こんにちは、リアル書店員のケス・ノングです。白泉社の50パーセント還元の興奮冷めやらぬうちに、今度は講談社のコミックセールとは。
さて、何をおススメしようかといろいろ見ていましたが、一部の巻しかポイント還元していなかったり、そもそも「ポイント還元?それうまいのか?」と言っているかのような講談社コミックもあり、どういう基準でつけとるんや!もうええわ、と開き直って、ポイントとかカンケーねえ、ただ純粋に面白いものをおススメしてやる!となりました。
基本は「40代に刺さるセレクト」でいきますのでよろしく。いかん、文芸書のセレクションというメイン仕事を忘れているのか、俺は。
→ 講談社ポイント還元セールは終了しました
40代と共有したい、講談社マンガの話
はいからさんが通る 全8巻
名作復活、ジャジャ馬・紅緒(べにお)登場! 時は大正、ロマンのご時世。17歳の女学生・花村紅緒は、当時はやりのハイカラさん。しかも酒乱でケンカ好きのジャジャ馬。そんな彼女に、伊集院少尉なる婚約者が現れた! 親の決めた結婚なんて、ダサすぎる! 大正ロマン・コメディーの決定版!!
何べん読んでも、何十ぺん読んでも面白い。落ち込んでいるときには必ず読み返します。花の大正時代、男勝りというか、完全に男より強い、はいから少女・紅緒(べにを))さんと、超美青年・伊集院少尉の恋と冒険とギャグとアクションとサスペンスとギャグとシリアスドラマとギャグとギャグなんかがてんこ盛りのお話です。
脇でちょこちょこ出てくるおひきずりさんや牢名主さんなどのキャラが最高。気がつけば最後まで読んでいることでしょう。あ、読み返したくなってきた!
ヨコハマ物語 全8巻
明治8年、11歳の卯野(うの)は横浜の貿易商叶屋(かのうや)にひきとられ、同い年の万里子(まりこ)と出会った。青く広がる海、ハイカラな風物、異人さん、新しづくめで未知への夢がふくらんだ。文明開花期を生きる2人の少女の青春を描く一大ロマン!!
大和和紀の代表作は「はいからさん」となるでしょうが、個人的にはこの「ヨコハマ物語」が好きで好きでたまりません。
明治時代、西洋文明の窓口となったヨコハマ港を舞台に、「はいからさん」よりはややシリアスに、でもとてもとても、切ないほどにかわいい話です。主人公のお卯野ちゃんと万里子お嬢様の友情には何度も何度も泣かされます。ああ、読み返したい!
JJM 女子柔道部物語(1)
『柔道部物語』から25年、小林まことが再び“本格柔道漫画”を描く! 原作はアトランタオリンピック女子柔道61kg級で、日本女子柔道界に初めての金メダルをもたらした恵本裕子!! 雪の旭川を舞台に世界の頂点を目指す白帯の女子高生が世界の頂点を目指す!
一度引退宣言をしていた小林まこと先生、復帰しました!しかもあの名作「柔道部物語」を現代版にアップデートした作品で! まだ1巻しか出ていませんが、早くも面白さの予感でうずうずします。2巻を待ちきれない人は、とりあえず「柔道部物語」を読みましょう。
以下"最大46%ポイント還元対象外"ですがオススメマンガ
柔道部物語 全11巻
俺は三五十五(さんご・じゅうご)。高校に入学したばかりで何も知らない俺は、先輩たちの甘い言葉に乗せられて柔道部に入ることにした。ところが、入部したとたん、先輩たちの態度が豹変。シゴキはあるわ、坊主頭にさせられるわ、もちろん女の子との交流会なんて真っ赤なウソ。でも、一度やると決めた柔道だ。強くなってみせるぞ――!! 読み出したら止まらない!! 珠玉の本格柔道コメディ、第1巻!!
まさに名作。いわゆる古き良きスポ根でもなく、いじめられっ子が少しづつ強くなるようなものでもない、「部活マンガ」としかいいようのない、汗臭いくてダサい青春の香りがプンプンします。
甘言を弄して一年生を誘い、落ち着いたところで行われる拷問トレーニング「セッキョー」、先輩に遭遇した時に腹から叫ぶ「ザス」「サイ」「サ」のあいさつ、何から何までおかしく、そして燃えます。まさに一家に1セット、必需品です。これが面白くなかったという人は聞いたことがありません。
生徒諸君! 全12巻
転校初日に初恋の人・飛島(とびしま)先輩と出会い、岩崎達とグループ「悪たれ団」をつくってしまった北城尚子(きたしろなおこ)、通称・ナッキー。明るく、パワフルなナッキーは、体育祭を大成功させ、担任・金田先生の恋も成就させる。しかし、ナッキーにつきまとう寂しさの影を、飛島は見逃さなかった。 喜びと悲しみ、愛と希望のすべてをそそぎ込んだナッキーと「悪たれ団」の青春伝説!
今読むと青臭いなあとか思うんですが、読み返しているとどんどん世界にはまり込んで、気づくと号泣。ああ、マール! 沖田! 今の設定や絵柄に凝ってミステリー仕立ての伏線をいろいろ張ったマンガもいいかもしれないけ、マンガって本来やっぱこうだよね。シンプルに「情」に訴えかけてきます。名作。
おわりに
講談社のセールということで、「あれ、講談社じゃなかったかなー」といろいろ検索していたらたまたま発見しました。なんと つのだじろう『恐怖新聞』は63~89%ポイントバックになってます。
これは40代の人たち、小学生のころ本屋で立ち読みしてトラウマになったのではないですか。第一話で車に轢かれた女性から出てきた幽霊の顔がずーーーーーっと忘れられませんでした。今読んでも再トラウマになること間違いなし! 窓を突き破って恐怖新聞が飛び込んできたらどうしようとか思いましたよね。ラストの救いのなさは「デビルマン」と双璧かも。あーデビルマンを紹介しなければ、と検索したらKindle版はなしでした…。
いかがでしたか? 実質大きなポイント還元がない本も勢いで紹介してしまいました。でも、セールだから買う、というのももちろんアリだけど、ただ単に読みたくなったから買う、というのも当然アリだと思います。
今回の「恐怖新聞」もそうですが、セールをきっかけに検索していたら見つけた、というのもあるわけで、とにかくKindleの海に飛び込んでみましょう。何か面白そうな本が見つかりますよ。ていうか、Kindleの海に飛び込みすぎて溺れ死にかけているのがこの私です(笑)。
この記事を書いた人:ケス・ノング
某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。
Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。
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