初代キンドル開発者が予言する電子書籍の未来「本は死なない」

こんにちは、きんどるどうでしょうです。

初代Kindle開発者で元エヴァンジェリストが電子書籍の未来を予言した「本は死なない」について講談社より訳者・浅川佳秀さんによる本書の読みどころダイジェストを頂きましたのでご案内。

肝心の内容であるAmazonKindleの開発秘話は守秘義務なのか薄味ですし、本の未来に関する考察部分は結構見たような内容が多いのですけれども、この本は電子書籍で読まれることを前提に考えて作られているという点で電子書籍に関わる、もしくはその先を考えている方にとって一読に値します。そして読む時には恥ずかしがらずハイライトをガシガシ引いてシェアをしまくってください。本書の真価はそこにあります。

Kindleで読むべきスゴ本 電子書籍の未来「本は死なない」

まえがき:きんどうzonが本書を『スゴ本』と思ったポイント

訳者・浅川佳秀さんのダイジェスト案内にはいる前に、本書をオススメする理由をわたしから少しだけ。

本書を読む上で、大事なポイントは『コミュニケーション』です。読書は本との対話なんて言いますが、これはリアルに著者を巻き込んだ対話、読者同士を巻き込んだ対話、無関係のフォロワーを巻き込んだ議論を誘発させることを目的に書かれています。これは電子書籍の特性を活かした新しい読み方の提案です。

たとえば、本書は専用のハッシュタグ『#BurningThePage』で著者と読者のコミュニケーションを積極的に促しています。またKindleSNS(要米国アカウント)を使ったディスカッションも視野にはいってますね。言語の壁さえなければ、Twiiterを使って著者から話しかけられ議論がはじまり、それが他の潜在読者の目について……というバイラルを自力で起こせるはずです。

そんなわけで、わたしは本書の作りと仕掛け、そして狙いに終始「これはよく考えられてるなー」と内容そっちのけで感嘆してましたが(笑)もちろん、内容も2年近くKindle本販売で生計を立ててる自分が肌身で感じてきたことを裏付ける考察がたくさん含まれていました。さすが初代開発責任者でございます。

ユーザーの立場としては「こんな考え込まれて作られたサービスを格安で使わせてもらっていいのかい? なんだか申し訳ないなー。」となり、出版側の視点でみると「これに勝つのは無理ゲーだよなー」なんて気分になりました。そんな初代Kindle開発責任者が語る本の未来が気になった人は是非ッ!

本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」

ジェイソン・マーコスキー (著), 浅川佳秀 (翻訳)
価格:1,404円 20%還元
★★★★☆ 8件のレビュー

「本」が大好きな人、「本」に携わる職業の人は必読です。以下は作者が本書で言及する予言の一部です。●2016年頃には、電子書籍が消費者全体の半数に普及する(……)「読書用フェイスブック」が生まれる●映画や音楽も「1冊の本」の一部となる

初代Kindle開発者が思い描く「未来像」ダイジェスト

電子書籍の未来 2016年頃には電子書籍が消費者全体の半数に普及する

電子書籍は、インターネットが普及に要した期間が10年だったことを考慮すると、2016年頃には消費者全体の半数に普及するだろう。新技術の普及に要する期間は年々短くなっているためもっと早い時期になるかもしれないが、少なくとも2016年には半数の消費者の手に電子書籍リーダーが行き渡っているだろう。

今後はデザイン性や情感といった人の感性と関わってくる要素が電子書籍に付加されていくだろう。電子書籍を開いたまま長い間放置しておくと、ページ上をCGの昆虫が歩き回るといった機能や、サスペンス小説を読んでいるときにページをめくって重要な場面を迎えると、その瞬間に銃撃音が鳴り響くような仕掛けも考えられる。

ハードウェアにこうした機能を実装するのは簡単ではないが、ソフトウェア側に組み込むことは可能なはずだ。あるいは表紙や装丁など、紙の本の特徴を完ぺきに再現した電子書籍も生まれるかもしれない。そうした人の心に響く読書機能が生まれていくだろう。

本を読みながら世界中の読者と会話を交わせるようになるだろう

電子書籍なら、コメントなどを介して、身近な知り合いだけでなく世界中の読者と読んでいる本について語り合うことができる。iPadのフロントカメラのようなツールを使えば、顔を見ながら話すこともできる。

それは一冊の愛読書から広がるソーシャル・ネットワークの中にいるようなもので、AmazonやAppleはいずれそのようなソーシャル・ネットワークを構築するだろう。そして一冊一冊の本ごとに「小部屋」が用意され、読者は本の中からその小部屋に直接アクセスできる。その小部屋で熱心な読者同士がテーマを設定して議論を深めていくようになるだろう。

電子書籍のソーシャル・ネットワークが発展していけば、作者自身が自分の本の中に入って来て、読者の質問に答えたりできるようになるだろう。
現時点でも電子書籍を開いたままFacebookやTwitterにアクセスして内容を引用したりできるが、近いうちに特定のページ上で作者自身と意見を交換したりできるようになる可能性がある。

電子書籍用のソーシャル・ネットワークが発展していけば、いずれ作者と読者が共同で一冊の本を創り上げていくようになるかもしれない。

現時点でも出版前の早い段階で本を何人かに読ませ、その読者も該当の本の編集工程に参加させるという手法を採っている出版社もある。今後ソーシャル・ネットワークを介して読者が書籍制作に関わっていくようになれば、「原作者」という考え方が消失していく可能性もある。

ある種のジャンルでは、原稿を書くのは作者だが、事実確認や重要ポイントの具体化、見落としの補完などの面では読者の意見が尊重されるようになる。作者と読者がオンライン上で一体となり、一度出来上がった本に共同で何度も推敲を重ねていき、その過程で結末や展開が変わったり、新たな登場人物が生まれたりする場合もあるかもしれない。

本屋用のソーシャル・ネットワークが生まれる可能性がある

今後は本屋用のソーシャル・ネットワーク・サービスが普及する可能性がある。たとえばGPS機能付きの端末を持って行きつけの本屋に行くと、通った回数がカウントされていき、やがてはその本屋の「主」としての地位を獲得できる。

「主」になると、その本屋を訪れた他のユーザーのためにおすすめの本を提示したり、なんらかのコメントを残したりできる。各ユーザーが自分の行きつけの本屋の専門家となり、地域レベル、あるいは全国レベルでその輪を広げていくことができれば、その専門家が残した有用なコメントやおすすめ情報を誰もが確認できるようになり、どの本屋に行っても簡単に面白い本を探せるようになるだろう。

未来の『本』のカタチ

本は通常、各行を順に追いながら読むものだが、ホログラムのような技術で実際的な体験を生み出せるようになれば、本は文字から文字、行から行、ページからページへと順を追って読み進めていくのではなく、娯楽を直接体験するような形になるかもしれない。

たとえばロマンス小説の場合は、文章を読んで登場人物のことを理解するのではなく、読者が登場人物の一人になって物語に参加する。歴史や環境倫理の授業で使う教科書も、出来事や事実に関する文章を読むのではなく、第二次世界大戦を実際に体験して学べるようになるだろう。

脳に直接訴えかけるような読書形態が生まれるかもしれない

未来の読書は、精巧な読書装置が私たちの脳と密接につながり、作者が本に込めた思いをそのままの形で感じることができるような形態になるだろう。現代の作家はキーボードを打ち込んだり口述を録音したりして文章を作り上げているが、今後は作家の脳とコンピューターを高速ケーブルでつなぎ、頭の中のアイデアを直接デジタル・データに変換するような技術が開発される可能性もある。

あらゆる本をデジタル化し、相互リンクを設定する取り組みを続けているGoogleなら、電子書籍の可変的な特徴にソーシャル・ネットワークの要素を付加し、「読書用Facebook」のような読書形態を実現する可能性がある。ある本を読みながら、リンクを辿ることで自然な流れで別の本に移ることができる。参考文献や作者が影響を受けた本へのリンクや、嗜好が似ているほかの読者がコメントを残している本へのリンクなどが考えられるが、電子書籍も紙の本も、あらゆる本がリンクでつながり、世界中のすべての本が巨大な一冊を構成する一要素となるかもしれない。

電子書籍の先にこそある 出版業界の未来

電子書籍の可能性を信じられない者はやがて衰退していく

電子書籍革命が終わった後も出版業界で生き残ることができるのは、電子書籍の可能性を信じられる出版社や作家だけだろう。たとえどんなに大きな出版社でも、たとえどんなに人気がある作家でも、電子書籍の可能性を信じられない者はやがて衰退していく。

出版業は現在、出版、著述、販売の三つに分化し、出版社、販売店、作家がそれぞれ自分の役割をこなしているが、今後はアマゾンのような販売店が出版と著述の分野にも進出し、この三つが一元化されるかもしれない。アマゾンはすでに電子書籍の自費出版サービスを開始しており、出版業にも進出し始めているが、自社で作家を養成して著述業にも進出してくることも考えられる。そうなれば出版業界の力関係は大きく変わっていくだろう。

現在では、アマゾンやアップル、Googleなどの大手書籍販売店よりも大量の電子書籍データを保有している企業や団体は存在しない。やがては蔵書数で劣る図書館も存在意義を失い、販売店はますます力を付けていくだろう。そうなると、そんな販売店と対等に交渉できる力を蓄えるために出版各社の吸収・合併が進む可能性があり、販売店が出版社を吸収してしまうケースも増えるかもしれない

本はどこから来たのか。本は何者か。本はどこへ行くのか。紙の本をそのまま最初から読む時代(Reading 1.0)から、デジタルの特性を活かした電子書籍を堪能する時代(Reading 2.0)へのシフトは、単に読書の世界や出版業界のみならず、人間の思考や社会構造までも大きく変化させていく―AmazonやGoogleでReading 2.0の土台を築いた人物が初めて明かした、未来の世界像。

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