名ゼリフの「7大カテゴリー」
本記事の最終ゴールは、言うまでもなく、あなたが自分で、オリジナルの名ゼリフを考えつけるようになること。とはいえ、その前に1つ押さえてほしいコトがあるんです。
名ゼリフって結局、どういう性格のセリフなのか?
下記に色んなタイプの名ゼリフを紹介するので、各セリフをよく眺めながら、ほぼ共通する特徴をつかんでみてください。
【その1.断定系】・・・この世の事象や真実をさも分かったかのように決め付けるセリフ。
出版業界で数年ごとに流行する、いわゆる「名ゼリフ本」「名言本」に掲載されるようなセリフは、ほとんどがこの「断定系」に該当します。ほとんどの人は、この「断定系」のみを名ゼリフと誤解しているフシがある……ということですね。
例:「カイジ」の利根川先生:『金は命より重い……!』『大人は質問に答えたりしない』
【その2.決意系】・・・物語を前に動かす、主人公や主要キャラの力強い決意も、名ゼリフに仕立てやすいもの。
例:「ワンピース」のルフィ:『海賊王におれはなる!!』
例:「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジ:『僕は…僕は、エヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジです!!』
【その3.叫び、開き直り系】・・・いまの自分の立ち位置や持ち味を開き直り、「私、こういう人なんです」と開き直るセリフ。
うまく決まればキャラクターの特徴を1語で表すことができるため、名作であればあるほど、この種の名ゼリフが作品の序盤に必ず登場します。
例:「サラリーマン金太郎」の矢島金太郎:『サラリーマンをなめんじゃねーッ!』
例:「ゴルゴ13」のデューク東郷:『俺の背後に立つな』『"利き腕"を人にあずけるほど、俺は"自信家"じゃない……』『女とねる時は……おれの方から相手を選ぶことにしている…………』
※特にデューク東郷は、自分のポリシーを説明するだけで名ゼリフが生まれるという、設定の妙が光るキャラクターです。
例:「うる星やつら」の藤波竜之介:『オレは女だーッ!!』
例:「るろうに剣心」の斎藤一:『悪・即・斬』
【その4.罵倒系】・・・人を罵るときの激しい、あるいはキツイ表現。
「トラウマ」という言葉もあるように、人間って、嬉しい一言よりも、言われて傷つく一言の方が印象に残ってしまうんですよね……。よって、とりあえず何か名ゼリフを考えるというだけなら、発想の基本的なベクトルを、相手を喜ばせる方向でなく、相手を傷つける方向に向けた方が早い場合が多々あります。
例:映画「フルメタルジャケット」ハートマン軍曹:『口でクソ垂れる前と後ろにサーを付けろ』『じじいのファックの方がまだ気合いが入ってる!』『パパとママの愛情が足りなかったのか、貴様?』
例:「北斗の拳」(罵倒句の宝庫すぎて、誰が誰とか言えませんw):『てめえらの血は何色だーッ!』『汚物は消毒だーーーッ!』『貴様には地獄すら生ぬるい!』『あなたにそう想われていると知るだけで死にたくなります』
例:「機動戦士ガンダム」のギレン・ザビ:『敢えて言おう、カスであると!』
【その5.疑問・提言系】・・・気負いのない軽い一言が名ゼリフになる、数少ないパターンです。その多くは、状況を打開する新しい視点をもたらすセリフや、相手の発言に対する「切り返し」になります。
例:「ジョジョの奇妙な冒険」ディオ・ブランド-:『おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?』
【その6.あいさつ・奇声系】・・・こちらは意味も何もありません。ひたすら、意味よりも『語感』や『音』にこだわります。感覚的であるがゆえに、キャラとうまくマッチした場合は、理屈抜きの、圧倒的に強い印象を読者に残すケースが多いです。
例:「Dr.スランプ」:『んちゃ!』『ほよ?』『ばいちゃ!』
例:「ジョジョの奇妙な冒険」ディオ・ブランドー:『URRRYYYYYYY!』『貧弱! 貧弱ゥ!』『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄』
例:「北斗の拳」(これも豊富すぎて、もう誰とか言えませんwww):『あたたたたたたたたたたた!』『ひでぶ!』『うわらば!』『あべし!』『ヒャッハー!』『シャオーッ!(※アニメ版)』
【その7.方言系】・・・標準語で喋ったらごく何気ないセリフに過ぎないものの、方言や普段使わない言い回しを使ったおかげで、インパクトが劇的に強まったセリフです。
例:「うる星やつら」のラムちゃん:『うちはダーリンが好きだっちゃ』
例:「スケバン刑事」の麻宮サキ(2代目):『おまんら、許さんぜよ!』