ホラーエンタメの解像度をあげたいあなたに 廣田 龍平『ネット怪談の民俗学 (ハヤカワ新書)』
きんどうです。本の宣伝を目指す記事作り、第5回は廣田 龍平『ネット怪談の民俗学 (ハヤカワ新書)』を紹介します。
本書の本筋とは全く関係のない注釈引用で『#インターネット老人会のハッシュタグが使われて9年の歳月が流れた』みたいなのがXのTLに流れてきて興味を持ちまして。もともと配信前から話題になってたこともありさっそく読了。じつに現代怪異エンタメを楽しむうえで作品の解像度(理解度)をあげてくれる良書でした。
今期アニメの『ダンダダン』は厳密に違いますが『裏世界ピクニック』『怪異と乙女と神隠し』なんかはドンピシャかな。最近は異世界ほどではないにしても現代ホラーがエンタメのジャンルとしてかなり強くなっていますので、コトリバコやクネクネをなんとなく知ってる!という方がさらにその怪談の成り立ちを民俗学的なアプローチで理解・分類することでエンタメをより深く楽しめるでしょう。
なので、オススメ読者は
・都市伝説やSCP財団など怪異エンタメ作品が好き
・2ちゃんねるの実況系に入り浸ってた、まとめサイトが好き
みたいな方向けかな。あとは『変な家』や『近畿地方のある場所について』のようにKADOKAWAや竹書房・一迅社が特にホラージャンルを果敢に攻めてますからね。文字モノに興味持ってる方も怪異エンタメの理解を深めるために本書の一読を提案したい。
ホラーエンタメの解像度をあげたいあなたに 廣田 龍平『ネット怪談の民俗学 (ハヤカワ新書)』
本筋とは関係ないですがこれがいちばん怖かった https://t.co/y7eeZ4GvX8 pic.twitter.com/XDXwgAxeLL
— きんどう (@zoknd) October 27, 2024
ネタバレにならん程度の解説ですが、本書はネット怪談を解説する本ではなく『民俗学のアプローチとしてネット怪談を分類、解説する』というまさしく新書です。
ちょうど2000年前半頃はニュー速VIPに入り浸ってた身としては「住民が実況しながら物語が虚実まじって作られてく」という文化を大変懐かしい気持ちで思い出した。『俺の先祖は恐ろしい人物かもしれない・・・』とか懐かしすぎるwwwみたいな。
発売したばかりで未セール。早川書房ですし、冬セールには載らんかなぁ……と思いますんで、うぉー!ネット怪談を民俗学的にとらえ直すぜ!という強い欲求があるなら勢いある今買ってすぐ読むのはええかな。以下にお知らせしますがオンラインイベントもあるそうなんで。
ホラーやオカルト、怪談にあまり興味がなくともゲームやマンガでよく見てるしなぁという方の知的興奮は満たしてくれるでしょう。知識が深まれば見えてくるものも変わりますからね。わたしは足りてなかったものを補えたのでだいぶん満足しております。
ほんとに先週「あの祠壊したのはおまえかー!」が盛り上がりましたが、あーあれは共同構築されていく伝説なんだな〜的なね。ネタにマジレスはよろしくない、という気持ちでネット怪談をより楽しめるようになります。
オンライントークイベントが11/15ですって
【11/15(金)19時~】『ネット怪談の民俗学』(ハヤカワ新書)刊行記念オンライントークイベント、開催決定!
なんと、あの梨さんと対談します!(ご著書を拝読するだけでも「なんでこんなに知ってるの!?」と思うぐらい調べ尽くされている梨さんとの対談は、率直に言って、大変緊張しております‥‥)— ῥ 『ネット怪談の民俗学』(ハヤカワ新書)10月23日刊 (@ryhrt) October 25, 2024
【イベント出演】
刊行時から大きな話題を呼んでいる『ネット怪談の民俗学』、著者の廣田龍平さんとのトークイベントにお呼びいただきました
私など及びもつかないほどにネット怪談/ネットロア/電承を知り尽くした方なので、それらが好きなもまいらはぜひお越しくださいhttps://t.co/CXI1bR67Dm pic.twitter.com/80rNOPT4YT
— 梨.psd (@pear0001sub) October 25, 2024
気になってる新書
買ったわけではないんですが、興味あるなぁと思ってるのが以下。新書って個人的には『今すぐ必要な教養』と思ってるのでエンタメと本に関わるものばかり手に取りますなぁ。
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