「440Hz」澤俊之さんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。ココロ響かせる第15回は、憧れが少年を大人にする「440Hz」を執筆した”澤俊之”さんのインタビューを掲載します。

440Hz

澤俊之「440Hz」

小僧どもの視線が私の左手に集中する。もはや術中にはまっているようだ。

これは少年の神話だ。自分がこれからどう生きるか、どうしたいのかを考える岐路で少年はギターと出会う。憧れの青年からギター、バイク、タバコ、少年は見たことのない世界に触れ、憧れはやがて目的へと変わっていく。物語を彩るギターのサウンドが、読んでいて心地いい。まさにギターの演奏を体感できる本だ。

澤俊之さんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 澤俊之さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

もともとは、ギター音楽に関する携帯サイトにて、コンテンツの一環として隔週連載をしていました。しかし、連載中に担当を離れることになり、未完のままでしたので何とか形にしようと思って今に至ります。

――そうだったのですか。短く区切られていたのでとても電子書籍で読みやすかったです。作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

ギター演奏を体感できるという点です。一見難解なギター用語が散見されると思いますが、前後の文脈や単語の持つニュアンスでギターに触れたことが無い方にも伝わるように心を砕きました。

――高校時代を思い出し、読んでいて非常に心が疼きましたよ。ギターについてまた憧れがムクムクと(笑)作品を書くうえで悩んだところは?

まずは編集・校正です。もともとは12万文字ほどのボリュームでしたが、連載当時は時系列や話ごとのトーンがばらばらで、それをまとめ直すのに非常に苦労しました。正味3万文字削って、1万文字を足し、現在の10万文字のボリュームになりました。
あとは表紙画像ですね。これはみなさん苦労されているかと思います。私は2012年Kindle元年の11月中に出す、と自分で縛っていたので、申し訳ないのですが、初版の表紙画像はかなりやっつけでした。現在の表紙画像についても結局自分で作ったのですが、2時間ほど瞑想(反省)して、もう一度作品を読み直したときのイメージをそのまま具現化した感じです。ちなみに、初版も現バージョンも「GIMP」というフリーウェアで作成しました。 

――表紙に関してはおっしゃるとおり、皆さんそれぞれ苦労されていますね。新しいバージョンのものは味のある表紙に仕上がっていると思います。では、執筆にかかった期間はどれくらいですか?

さきほど隔週連載と答えましたが、一話書くのに2時間以内と決めていましたので、2時間×80話、プラス校正などで250時間くらいだったと思います。細切れの修正を入れたら、もっとかかっているかと。

――なるほど。ちゃんと2時間と区切って作られていたというのは参考になります。では、特にお気に入りのシーンはどこですか?

思わぬ状況でのキャンプ・シーンです。いったん大きな伏線を回収できたという点と、自分自身キャンプが好きだという点です。

――なるほど。バイク好きの私にとっても印象深いシーンでした(笑)では、本作を読んだ方にオススメしたい本や映画を教えてください

映画であれば「キャデラックレコード」「ロックスター」「グレートボールズオブファイア」です。すべて音楽に絡んだ作品になります。

――たしかに、本作を読んだ後だと、音楽を通じた物語は良いですね。ところで、Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

縦書きです。日本で展開する以上、Amazon側でそのソリューションは整えておくべきだろうと思っていましたが叶わず。cssで指定すれば可能というところまでは来たのですが、Previewerも不具合が多かったので信用出来ませんでした。実機もないので、自分のandroid端末やiPadで試しながら確認しました。結局最終的には「ひまつぶし雑記帖」さんのジェネレータを使ってコンバートしました。この場を借りてお礼申し上げます。
※ひまつぶし雑記帳:http://t2aki.doncha.net/

――では、影響を受けた、もしくは好きな作家さんを5人教えてください

ギタリストで良ければ。
デイブ・ムステイン
スティーブ・ルカサー
リッチー・コッツェン
アンディ・ティモンズ
グレッグ・ハウ

――今後、どういった作品を発表していきたいですか?

今回ギター音楽に特化した作品を配信させて頂いていますが、今後も「440Hz」を起点にしたものを発表していきます。そもそも、この作品を世に出すに至った理由が、小説にしても映画にしても漫画にしても自分が求めるディティールを表現した音楽作品が無かったからです。その分野の第一人者になりたいと思っています。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

ギターという楽器は素晴らしいものです。音楽の3大要素であるメロディ、ハーモニー、リズムの要素を同時に表現できるものはギターと鍵盤のみと言われています。ギターは鍵盤と違って、基本的に右手と左手をシンクロさせないと、望んだ音は奏でられません。しかし、それを克服して1曲でも演奏できるようになったのならば、人生勝ったのも同然です。ギターは難解なので、あらゆる教則本が販売されていますが、まずは本作を読んでいただければ、そこまでのモチベーションは獲得できます。既にそこに至っている方にはブースターになるはずです。

著者プロフィール

澤俊之(Twitter:@Goriath_Publish
東京都在住。静岡県静岡市(旧清水市)出身。
好きなギタリストはリッチー・コッツェン。
著書であるギター文学「440Hz」は、なぜかロシアのロの字もないのに、Kindleストアでロシア文芸1位のベストセラーに。
そのすぐあとに音楽カテゴリでも1位を獲得したが、またそのすぐあとにドイツ文芸でも1位に。確かにドイツのドの字はあったが。
現在440Hzを基軸に複数の作品を並行執筆中。仕事以外では苦手なことは書かない。

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