバッシのアニメジャズアルバム。クラシックピアノにも造詣が深く、テクニック、表現力ともに最高レベル。
澤野工房という、大阪の新世界で下駄屋さんがやっている尖ったレーベルがあるのですが、そこからも何枚か彼のアルバム発売されていて古参のジャズファンも唸る、ピアニストなのです。
そんな彼は大のジブリファンということで出したのが、このアルバム。1曲目の「君をのせて」のクラシックピアノを思わせるピアノから郷愁、哀愁を感じさせるハーモニーの展開。
ジブリって元々、ヨーロッパが舞台のものが多いのでアメリカのジャズよりも、西欧のノスタルジックな雰囲気がよくあいます。個人的には、ウルフズレインの「グラヴィティ」が大好きです。2分近く、ピアノだけの演奏なのですがイタリアらしい情熱的なクラシックアプローチ。そしてジャジーなハーモニー。
是非、集中して聞いて頂きたい一曲。
さて上記のウルフズレインもそうなのですが、海外のアーティストに菅野よう子さんの人気は凄まじい。音楽を担当したカウボーイビバップが今、25歳ぐらいのインターネットで作品を見たアーティストたちの一つのミームになっていて、Nujabesをマスターピースにするlo-fiというジャンルがメインストリームになりつつあって、彼が音楽を担当したサムライチャンプルーが大きな影響を与えています。
上記2作の監督、渡辺信一郎氏の影響は凄まじく、現在放送中のキャロル&チューズデイは国内外を問わず、「え、嘘でしょ」と思わず言ってしまいそうなワールドクラスのミュージシャンが集まっています。
このあたりのバックグラウンドを知っていると、アニメ音楽がより一層、楽しめるのではないでしょうか?
さあ、最後の一枚ですが、これを語らねばアニメジャズを語ったことにはならまい。ということで、やってきましたルパン三世。
ちなみに私はルパンが超好きです。なので一時期、ルパンでサックスを吹いている方に師事していました。めっちゃ好き。
このアルバムは2010年のテレビスペシャル21作目なんですが、チョイスした理由としては各キャラクターのテーマソング、斬鉄剣、トルネード、ラブスコールなどが収録されていること。
しかも炎のたからものも新録されています。豪華。炎のたからものはカリオストロの城が初出。オリジナルももちろん、大野雄二さんが作編曲ですが、作品にあわせてオリジナルはジブリっぽさがあります。ぜひ、比較して聞いてみてください。
先ほどのラスマスフェイバーの話でもありましたが、ラテンフィールが入っていてクラブジャズの雰囲気があって「踊れる」というのはこのアルバムも共通しています。
ちなみに大野雄二さんは、ルパン三世のテーマだけ30近いアレンジを書いてます。こうやって時代に合わせてルパンも音楽も進化してきているわけなんです。Amazon Primeにはたくさんルパンのサントラがあるので、自分の好みのアルバムを探すのも楽しいかもしれません。
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いかがでしたでしょうか。
今回は4枚をピックアップしましたが、まだまだたくさんの名アレンジがあると思うので、見つけられたら #プライムジャズ のハッシュタグをつけて投稿してくださいね。それではまた、お会いしましょう!
昨日公開のオススメジャズアルバムまとめ。お気に入りのアルバムがあれば #プライムジャズ までツイートしてください。ノラ・ジョーンズは万人にオススメできます
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— きんどう (@zoknd) July 8, 2019
この記事を書いた人:河野歩
大阪出身。サックスプレイヤー・作編曲家。
3歳からピアノに触れキャリアをスタートさせる。世田谷学園在学時に全日本アンサンブルコンテスト」にて金賞受賞。 立命館大学に入学と同時にサックスプレイヤーとして在学中からプロ活動を開始。ブライダルやレストランのBGMセレクター、ミュージシャンの手配などのマネジメントを行う。Hiphopバンド「志磨参兄弟」のサポートとして、SummerSonic2012や京都大作戦などの大型フェスにも出演。
【エモいアニソンJazzカバー集】
・Here/魔法使いの嫁
ラテンアレンジ。サックスよりもシェイカーの取り直しが多かったのは内緒。いつも言われるけど、エモいじゃなくて「エロい」のコメントの方が多い。https://t.co/kQdZd7rYLZ pic.twitter.com/oENRn9xrR1— あゆむん。 (@AyumuSax) July 6, 2019
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— きんどう (@zoknd) July 16, 2019