【書評】SFの書き方「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。SF作家になる方法について恐らく最適と言えるノウハウ本『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』のレビューをいただきました。

まず講師陣が長谷敏司、冲方丁、藤井太洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀とヤバイ。サンプルをDLして、本書の案内や開講の辞でダレたところで課題→サンプル→SFとは何かの説明。ヤバイ、これは骨太だというのがビシビシ伝わってきます。

SF作家になりたい、どうしてもなりたい!という方は本作をもとに愚直に取り組めばかなりゴールに近づけるのが間違いなしです。これは今の時代とは合わんなぁ……とにかく濃いです。SFファンの方、SF小説を書きたい方は是非チェックしてみてください。


SF小説とは?のヒントになる名著”SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録”

こんにちわ@akakurononekoといいます。ゲームと漫画とyoutuberが大好きな、どこにでもいる研究者です。

今回はSFの書評、翻訳で有名な大森望さんが人気SF作家らの創作ノウハウをまとめた講義本”SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録”の紹介をします。

この本は超実践的なシステムで運用されるSF講座の議事録です

この本は2016年4月〜2017年3月に行われた「ゲンロン 大森望 SF創作講座」第1期の議事録です。この講座は「受講イコールデビュー」という思想の元、SF小説を書くための創作環境、テクニックの教示だけでなく、課題に基づく受講者の梗概(あらすじ)や作品、講師による講評全てをネットに公開する、という超実践的なシステムで運用されています。

この本では、そうしたガチ講座で出された課題、課題に対して受講者が提出した梗概例、講義の議事録、受講者の実作例を掲載しています。

なぜこの本を手に取ったの?

私は仕事中「この研究が実現すると世界はどうなるか」を常に考えています。また、SF小説というのは、まだ私たちの世界にない原理・原則がある世界の出来事を描くわけですから、ある意味私が考えていることと近いのかなと思っています。なので、SF小説家がどのように創作活動を行っているかにずっと興味を持っていました。

そんな時に、この本に出会ったわけです。

特にこんな人に「ゲンロン 大森望 SF創作講座」を読んでほしい

・SF作家がどうやって小説を書いているのかざっくり知りたい方
・SF小説の書き方をざっくり知りたい方
・講師の1級SF作家(大森望、小浜徹也、長谷敏司、沖方丁、藤井大洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀)のトークを読みたい人。

課題と講義内容がとても面白い

この本を読んでまず惹きつけられるのは、講座で出される課題です。とても魅力的。

たとえば、「『これがSFだ!』という短篇を書きなさい。」「『変な世界』を設定せよ」「決して相容れないものを並列させよ」など、これぞSF! といえる課題が多く出題されています。このテーマに沿って小説を書く練習をするだけでも、SF小説を書く能力が上達こと間違いなしかと。

また、講義では、各回ごとに設定したテーマに関して、講師が深い議論を行っています。たとえば、「SFとは何か?」がテーマの講義では、そもそもSFとは何なのか? から始まり、SFという言葉の定義の歴史的な変化、そしてそのような変化に不変なSF小説の要素の存在について議論しています。このような議論を拝見できるだけでも、この本を購入する価値はあると思います。

受講者の梗概 アピールポイントが見られる!

受講者の梗概・アピールポイントが見られるのもこの本の特徴だと思います。

梗概とは物語のあらすじのことで、この物語はどんな社会通念のある世界なのか、主人公は誰なのか、何が起こるのか、どのような結末を迎えるのか等を端的にまとめた文章のことです。梗概は実小説を濃縮したものなので、梗概が面白いと小説も面白い、とも言われています。

そんな梗概ですが、物語の流れが最初から最後まで書かれているので、基本的に読者の目に触れることはありません。ネタを全て把握してから、実小説を読む方は少ないですよね(最近増えているかも……)。ですが、ここにはその小説のエッセンスが全て含まれています。SF小説を書く人にとっては、梗概を読むことで、実小説の本質を抽出する際の参考になるのではないでしょうか。

また、アピールポイントでは、課題に対してどんな発想を元に小説を書いたのかを受講者本人が解説しています。

例えば、「『変な世界』を設定せよ」という課題に「もし地球が謎の宇宙生物に覆われてしまったら」というテーマで小説を書いた方がいます。その方のアピール文は”巨大な宇宙生物により空が見えなくなった世界で、どうやって宇宙生物の向こう側にある「宇宙」を証明するか?”から始まり、巨大生物による暦の概念・宗教観の変化などを丁寧に説明しています。

私は「ああ、巨大生物一つでここまで『変な世界』が作れるのか」と感心してしまいました。小説を書くまでの流れ・背景・発想は実作品で触れられることがほとんどないので、とても新鮮でした。

小説を書きたい人、書いているひとにとても参考になる内容です

私はなんとなく、小説は座敷に座って原稿用紙に書くもの、もしくは椅子に座ってワープロで……と思っていたのですが、講師の1級SF作家のトーク内で、スマホで文章を打ったり、立ちっぱなしで執筆したりなど、いろんな創作環境があるのだなと思いました。また、それらの創作環境を支援するデジタルツールやネタだしの方法なども講師の人が紹介しており、非常に参考になりました。

さらに、人工知能が書いた小説が星新一賞の一次審査を通過した話(http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H3S_R20C16A3CR8000/)を日本SF大賞の受賞作家である長谷先生が語っておりました。先生が、現状人工知能で小説を書くことに関してできていること、まだできていないことなどを正確に理解して話されているのは印象に残りました。

 最後に、本書ではSF小説の歴史というべき数々(20作くらい?)の名作がいたるところに挙げられています。まだ、読んでない本があれば、ぜひ読んで頂ければと思います。

個人的には「紙の動物園(ケン リュウ著)」(https://www.amazon.co.jp/dp/B00YGIKMNW/)に興味を惹かれたので、今度Kindle版で買って読んで見ようと思います。

 いかがでしたでしょうか?”SFの書き方「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録”は、内容が非常に濃厚で、小説を読むのが好きな人、書くのが好きな人、両方にお勧めできる良作です!ぜひ読んでみてください!

 講義について興味がわいたら、ゲンロン 大森望 SF創作講座(http://school.genron.co.jp/sf/)へGO!

AmazonKindle電子書籍で『SFの書き方「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』

SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

大森 望 (編集), ゲンロン (その他)
価格:1,555円

2016年4月、書評家・翻訳家・SFアンソロジストの大森望を主任講師にむかえて開講した「ゲンロン 大森望 SF創作講座」。東浩紀、長谷敏司、冲方丁、藤井太洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀という第一線の作家陣が、SFとは何か、小説とはいかに書くかを語る豪華講義を採録(……)大森氏による付録エッセイ「SF作家になる方法」も収録の、超実践的ガイドブック!

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