マンガ家ユニット『うめ』小沢先生から漫画家・志望者さん向けのこれからの仕事づくりを聞いてきた

こんばんは、きんどるどうでしょうです。2月17日に京都で開催された「漫画家ネットワークイベント:漫画家ユニット「うめ」小沢高広さん~仕事作りも創作も、ネットワークの中から~」に参加してきましたので、その中で有益だなぁと思った話をシェアします。

漫画家ユニット「うめ」さんといえばドラマ化もされた『東京トイボックス』シリーズや、先日最終巻が発売された『スティーブズ』など、熱血×業界モノに定評があり最近は育児や料理系にも挑戦されています。

そんな「うめ」のシナリオ担当・小沢さんが”ネットを活用し作品発信や制作が当たり前となってきている中で、これからの漫画家はいかに出版社やコラボ相手とつながりネットワークを作っていくべきでしょうか。”についてお話されるというので、業界とほぼ接点をもたないうちにとって何か学びがあるんじゃなかろうかなんて。

とはいえ、有料イベントなので話された内容をなんでもかんでもは載せず「なるほどなー」と参考になったポイントをかいつまんで、わたしの意見付記するカタチで紹介しますね。

基本的には創作関係者・志望の方向けのイベントだったので、そういうクラスターの方に役立つ記事になっています。

(本記事ですがレポートについてはトキワ荘プロジェクトさんから許諾を頂いてます。また、2年ほど前には同じくトキワ荘PJさん主催の鈴木みそさんのイベントレポートを虚構新聞・社主さんに頂いたのであわせてどうぞ。)

[blogcard url="https://kindou.info/51465.html"]

これからの漫画家はいかに出版社やコラボ相手とつながりネットワークを作っていくべきか

漫画家はもっと『コンテンツ』『ブランド』意識したほうがいい。特に契約条項など

・日本の漫画界はコンテンツ、ブランドを利用していくという意識が高くない。契約条項を見直し、作品完結後の再利用など柔軟な使い方ができるほうが、作家の収入を生み出す手段として活用していけるのではないか

こちらは『スティーブズ』完結後に、作家自らのプロジェクトとして全米向けに翻訳・売り込みをかけるというプロジェクト参考)にあわせてのお話。

たとえば自作品が完結してコミックスがでたらそれでそのビジネスが終わり、というのは非常にモッタイナイ。せっかく育てたブランドなんだから新たな作品づくりをしつつも、既存資産を使って例えば電子書籍とか新たな仕掛けをできるようにしたほうがいいという話。

これで思い出したのはコルク・佐渡島さんの話で『宇宙兄弟』という知名度・ブランドを徐々に漫画家・小山宙哉そのものに移していくというもの。たしかプロフェッショナル仕事の流儀(参考)で語ってた気がするんだけども。

実際、マンガ業界は作品を作ってはい終わり!ということが多くて、シーズン2や続編ってのはかなり稀ですしね。ええ、失敗することも多いので難しいんですが、今の時代個人のプロジェクトとして収益化していくのはそう難しくもないですから。たとえばクラウドファンディングで続編を募るとか。

わたしの知っている実例では秋田書店で連載していた『バーサスアース』という漫画を完結後、原作者自信が続編を執筆している『ウォーハンマー(参考』や、コミック誌での連載終了後にKDPでの続編の執筆を発表した高野真之先生参考)、クラウドファンディングを利用したこやま基夫さんの『おざなりダンジョン クラウドパンゲア参考)』などなどあります。

作家さんも『商業で完結しちゃったけど続きを描いてみたい』というのはチャレンジしてほしいですねぇ。

ただ、漫画家と出版社が結ぶ出版契約書には『続編を勝手にかかない』などの事項があるそうですが、これは話し合いで取り消せます。契約書を見直して更改のタイミングがあれば是非相談されるといいんじゃないかしら。

マンガの発表の仕方として田中圭一さんのnote活用の話

・原稿料補填の参考として、田中圭一先生がnoteでも連載。それが広告の効果も果たして、結果バズった。

作品名などはだしていませんでしたが、たぶんこちらの話ですね。note「うつヌケ 〜うつトンネルを抜けた人たち〜

ザックリ解説すると「WEBマンガメディアに連載中の作品の原稿料がチョッチアレだったから、同じ内容を課金型メディアで販売して補填」した。これが結果的にコンテンツの露出場所拡大にもつながり広告効果を生んだというお話です。

これはWEB連載をしている方には朗報で、単行本化などの契約を結んでいるわけでなければ「複数のメディアに配信して原稿料を複数から貰う」という交渉もできるかもしれません。露出が増えればそれだけ潜在顧客が増えますからね。

最近、Kindle専売よりも複数の電子書籍ストアで売ったほうがトータルの数字が増えた!という話を個人作家さんがされていますが、同じような話ですね。ほかにはLINEマンガで1話再掲とか。

ソースを見つけられなかったんですが、コミック誌でも同じ読み切りを別々の雑誌に掲載してみたりなんてこともしてますから、単純にコスト削減の話にも繋がりそう。

つながりを持つのは飲み会とSNSがうってつけ。愚痴を聞き出そう。

・業界ネタを創作のキーにしていくときはその界隈の『飲み会』と『SNSのコミュニティ』に参加していくほうがいい。特に異業種交流会のような出会うことを目的としたものより、何か尖った・変な人達が真っ先に集まるようなイベントに参加したほうがいい。本当に濃い人たちに会わないと面白いことを聞けない。

わたしは創作畑じゃないので感じ方が随分違ったと思いますが、小沢先生の話が「WEBやIT寄りのスタートアップがプロジェクトを上手く回すための話」みたいだなという印象。自分の知らない分野の人たちと仲良くなるには飲み会やイベント、SNSへの参加はまさにそうでスゴく効果的。わかる。特に参加しやすいものは意識高い人じゃなく、意識高い"系"が多かったりするんであんまり意味がないのも実感がある。

ただ、コミュ力ないと死ねる。小沢先生のようにコミュ力が高ければ非常に有効な手段だと思うのだけど、漫画家関係というとシャイな方が多いので自分の分野外のベントで知り合いを作って飲み会に参加して本音を引き出せるようになるのはとてつもない壁があるんじゃないかしら。

仕事がほしいひとは頼まれやすい状況にしておく

・仕事ははじめて頼む方も怖いものだから問い合わせしやすいようにしたほうがいい

Twitterのプロフィールなどで『お仕事募集中』と書かれている方も多いですが、じゃあポートフォリオがしっかりあるわけでなかったりそもそもの連絡先が非公開だったりするじゃないですか。よほどモチベーションが高くないとそういう人に問い合わせるのは怖いもんなんですよね。

そういうわけで、うめ先生は自サイトを作り直してとりあえずすぐに連絡をしやすい状況にしたそうです。効果もでているようなので仕事の相談がなかなか来ない人は参考にするといいかも。


うめ公式サイト
クリックでリンクを開く

ちなみに、きんどうの場合は連絡されたくないのでわかりにくいようにしています。

#その後の交流会で漫画家さんや、志望の方からネット活用について問われた話

他にも『小沢流の編集者との仕事の仕方』や『持ち込みをした後の上手な対処法』『紙の本を発売前に予約して買ってほしい問題』『フォロワー数やPVを重視する編集者の姿勢について』『ネーム力を強制的に上げる方法』など、多岐にわたって創作関係者に使えるノウハウを公開されていたのですが、その辺は割愛。

さて、イベント終了後は参加者の交流会がありまして漫画家の方から『ネット活用を自分ではできないから、誰かに頼みたい。そういうチームを組織したい』という話をされて、結構そういうことを考えてる方が多そうなのでその辺についてわたしの意見を少々。

・誰かに頼っても無理だよー。銭積んでも無理ー。すぐに効果出るもんじゃないしー。効果を出したいと思う時までに日頃どれだけ積み上げるかが大事。

わかりやすい話で、堀江貴文さんが『ゼロ』という出所後に力をいれてつくった作品を100万部売ろうと専門チームも組織して精力的に活動してたのだけど結局まぁ、あれ、なぁ。専門チームがいりゃどうにでもなるもんでもなぁ。

参考:堀江貴文ミリオンセラープロジェクト - Cakes

投資みたいな気持ちで銭をしっかり積んで、初版印税全部ぶっこんで発売前に〜……っても数十万円とかじゃWEBページを整備して+αくらいで予算枯渇しますから。それなら自力でレンタルブログ立ち上げてSNSを日々しっかり『目標立ててしっかりやる』ほうがよほどいいんじゃなかろうか。

売るために何かを頑張るより、お金をだしてくれる人がどうやったら期待して納得できるのかを突き詰めないと多分意味がない。みんな金を出すのはシビアだから。

「どうしたらフォロワー増えますか!」「どうしたら作品に誘導できますか!」とかってことにとらわれて広報予算に回して意識高い活動をするよりFGOに課金してFGOの話を延々してるほうがTwitterフォロワーは増える気がするんだよなぁ。

変な頑張りをするくらいなら流行りに乗るほうが楽。そうして延々楽しんで友達がたくさんできたら、結果的に応援してくれるようになると思う。SNSもWEBサイトも基本は楽しんだもの勝ちですわ。

さいごに、トキワ荘プロジェクトさんの紹介

トキワ荘プロジェクトとは、若手漫画家に特化したクリエイター支援団体です。本気でプロの漫画家を目指す若者に、東京と京都で低家賃住居(シェアハウス)を提供しています。若い漫画家や志望者がいち早くプロとして自活できるようになるために、アルバイトの時間を減らし、自己投資や本業に専念する時間を作れるようにすることが目的です。

また、講習会/交流会の開催や漫画関係の仕事(紙・デジタル両面)の斡旋・仲介を通じて、より高いレベルで切磋琢磨できるコミュニティを形成し、プロ漫画家としてのスタートアップ期を支援しています。これまで70名以上が入居後にプロデビューしました。2018年中にプロデビュー100名を目指しています。

トキワ荘プロジェクト

トキワ荘PJさんからのお知らせ

MANZEMIネーム講座、現在受講生募集中

甲斐谷荘にて優秀な漫画家志望者を募集中

漫画家・志望者さん向けポータルサイト『マンナビ』

https://mannavi.net/

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