「二十一世紀の未読」山本山本佳宏さんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第39回は、「二十一世紀の未読」を執筆した”山本山本佳宏”さんのインタビューを掲載します。

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「二十一世紀の未読」

山本山本佳宏『二十一世紀の未読』は、まぐまぐメールマガジンとして、2011年8月から毎週火曜日の配信がスタートしています。
その中から、”第一章”として書かれた、2011年8月から2012年7月までの1年分をKindle版として再編集して刊行いたします。
一巻に1か月分を掲載、計十二巻を順次発行いたします。

『日本は無慈悲な音を立てて加速しました。変化したのではなく、ものすごいスピードで加速しました。』

本作はTVやラジオの放送作家として活躍する山本山本佳宏さんが3.11を契機にスタートしたメルマガのバックナンバーをKidnle本としてまとめたものだ。未来をどう作っていけるんだろうか。そんな作者の思考を言葉で、魂をのっけて書かれています。サンプルで読める部分にあるのですが
『(3.11)あの日以降、やりたいことがなかった人は、マジでなくなりました。(…)みなさんは、テレビやラジオでお気づきにならないかも知れませんが、やりたいことが特にない人の、今の虚無感と焦りは、相当なものだと思います』
って部分がスゲェ印象的でした。ほんと、働き方とか、家族とか、自分のこれからとか。地震を体験した人の渇望はスゴイ。でもノマドとか、留学とかとにかく無理矢理にでも自分を変えたいとか思っている人は、ちょっと思いとどまって本書を読んでみて欲しいなー。

インタビュー with 山本山本佳宏さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

2011年8月から、まぐまぐでメールマガジンの配信を始めました。メルマガは今でも配信しておりますが、このkindle版では、メルマガの、2011年8月から2012年7月までの1年分のバックナンバーを順次配信する予定です。
3.11の震災後、自分を含めた世の中が、「変化」しているのではなくて「加速」しているんだと気付きました。
“過去は記憶に縛られて 未来は夢に縛られて 僕たちには 今しかない”
これまで番組制作業という仕事の中で得た、『リアルタイム』『今』というものが僕たちの想像以上に大切なのだ、という信念と合わせて、これはもう、何らかの形で自分の身体の外に残しておかないといけない、今が最後だと思いました。

同時に、世の中の無数の情報や他人の意向や、いわゆる『仕事』と混ざらずに刻んでおきたいという思いもあり、自分の体験談とかハウツーとかをネタ以外で書くのが苦手なんですが、恥を忍んで(笑) メールマガジンを書こうということになりました。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

そもそもメルマガでの文章ですので、小説やエッセイとはまた違った、推敲せずにどんどん進む書き殴りスタイルなんじゃないでしょうか。直さずそのままにしてあります。1か月分で1巻、全12巻を通じて、繰り返し書いていることは、
元通り、いつも通り、なんて、もうない。
そんなものは、ずっとなかった。
明日でもなく、今晩でもなく。ご飯を食べた後でもなく。
今この瞬間に。
僕たちは、一番大好きな人に、大好きだと伝えなければならない。
僕たちは、一番大切なものを、大切に守らなければならない。
僕たちは、必ず伝わる言葉で、必ず届く手段で、それをしなければならない。

ということです。

――作品を書くうえで悩んだところは?

特にありません。
連載の中で、真意が伝わるかな、という不安を感じることはありましたが、結局は書きたいから書いているわけで、書く妨げになることはありませんでした。

――この本を紙で出したいという出版社が来たらどうしますか?

いいですねーぜひぜひ。何卒宜しくお願い申し上げます。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

週1回配信という締切があるので前日か当日に2時間ぐらい時間を作りました。
締切っていいですよ、筆が進まない方はメルマガでも何でもいいので、無理やり物理的な締切を作ると無理やりに筆が進みますから良いですよね

――メルマガを運営されているとのことですが、運営し続けるためのコツなどはありますか?

コツは考えたことがありませんね…書きたいことなくなったらやめると思います。
メルマガはただの道具ですから、コツと言うよりも、自分は何がしたいのかを常に見つめて、その解決策としての道具がメルマガじゃなくなったら、さっさと次に行けばいいと思います。手段と目的は取り違えないようにしたいです。

――KDPの著者の中に「ほんとにお金を貰っていいんだろうか」と、戸惑いながら出版をされていると聞きました。そこで、個人がクリエイティブを通じてお金を貰うことについてどう思われますか?また、そのためにどんな覚悟を持つべきだと思いますか?

ホントにみなさん、そんなことで戸惑っていらっしゃるんですか? それがすごく意外でした。売れてて羨ましいしかないです、僕の感想は(笑)
じゃあ最初からお金取らないか、全額寄付すればいいのに、と思います。素直に。
kindleが無料配信できないのなら、他の無料配信できる場所でやればいいと思うんですが、結局は懐に入れるわけですよね?
お金にきれいも汚いも覚悟もないですし、戸惑うならば、得た報酬をより面白い物を書くために全額突っ込めば良いんじゃないでしょうか。

――ありがとうございます。では、Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

iPhone/iPadのアプリが縦書きに対応してるのかしてないのかでドタバタして、Kindleチームの人ともやりとりしましたがよくわからなくて少し困りました。せっかく電子書籍だし縦書きに直してみようかと思ったんですけど。小説はできれば縦書きにしたいのでもう少し修行します。

――KindleFireでは無事縦書きで読めていますよ。では、オススメのKindle本を3冊教えてください

すいません、新刊はほとんど読まないので分かりません。
その上であえて言わせていただくなら、過去の名作は電子書籍によって目につきやすくなっていると思うのでこれを機に読み返すというのが個人的な使い方かもしれません。
夏目漱石とかドストエフスキーとかラヴクラフトとか。バラバラすぎますか(笑)

――今後、どういった作品を発表していきたいですか?

次は、月刊 風とロックという雑誌で連載していた、『川ロック川』という小説(未完)を完結させて編集再構成して発売する予定です。春ごろかな。まだ書いてます。
連載時のものは一部サイトでも無料でご覧いただけます。
http://www.magabon.jp/special/kazetorock/monthly/index.html
小説を出したあとは、また別の、文学作品とか物書きとかが生き残るためにやらなければいけないことの実験もしたいので、追って発表できればと思っています。

――生き残るための実験というのは面白いですね。それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

そもそも、届く人だけに届けばよいという意味もあって有料メルマガという形での配信をしておりました。スタートから1年以上たち、あの時に書いた文章の意味もずいぶん変わってきたと思います。少しでも多くの人に読んで頂くきっかけとしてのkindle版ですが、お気に召した方は、メルマガのほうもぜひ、よろしくお願い致します。

作品詳細

山本山本佳宏『二十一世紀の未読』は、まぐまぐメールマガジンとして、2011年8月から毎週火曜日の配信がスタートしています。
その中から、”第一章”として書かれた、2011年8月から2012年7月までの1年分をKindle版として再編集して刊行いたします。
一巻に1か月分を掲載、計十二巻を順次発行いたします。
書籍詳細
価格:100円
発売日:2013年1月17日
評価:最初のレビューをお待ちしています

著者プロフィール

山本山本佳宏 Twitter(@y_a_n_m_o
主に放送作家としてテレビ・ラジオ番組の構成・脚本・演出に携わる他、コラムニストやコピーライター、クリエイティブディレクターとしても活動。
* シブヤ大学 コミュニケーション・クリエイティブ学科 特別講師
* THE BACK HORN『キズナドラマ』 脚本
* Parco『Parco says,』キャンペーン コピーライター
* ゲームソフト『El Shaddai』 広告プロデュース
* TBS『ミルクチャポン』("温ミルさん" "牛乳四國志") 構成・脚本
* flumpool 特典DVD『ふらよん』クリエイティブディレクター
* TOKYO FM『風とロック』 企画構成
山本山本佳宏 公式サイト
http://yanmo.jp/
メルマガ『二十一世紀の未読』(まぐまぐ)
http://www.mag2.com/m/0001310550.html

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