名ゼリフを考える際の極意は「言われた相手の立場を考えない」こと!
初回から、人としてかなり危ないコトを言ってますが(笑)。結局、人の心に突き刺さる表現、人を動かす表現ってのは基本的に『断言』か『言いっ放し』であってしかるべきなんですよ。これは特に罵倒句に限りません。人を喜ばすセリフでも、笑わせるセリフでも一緒です。
こんな例を挙げるとよく分かります。もしあなたが女性で、なおかつ、今付き合っている男性からプロポーズを待っている状態だとして……。その男性から発せられたプロポーズの言葉が、断定表現じゃなかったらどうなるでしょう?
「オレ、お前と結婚……したいかも、知れない……かなあ? どうだろう?」
こんな風に言われたら、結婚に向けて心が動きますかね? おそらく、腹が立つだけだと思うんですよ。
プロポーズの言葉、その言い回しは無限にあると思います。ただ、少なくともプロポーズであれば、「結婚してほしい」という意志がハッキリ乗った言葉じゃなきゃ、受ける側としてイヤじゃないですか?
名ゼリフを考える際のコツも同じです。
「周囲にツッコまれないかなあ?」「苦情出るかなあ? 誤解されないかなあ?」「バカにされないかな?」そんなことを考えていたら、せっかく思いついた言葉も、名ゼリフに必要な「切れ味」を失ってしまいます。
日常生活で必要な「相手に対する思いやり」。これを一旦忘れてしまい、言いたいことを思い切り言ってみる! あるいは、ノートやテキストに堂々と書き付けてみる! これが、あなたオリジナルの名ゼリフを生むための「最初の訓練」です。
クイズ:「名ゼリフの7大カテゴリ」はウソ??
最後に、クイズコーナーとなります。クイズの内容は、記事上で列挙した名ゼリフの7大カテゴリーに私があえて入れなかった、「もう1つのカテゴリー」を探し当ててみる……というものです。
「本当は8大カテゴリーなので、残りの1つは自分で考えてみてね!」と。
あなたがこれまで感動した、あるいは記憶に残った、さまざまな名ゼリフを思い出してみて……もし、上のカテゴリーに含まれないものがあれば、きっと「それ」が答えです。冗談抜きで、書き忘れていたのではなく「意図的に」入れていません。
そもそも作劇のノウハウというのは、「こうなんです」と書かれたものを読んだぐらいで身に入るほど、簡単なモンじゃありません。書かれた内容を理解し、自分でも試してみて、ダメ出しも受け、直しを繰り返しながら、ようやく頭から手先にまでインストールされていく……そういう類のモノです。
とはいえ、今のところ私が直接、読者さんのオリジナル作品を添削したり批評したりする、そういう時間は取れそうにありません。
加えて、面白い電子書籍のイメージすら固まっていないこの時期に、既存のノウハウでアマチュアの方の作品をひたすらこき下ろすのも、何だか自分的に「気持ち悪い」と思っていまして。なので、クイズ形式を採用し、読者さんに能動的に考えていただくことで、上に書いたノウハウや分類がより頭に入るようになれば……と考えました。
クイズの答えを思いついた方はぜひ、私のTwitterアカウント(@gactors)に向けて、回答をお寄せください。私へのフォローは、別にしてもしなくても結構です。
正しい答えは「○○系」となります。なので、140字の文字制限に十分入ると思います。また、○○系というカテゴリー名まで考えるのが面倒な方は、該当するであろう名ゼリフをそのままコピペして、私にツイートしてくださっても結構です。記事中にもヒントが隠されています。私が上の記事であえて言及を見送っている部分? これ以上言うと、答えになっちゃうのでやめましょう。
クイズの解答は、次回の講義の冒頭で公開します。ではまた!
この記事を書いた人
本名:小久保真司(こくぼしんじ)
1974.10.12.うまれ。
東京都台東区の山谷地区出身。慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、専門学校や声優養成所の事務員として働きながら漫画原作者に師事し、シナリオライターに。コンビニ向けのペーパーバック漫画やゲームのシナリオライターとして活動する。現在は通常のライター業も請けつつ、KDPでオリジナル作品を発表中。他に、自分と同じKDP作家を支援する活動も行なっています。→『きんぷれ!』(http://kin-pre.com)
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