電子書籍のマンガ市場が盛り上がれば「コミティア」が24時間365日開催してるような雰囲気になるかもって期待してる

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きんどうをご覧のみなさま、こんにちは。嘘ニュースサイト「虚構新聞」社主のUKと申します。マンガ好きが高じた結果、大規模セールがあれば「どうしてもこの作品を読んでほしい!」と、こちらに押しかけてきましたが、今回は少し「電子書籍でマンガを売る」ということについて書きたいなと思い、またもや押しかけました

きっかけは8月1日、京都国際マンガミュージアムで行われたイベント「電子コミック時代の漫画家生存戦略」に行ったことでした。これはKindleで年間1千万円の利益を出したことで一躍注目を浴びた漫画家・鈴木みそ先生のトークを中心に電子コミックの行く末について考えるという、ちょっとだけまじめなイベント。

鈴木みそ先生と言えば、社主も小学生の頃「ファミ通」で「あんたっちゃぶる」「おとなのしくみ」を読んでいた世代なので、生でエネルギッシュなみそ先生を見られて感激しました。「あんたっちゃぶる」2巻(http://www.mangaz.com/book/detail/3702 絶版マンガ図書館Z)の「生では臭いスライムを蒸して食す」というドラクエ回は20年たった今でも記憶に残る名作です。

『電子コミックの流れは止められない』から未来を考えたい

そんな思い出話はさておき、今回はそんなみそ先生が電子コミックの業界最前線に切り込んだ新作ルポマンガ「でんしょのはなし」と、会場で聞いたその軽妙なトークから考えた、マンガ業界と漫画家さんが置かれている現状についてのお話です。

市場規模とか数字を交えたイベントの詳細は他にもレポートをまとめておられる方がいるようなので*ここで再度触れませんが、ひと通り聞き終えた感想としては、とにかく「電子コミックの流れは止められない」に尽きます。

かつてどぎついエロバナーの世界のみだったモバイル向けマンガですが、ここ数年のスマホの普及&大型化にともない、いよいよ大手出版社も本腰を入れるようになりました。ついこの前までには考えられなかった紙の本と電子書籍の同日配信、――しかも電子なら定価より安く買えることも――が、もはや当たり前の時代になりつつあるのです。

「でんしょのはなし」では出版社だけでなく、フリーの敏腕編集者、コンテンツ配信会社、そして黒船Amazonと電子コミックに関するさまざまな立場の意見を小気味良いテンポでまとめた作品で、この業界を概観するには持って来いの1作。業界の裏側を全く知らない社主にとっては発見と納得がたくさんでした。

【レポ漫画】鈴木みそ先生のトークイベント「電子コミック時代の漫画家生存戦略」に行ってきました
http://gallerycraft.hateblo.jp/entry/2015/08/06/115709
電子コミック時代の漫画家生存戦略~行って来たよ~
http://kyotogokuraku.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html

出版社・編集・漫画家がこのビッグウェーブにどう乗っかるか

早い時期から電子コミックにアグレッシブだった大手・講談社に、みそ先生がこれまたアグレッシブに切り込むエピソードでは、「電子化進めてるけど書店や取次との関係はどうなの?」とか「高給取りの社員は?」とか「『Dモーニング』にバガボンド載ってないですよね?」とか、まあよく訊けるな……、と。「Amazon、日本の消費税払ってない問題*」について直接訊いたのもすごい。

1508084本作を通して思ったのは、この先マンガを売るためには電子化のビッグウェーブにどう乗っかるかを出版社、編集さん、漫画家さんの3者が必死に知恵を絞っていくしかないな、ということ。

ようやく電子配信が活性化してきたとは言え、まだiTunesやYouTubeに匹敵する成功事例もないわけで、そういう意味では先日リニューアルした「マンガ図書館Z」の赤松健先生やみそ先生の活動は、後に日本電子コミックの歴史を振り返るとき、その黎明期のエポックメイキングな出来事として語られていくことになるかもしれません。 2015年10月1日よりKindleにも消費税がかかるようになります。

年中「コミティア」な市場を期待

そして、最後に「でんしょのはなし」には出てこなかった「読者」の立場として社主の考えを少し。

社主が好きなマンガは描いている漫画家さん本人が楽しんでいる、好きで描いている様子が伝わってくる、そんな作品です。「万人受けはしないかもしれない。けど私は描いててめちゃ楽しい!」みたいなとがった作品の方がネット的に注目されやすく、そしてその延長線としてウェブと親和性の高い電子コミックにつながっていくのではないかとも思っています

そういう意味では「売れる・流行っている」から逆算して描いたマンガより、「好きで描いたら売れた」の方が電子コミック、特に個人出版に向いているんじゃないかな、と。個人的な願望も込めつつ、電子コミックの市場は「コミティア」(オリジナル同人誌の即売会)が24時間365日開催されているような、そんな雰囲気になればいいなと期待しています

けだし「臭いスライムを蒸して食う」ネタも世が世ならSNSで拡散されたはず。今年早々の話題作「ダンジョン飯」に先駆けること20年――、今では「電子コミックの伝道師」としての顔が最も知られているみそ先生ですが、マンガ家としての勘や本質はあの頃から一貫しているような気がします。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

この記事を書いた人
@Kyoko_UK
虚構新聞社社主(しゃしゅ)UKの個人アカウントです。日常生活とか漫画の話とかします。
虚構新聞 kyoko-np.net

本文内の画像『でんしょのはなし』引用は著者・鈴木みそさんから許諾ををいただいております

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