「何か面白い本ない?」に自信をもってお答えする、ミステリー小説からエッセイまでわたしの鉄板8冊

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初めまして。このたびこの面白そうなプロジェクトに参加させていただくことになりましたケス・ノングと申します。某チェーン書店で文芸書と文庫を担当しております。

読む本はもっぱらミステリ、SF、ノンフィクション、エッセイ、要するに面白ければ何でもありです。センス・オブ・ワンダーといいますか、とにかくいろんな意味で「驚かせてくれる」作品に出会うために生きているような気がします。

電子書籍歴は、SONY Readerの日本ローンチと同時にReader PRS-650を購入して以来、Kindle Paerwhite、Kobo glo、Kobo mini、PRS-T2、Kobo Auraときて、現在はKindle Voyageをメイン端末としています。電子ペーパーの質感は紙以上に好きかもしれません(笑)。

さて、「わたしが今オススメしたい8冊」を選べとのこと。せっかくなので、自己紹介として、上記4ジャンル「ミステリ」「SF」「ノンフィクション」「エッセイ」から2冊ずつ選んでみました。

「何か面白い本ない?」に自信をもってお答えする、書店員オススメの鉄板8冊

ミステリ

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪

島田荘司 (著)
価格:864円 20%ポイント還元
★★★*☆ 13件のレビュー

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。御手洗潔は謎をどう解くのか!? 日本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場!

最近玉木宏さん主演で映画化もされた名探偵・御手洗潔シリーズ。一作目の「占星術殺人事件」を紹介するのが筋なのですが、あれはいろいろと入り組んでいて少し読みにくいところもあるので、ここはあえて二作目のこの作品を。

「占星術」を読んでいなくても全く問題ありません。いわゆる密室殺人ものですが、いや、もうこれは常人には発想不可能な超大トリック(笑)。謎解きの瞬間、衝撃で大声を上げてしまうから電車で読むときは気をつけてください。


慈雨 11月4日配信予定

柚月裕子 (著)
価格:1,555円
★★★★★ 1件のレビュー

警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件に酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に―。元警察官が真実を追う、慟哭のミステリー。

つい先日読み終えたのですが、「横山秀夫が不在の警察小説界」の物足りなさを埋め尽くしてあふれかえるほどの満足を与えてくれた傑作でした。人間の深い業と、愚直なまでの正義。何度も何度も号泣しました。これだけでももちろん面白いのですが、後述するノンフィクション部門のオススメ「殺人犯はそこにいる」と合わせて読むと素晴らしい相乗効果が得られます。

SF

星を継ぐもの

ジェイムズ・P・ホーガン (著), 池 央耿 (翻訳)
価格:700円 7%OFF+15%ポイント還元
★★★★* 269件のレビュー

ハードSFの巨星が一世を風靡した歴史的傑作。星雲賞受賞。 月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ

あえてド定番を。SFは、書かれた当時から時間が経つと描写やガジェットが古くなってしまうものだが、その「思想」は決して古びない。「月面で発見された死後五万年の死体の謎」が明かされる壮大なラストは文字通り宇宙規模のサプライズ。オススメを聞かれたらいつも真っ先に挙げる本です。最初Kindle Unlimitedに入っていましたが、いつの間にか消えてましたね。


合本 11/22/63

スティーヴン・キング (著), 白石朗 (翻訳)
価格:2,800円 21%ポイント還元

このミス1位ほかミステリー3冠達成の感動大作 過去へ旅することのできる「扉」の存在を知った男はケネディ暗殺阻止に挑む。キングにしか書けない壮大な物語。落涙保証の感動大作! 解説・大森望 ※この電子書籍は、『11/22/63』上・中・下巻(文春文庫)を一冊にまとめた合本 です。

「ケネディ暗殺を阻止するためにタイムスリップ」という骨子だけを見るとやや陳腐な気もしますが、「この世にこんなに面白い本があってもいいのか!」と叫びたくなるくらいの傑作

SFであり、サスペンスであり、恋愛小説であり、家族小説でもある。ありとあらゆる「小説の面白さ」が詰め込まれていて、長大な話ですが、「お願い、終わらないでもっと続けて!」といいたくなること請け合い。最近ドラマ化もされました。上中下巻とあるのでお値段は少し張りますが、損はさせません。合本版のほうが少しお得です。どうせ絶対全部読みたくなるから是非合本で!

ノンフィクション

殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件― 11月18日配信予定

清水 潔 (著)
価格:750円
★★★★* 153件のレビュー

5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――

5人もの少女が犠牲となった北関東幼女誘拐殺人事件。「真実」を愚直に追い求める著者の綿密で執拗な取材は、一つの事件に関して真犯人として収容されていた男性が冤罪であることを証明し、さらに野放しの真犯人に向かって突き進む。そしてついに著者は「真犯人に間違いない」という男にまで独力でたどり着く。だが、その先に待ち構えていたのは、想像を絶する司法の闇だった。

まさに衝撃のノンフィクション。これがすべて事実ならば、この世に正義はないのか、と絶望したくなる。「面白い」と簡単にいってはいけない壮絶な作品だが、読み始めるとページ送りの指が止まることはないでしょう。

そしてこの事件に小説として一つの答えを示したのが、上でオススメした「慈雨」です。是非合わせてお読みください


モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―

福田 ますみ (著)
価格:1,210円 20%ポイント還元
★★★★* 48件のレビュー

不登校の高一男子が、久々の登校を目前に自殺した。かねてから学校の責任を追及していた母親は、校長を殺人罪で刑事告訴する。人権派弁護士、県会議員、マスコミも加勢しての執拗な追及に崩壊寸前まで追い込まれる高校。だが教師たちは真実を求め、ついに反撃に転じた――。

長野県の高校一年生が自殺、母親は「いじめを苦にしていた」と涙ながらに訴えたが、学校側は否定。記者会見の席で、薄笑いを浮かべる校長の姿がテレビに映し出され、学校には抗議の電話が殺到しました。「お母さんがかわいそう」「ちゃんと調べろ」

だが、事実はまったく違ったのです。母親による常軌を逸した周囲へのクレーム、暴言。それを苦にしていたのは息子であり、自殺に至る前から、学校はそんな母親から彼を守ろうと必死に動いていたのです

狂気の母親についたのはトンデモ弁護士。なんと校長を殺人罪で刑事告訴してしまう。学校側はついに立ち上がり、他の生徒やその家族と共に闘うことを決意します。これまた簡単に「面白い」といってはいけないテーマですが、いやはや、一気読みの面白さです。

エッセイ

ショージ君の青春記

東海林 さだお (著)
価格:469円 20%ポイント還元
★★★★★ 7件のレビュー

妄想といっては哀しく、純粋というには怪しすぎる初恋をした高校時代。一年浪人の末、九つの学部を受験して、めでたく早稲田大学露文科ダケに合格。さあ女のコにモテるぞ、と張切るが現実はきびしい。青春と恋とはギョーザとニンニクの如くセットのはずなのに、実にグヤジイ(……)プロを目指した辛い売込み時代などを回想する漫画チックな放浪記。ショージ君の原点がここにある。

今でこそ丸かじりシリーズなどでエッセイストとして著名な東海林さだおさんですが、そもそもは漫画家。そして「文章も描ける漫画家」として花開いたのがこの作品だと思います

誰しもが通過する甘く切ない青春期をこれほどまでに自虐的に、ユーモア溢れ、そして共感できる文体で活写するその手腕は本当にすごいのですが、僕の文章力ではうまく伝えられなくてグヤジイ! もう40年くらい前に書かれたものですが、本当に面白いものは古びませんね。

紙では現在絶版なので、まさにKindleならではの本といえます


臨機応答・変問自在 ―森助教授vs理系大学生―

森博嗣 (著)
価格:648円 12%OFF+20%ポイント還元
★★★*☆ 11件のレビュー

ミステリィ作家であり、某国立大学工学部助教授である著者は、学生に質問をされることで出席をとり、その質問に自身が答えたプリントを配布するという授業を、何年間も続けている。理解度を評価するとともに、自主性や創造性などを高めるためである。授業内容に関連するもの以外に、たわいないものから、科学、雑学、人生相談など、学生の質問内容はヴァラエティ豊かだ。本書は、数万にのぼるそのQ&Aから、ユニークなもの・印象深いものを独断的に選び、その面白さの一端を紹介していく。

森博嗣といえば理系ミステリの先駆者ですが、実は彼の真骨頂は日記やエッセイにあります。シンプルにしてシャープ、オリジナリティ溢れるあの思想を、より直接的に味わえるからだと思います。

国立大学工学部助教授だった森博嗣は「試験をしない先生」で、授業のたびに学生に質問を提出させ、その切れ味で成績をつけていました。質問には毎回森先生が簡単に回答を付して全員に配ります。これはその質問と回答集という変わった本。

「フォークボールはどうして落ちるのですか?」「すべてのボールは落ちる。回転のために伸びる直球のほうが特殊。」

ふっと視点を変える思考法が学べます。

おわりに

以上、自己紹介代わりの8冊、いかがでしたでしょうか。

書店にいると、たまにお客様から「面白い本ない?」と聞かれることがあるのですが、そういうときに限ってあたふたしてしまい、中年にさしかかった記憶力の減衰も手伝ってうまくオススメすることが出来ません。

ここではすぐにその場で答える必要は無いので、「店頭でオススメを聞かれた場合」という想定でじっくりと考えてみました。なので自信を持ってお答え出来るラインナップと言えます! ただ、そのため万人向けにしてしまった感があるので、次の機会にはもっと趣味に走ったりもしてみたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。あなたのKindleライフが充実しますように。

この記事を書いた人:ケス・ノング

某チェーン書店で文芸書・文庫を担当。自分は人に薦めるくせに、人に薦められると読みたくなくなる天邪鬼。昔は年間300冊は読んでいたが、年々集中力が衰え今は年間80冊くらい。

Amazonプライムのおかげで映画やドラマも見てしまうので全然時間が足りなくて一週間が四週間くらいあればいいのに、とかバカなことばかり考えているからよけい本が読めないという悪循環に陥りがちな中年真っ盛りです。


この企画について:匿名書店員さんによるキュレーションをやろう

キッカケはこちらの記事『電子書籍をリアル書店への拡販と書店員の副業に活用する新メディアプロジェクトの協力者を募集します』で、電子書籍からリアル書店への誘導。もしくは書店員さんの副業として活用できないかなと。
現在、4名の書店員さんからお申し出をいただき、しばらくきんどうで記事掲載後新たなメディアを立ち上げる予定です。
思うにね、本のプロである書店員さんの専門知識はネットでもっと読みたいし、それはお金になる分野なんですよ。むしろ、わたしは参考にしたいからもっと出てきてほしい。
まだ、書店員さん(匿名)だけですがイベント案内やうちの気合のはいった本棚を見てくれ!なんて形でリアル書店さんとも組んで一緒にやっていきたいと考えてます。電子書籍に読者が流れるだけでなく、リアル書店・書店員も盛り上がるようなメディアを作っていきたいので興味のある方はぜひ、お問合わせからご連絡ください。ちゃんと売上に応じてお金もお支払します。

注意事項:Kindle本の価格は随時変更されています。また、本サイトでは購入された書籍や内容についての責任は持てません。ご購入の前にAmazon上の価格・内容をよく確認してください。良い価格で良い本を。きんどるどうでしょうでした。

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