【書評】『ドラゴン、家を買う。』頼りになります 一級建築士・宅地建物取引主任者・魔王

こんにちは、きんどるどうでしょうです。きんどうが気になってる新刊を代わりに紹介してくださいというゲスト書評企画。住まい探しファンタジー 絢薔子×多貫カヲ『ドラゴン、家を買う。』第1巻のレビューをいただきました。

こちらはマッグガーデンのオンラインコミックサイトで連載中の作品ですね。現在1・2話+1ヶ月限定で連載前の読み切りが公開されています。マグコミ

家探しといえば『プリンセスメゾン』『吉祥寺だけが住みたい街ですか』と続けてドラマ化されてますが、まさか来てるんですかね、家探しマンガブーム


見た目は屈強、中身はひ弱。勘当ドラゴンが家探し 絢薔子、多貫カヲ「ドラゴン、家を買う。」

こんにちは。前回雲田はるこさんの「バラの森にいた頃」の書評を書かせていただきました@soranoirohaao1です。今回もとても気になった漫画「ドラゴン、家を買う。」の書評を書かせていただきます。

なぜ気になったのかというと・・・。

つかめ、夢のマイホーム! 貧弱ドラゴンの住まい探し×ファンタジー

このキャッチコピーにつきます(笑)世界観はファンタジーなのに、テーマが家探しというリアリティさはかなり親近感がわくのではないでしょうか。

「ドラゴン、家を買う」はマンガ無料配信サイトMAGCOMIで連載中のウェブ漫画。原作が多貫カヲさん、作画が絢薔子さん。どちらの方も情報がなかったので、たぶん初コミック化だと思われます(不確かですみません) → きんどう注:たぶん初単行本? 作者ブログ

まず最初に、ドラゴンと聞いてどんなイメージを持たれますか? ドラゴンを描い作品はたくさんありますが、どれも「魔王の城(もしくはそれに匹敵するものを)守る門番的な~」とか「破壊の王者」とか「一夜にして街を焼き尽くす」とか……。とにかく狂暴で残忍で、それはそれはでかくて強い、といった感じではないでしょうか?

ところが本書の主人公であるドラゴン族のレティ君は、本人が「生まれる種族を間違えた」と思うくらいの弱くて臆病でダメダメなドラゴンなのであります。何だかその設定からもうおもしろい予感。

物語はレティ君がお父さんに勘当されるところから始まります。なぜ勘当されたかというと……レティ君、あまりにも使えない、仕事ができないからなんです。その日もハンターに取られてはいけない卵を転寝中に取られちゃうしで、お父さんの堪忍袋の緒が遂に切れちゃったという感じです。ああ、今までどんな面白……いやダメなエピソードがあるのやら。

お父さんとしては一人でも強く生きていけるようになってくれという期待を込めて突き放すのですが、とにかく貧弱なレティ君は「一人でどうやって安心安全に暮らせるか」と考えます。『一人で静かにひっそりと誰にも邪魔されることない身を隠せる巣……そうだ!家を買おう!』となるわけです。

ここまで読んでくださっている方ならもうお気づきかと思いますが、レティ君、とってもステータスが弱い。「ちから 3、すばやさ 0.3、ぼうぎょ 8」。「こううん」に至ってはマイナス7という具合。そして飛べない、泳げない。早速家探しがスタートするのですが、速攻ドワーフに捕らえられるというそれはもう前途多難を思わせるダメスタートっぷり。可哀そうすぎて逆に胸キュンですよ。

これを読んでくださっている方の中にも家を購入された経験がある方、賃貸住宅探しで不動産屋をはしごしたという方も多いはず。今まさに探している途中、という方もいるのでは?

私個人、住居はとてもとても大切な安住の場所。なので選ぶにしても買うにしても絶対妥協はしたくありません。ですが世知辛い諸々の事情でたいては最終的には何を削るか、何に重点を置くかという難しい選択に迫られます。

この漫画でもレティ君は物件探しの中で自分の希望とオススメ物件のあまりの相違に激しく落ち込みます。「自分の合う家はないんじゃないか……」と。そういった、リアリティのある悩みなんかは、種族は違えど同じだな~と自分を投影してみたりできるのです。ドラゴンだってそこらの岩山で寝ていればいいのではない!!と。

そして、家探しの途中で出会ったのが建築士ディアリア。名刺には「一級建築士・宅地建物取引主任者・魔王」という肩書が。頼れますよね。……ン? 魔王? そう、ここら辺はレティ君の勘違いでスルーされるのですが、私の浅い読みでは、今後何かキーポイントな感じがします。

ドワーフや勇者やその他諸々のモブ達の、レティ君を目の当たりにした時の反応がまた興味深かったです。ドラゴンは襲いかかってきて当たり前、倒すべきものとして接してきて、そう双方の温度差と見た目からくる偏見が切なくも怖かったです。家探し漫画なのになかなか奥が深い。

私はモンスターをハントすることも、ドラゴンをクエストすることもないのですが、聞きかじる淡~い知識の中で「これってあれのこと?」みたいな言葉や行動がちりばめられていて楽しいです。ゲームをやる人はもっと楽しめるのでは。いいなぁ。

とはいえ、「魔法」「ダンジョン」「冒険」「ファンタジー」という言葉が大好きな私にはたまらない作品でした。ハーピーは期待通りの巨乳美女軍団だし、家具ショールームの三姉妹は怪しい老魔女だし。定番は定番のまま、決して裏切られることはありません。

さてさて、ディアリアと一緒に「100年掛かって探す覚悟」をもって始めたい家探し。まだまだいろんな奇妙奇天烈な物件が出てきそうだし、ディアリアの美しさもレティ君のダメっぷりも楽しめそうです。たっぷりの母性と少しのSっ気の目で見守っていきませんか?

AmazonKindle電子書籍で『ドラゴン、家を買う。』

ドラゴン、家を買う。 1

絢薔子 (著), 多貫カヲ (その他)
価格:432円

臆病者すぎて一族から勘当された、か弱きドラゴンの子・レティ。勇敢さとは無縁の彼は、安心安全な“家”があれば生きていけると考える。エルフやドワーフ、ゴブリンなど多様な種族が生きる広大な世界で、夢のマイホーム計画は成就するのだろうか―

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