早川書房・講談社のKindle40%ポイント還元セールから、とりあえず読んどけばオッケーな作品まとめ

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こんにちは、ケス・ノングです。某チェーン書店で文芸書と文庫を担当しております。11月27日現在、Kindleストアにてなかなかセールをしない早川書房と久々の講談社がポイント還元セールを実施しているということでオススメ作品をご紹介します。

早川書房セールはいつまで続くかわからないのですが、ていうか見るたびにころころポイントが変動していてこの記事がアップされるときにはもう変わっているかもしれませんのでその際はごめんなさい。とはいっても定価で買っても損はしないぜという本を紹介します!

早川書房・講談社の20%以上ポイント還元の小説・文芸作品

書店員がオススメするポイント還元の注目本

いつまでセール?早川書房のオススメ作品

ディアスポラ

グレッグ イーガン (著), 山岸 真 (翻訳)
価格:756円 26%OFF+39%ポイント還元
★★★★☆ 33件のレビュー

30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。

偉そうなことを言うならば、最先端の海外SFがどうなっているかを知りたいならば、イーガン読んどけばとりあえずオッケーです。それくらいの存在です。この「ディアスポラ」は97年に書かれた作品ですが、当時の最先端であり、今もって思考の新しさはまったく古びていません。

時々ハードSF過ぎて読者がついていけないことがありますが(この作品に出てくる五次元生命体なんかまるで想像できません)、そのイマジネーションと筆力はまさに人類思考の最先端。

肉体はすでになく、精神のみをソフトウェア化して繁栄する人類。子供(のソフトウェア)を作成するにあたり、ランダムに「孤児」が作成されるアルゴリズムが描写されるオープニングは鳥肌モノの面白さです。新たな知性を求めて、自分たちの千のコピーを千の宇宙に向けて射出するディアスポラ計画。これだけでワクワクしてきませんか?


ブラックアウト ほか

コニー ウィリス (著), 大森 望 (著)
価格:2,333円 10%OFF+39%ポイント還元
★★★★☆ 14件のレビュー

2060年、オックスフォード大学の史学生三人は、第二次大戦下のイギリスでの現地調査に送りだされた。メロピーは郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、ポリーはデパートの売り子としてロンドン大空襲で灯火管制(ブラックアウト)のもとにある市民生活を体験し、マイクルはアメリカ人記者としてダンケルク撤退における民間人の英雄を探そうとしていた。ところが、現地に到着した三人はそれぞれ思いもよらぬ事態にまきこまれてしまう……続篇『オール・クリア』とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三賞を受賞した、人気作家ウィリスの大作。

三部作の超大作です。なぜか「オール・クリア」の1巻のみ21パーセント還元ですが、あとの二冊は40パーセント還元です。

近未来、タイムマシンが実用化された世界で、オックスフォード大学の学生三人が歴史調査のために第二次大戦下のイギリスへと旅立つ。いや、基本これだけの話なんです。そしていかにもイギリス流の風刺の効いたドタバタコメディ。めっちゃくちゃ長い話なのに、なぜこんなに面白いんだろう。不思議な作品です。

我々は「第二次大戦下のイギリス市民の日常」について詳しくないのでわかりづらいところもありますが(Googleマップを参照しながら読むといいですよ)、いったんノッてしまえばもう恐ろしい盛り上がりのクライマックスまで一直線。本当にこのラストが読めただけで、時間をかけて三冊読んだ甲斐があったというものです。


オービタル・クラウド 上

藤井 太洋 (著)
価格:670円 9%OFF+40%ポイント還元
★★★★☆ 5件のレビュー

2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト“メテオ・ニュース”を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目“サフィール3”が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、“サフィール3”のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれて

藤井太洋といえばデビュー作の「Gene Mapper」をKDP(Kindle Direct Publishing)で自費出版し、それが評判を呼び、早川書房に認められ紙版が出版されたという、Kindle界のまさに寵児。

そして瞬く間に作品を次々に発表し、この「オービタル・クラウド」でついに日本SF大賞を受賞、ついでにいうならばKindleデビューして三年で、日本SF作家クラブ会長に就任という、現代日本SFはこの人と共にあるといっていいでしょう。

で、この作品ですが、これがもうすごい。まったくこのまま即ハリウッド映画にできる完成度のエンタメです。SFガジェットの奇想とその理論的裏付けの精緻さ、グローバルな展開とキャラクターの多彩さ、まったくもう、デビューしてすぐでなんでこんなすごいものが書けるのか。ただただ脱帽して、興奮して読み耽るしかない作品です。


上弦の月を喰べる獅子(上)

夢枕 獏 (著)
価格:702円 24%OFF + 45 → 20%還元
★★★★☆ 5件のレビュー

あらゆるものを螺旋として捉え、それを集め求める螺旋蒐集家は、新宿のとあるビルに、現実には存在しない螺旋階段を幻視した。肺を病む岩手の詩人は、北上高地の斜面に、彼にしか見えない巨大なオウム貝の幻を見た。それぞれの螺旋にひきこまれたふたりは、混沌の中でおのれの修羅と対峙する……ベストセラー作家、夢枕獏が仏教の宇宙観をもとに進化と宇宙の謎を解き明かした空前絶後の物語。第10回日本SF大賞受賞作。

これを書いている時点では上巻は45パーセント還元ですが、下巻は21パーセント還元です。でも上巻を読めばもう下巻は何パー引きだろうと買ってしまうでしょう。これは、人類の進化についての物語です。

あるカメラマンが、「螺旋」というものに憑りつかれます。何を見ても螺旋を思い、自分は「螺旋収集家」であると思い込む。彼の精神に、時代を超えて岩手の詩人が融合します。詩人の名は宮沢賢治。二人は一人となり、仏教的世界において、「進化とは何か」「螺旋とは何か」「私は何者であるのか」を問い続けながら須弥山といわれる山を登り続けます。

観念的な話に聞こえますが、非常に読みやすいエンタメ作品であり、とにかく思考の先鋭さがビシバシ心に響いてきます。日本SF大賞受賞作。

12月1日まで? 講談社40%ポイント還元セール

罪の声

塩田武士 (著)
価格:1,458円 40%ポイント還元
★★★★☆ 28件のレビュー

京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われたテープとまったく同じものだった。「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは。渾身の長編小説。

今40代くらいの方は、脳裏に「キツネ目の男」の映像が刷り込まれているでしょう。あの男はいったいどこの誰だったのか。いや、あの事件――グリコ・森永事件とはなんだったのか。

真正面からその疑問に取り組んだのがこの作品。脅迫に使われた、「録音された子供の声」。たまたま自宅でそれが録音されたテープが発見され、しかもその声は幼いころの自分だった。自分はあの事件に関わりがあるのか?――この魅力的な導入部で、フィクションとノンフィクションの垣根がふっと消え去ります。

限りなくノンフィクションに接していくことで、フィクションの凄みが際限なく強調されていく。素晴らしい作品です。


獣の奏者 全5冊合本版

上橋菜穂子 (著)
価格:2,635円 37%OFF+40%ポイント還元
★★★★★ 18件のレビュー

獣ノ医術師の母ソヨンと暮らす少女エリン。闘蛇を死なせた咎で処刑される直前、母は不思議な指笛で娘の命を救う。母と同じ道を志したエリンは、傷ついた王獣の子リランに出会う(……)世界中で愛される、苦難に立ち向かう少女の物語。新たなる時代を刻む、日本ファンタジー界の金字塔を合本で。

すみません、僕も買ったまままだ読んでいない作品です。しかし綾瀬はるか主演で「ドラマ化された「守り人シリーズ」、本屋大賞受賞作品「鹿の王」を書いたあの上橋さんならば、面白いに決まっている!! 5冊まるごとで2635円。そして1054ポイント戻ってきます。「合本」というのはほんと電子書籍ならではですね。通勤中に読み終わってもすぐに続きが読めます。素晴らしいですね。


超高速! 参勤交代

土橋章宏 (著)
価格:810円 40%ポイント還元
★★★★☆ 59件のレビュー

ときは享保20年(1735)初夏、改革の嵐吹き荒ぶ8代将軍吉宗の時代。わずか1万5000石の磐城湯長谷藩に隠し金山の嫌疑がかかり、幕府老中から「5日以内に参勤せねば、藩を取り潰す」と難題をふっかけられた。若殿様以下7名は東国一の忍びの力を借りつつ、陸前浜街道、水戸街道、さらには山野を踏み越え江戸城本丸へ急ぐ。軽量化のため竹光しか持たない一行を阻む公儀御庭番と百人番所の精鋭。湯長谷藩の運命や如何!?

これはもう、タイトル勝負ですね(笑)。すごいインパクト。そのインパクトに負けず、中身も面白いです。映画化もされましたね。正直、この小説のほうが面白いです。

内容は…もうすべてタイトルが言い表しています。お取り潰しを防ぐために、超高速で参勤交代する話です。ドタバタコメディで、あっという間に読めます。ばかばかしいのが好きな方におススメ。


気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている

村瀬秀信 (著)
価格:626円 40%ポイント還元
★★★★☆ 9件のレビュー

雑誌『散歩の達人』の連載エッセイ、待望の文庫化!収録されているのは、吉野家、ロイヤルホスト、CoCo壱番屋、びっくりドンキー、餃子の王将、シェーキーズ、とんかつ和幸、サイゼリヤ、かっぱ寿司、レッドロブスター、牛角、マクドナルド、蒙古タンメン中本、築地銀だこ、日高屋、バーミヤン、すき屋、てんや、リンガーハット等、おなじみのチェーン店ばかり。著者独自の視点から、各店の魅力と栄枯盛衰を綴る。

最後にエッセイを。高級グルメでもなく、B級グルメともまた違う。チェーン店で食う飯の安心感と寂寥感をただ切々と書き綴ったエッセイです。誰もがいったことのあるあのチェーン店がどんどんどんどん出てきます。ケス・ノング的には天下一品ラーメンと鳥貴族が欲しかったけど、だいたいあの辺りは網羅されています。しかしこの人、牛丼に七味をかけすぎ!!(読んだらわかります))

おわりに

以上、よろしければ読んでみてください。

それにしてもKindleのセールはわかりづらいですね。いったい何のセールなのか、いつまでやってるのか、わからないことが多い。まあだからたまに自力で値下げ商品を発見すると興奮するのですが。紙本にはない愉しみです。

数年前に夜中の数時間だけ角川系の作品が狂ったとしか思えないセール値段になっていたのを発見した時の興奮は忘れられません(その当時まだ新刊だった「鹿の王 上下合本」定価3200円が285円で買えました)。
紙の本の再販制度(基本定価以外では売らない。返品されても再販売できる)は、近年だいぶ弾力的な運用がされるようになってきましたが、果たしていつまで維持できるのでしょうか…。

この記事を書いた人:ケス・ノング

某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。

Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。


この企画について:匿名書店員さんによるキュレーションをやろう

キッカケはこちらの記事『電子書籍をリアル書店への拡販と書店員の副業に活用する新メディアプロジェクトの協力者を募集します』で、電子書籍からリアル書店への誘導。もしくは書店員さんの副業として活用できないかなと。
現在、4名の書店員さんからお申し出をいただき、しばらくきんどうで記事掲載後新たなメディアを立ち上げる予定です。
思うにね、本のプロである書店員さんの専門知識はネットでもっと読みたいし、それはお金になる分野なんですよ。むしろ、わたしは参考にしたいからもっと出てきてほしい。
まだ、書店員さん(匿名)だけですがイベント案内やうちの気合のはいった本棚を見てくれ!なんて形でリアル書店さんとも組んで一緒にやっていきたいと考えてます。電子書籍に読者が流れるだけでなく、リアル書店・書店員も盛り上がるようなメディアを作っていきたいので興味のある方はぜひ、お問合わせからご連絡ください。ちゃんと売上に応じてお金もお支払します。

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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