こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第26回は、「まほろば」を執筆した”くまっこ”さんのインタビューを掲載します。
——僕の言葉は枯れ葉となり、色のない地平線へ沈んでゆく。
“すこしふしぎ”な世界観を放つショートショートストーリー集です。
かわいくて、やさしくて、ほんのすこしだけ切なくなるような物語が、ここにあります。日常からちょっと息抜きをして、少し不思議な世界を覗いてみませんか?
・エンドオブワールド
・まほろば
・花のうた
・箱庭
・竜の魔法
・ソラ
・砂のうた
上記全7作品収録。
「まほろば」くまっこ
『果てしない物語の終焉は、誰が紡ぐのだろう。』
本作は表題作「まほろば」を含む7つの短篇集です。少し切なく、儚い物語が特徴ですね。一篇ごとはとても短いですが、リズミカルに紡がれる文章で物語に引きこんでくれます。心の隙間を埋めたいなーと思っている方にはオススメかしら。暖かい飲み物と、お菓子を用意して読んで欲しい作品です。
くまっこさんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。
インタビュー with くまっこさん
――この作品を書いたキッカケを教えてください
この本は短編集ですので、それぞれの作品については割愛させていただき、電子書籍を作ったことについてお話ししますね。
元々わたしの書いている短編のお話は、いくつかをまとめて作品集(同人誌)にしたり、豆本と言う小さな手作りの本に載せたりして、デザインフェスタのようなアートマーケット、また同人誌即売会など、様々なイベントやグループ展などで展示販売していました。
その折、イベントで知り合った方からiPhone用の電子書籍アプリを作ると聞いて、ぜひ自分の作品を使ってほしいと名乗り出たのが、この「まほろば」という電子書籍を作るキッカケになりました。
ですので、始めはiPhoneアプリ用に「まほろば」を準備していたのですが、その準備中にKDPが始まり、その際にEPUBのファイルも作って頂きまして、ほぼ同時リリースという形になりました。
――なるほど、ナイスタイミングだったわけですね。作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
自分の作品をなかなかうまく表現できないのですが、読んで頂いた方からは、「かわいい」「乙女的」…という感想をよくいただきます。
作品の特徴としては…物語は悲しい方向へ進むことが多く、明るいお話はあまりありません。読後に少しの切なさや、ときには安らぎが残るような作品群かな、と自分では思っています。
セールスポイントは…ひとつひとつのお話がとても短いので、さらりと読める。それでいて、それぞれに独特の世界があり、読者の方の想像力をほんのり刺激できるような作品集に仕上がっていると思います。
――なるほど。それでは作品を書くうえで悩んだところは?
長い作品を書くときには色々と悩むところはありますが、この本に掲載しているような短いお話しを書くときには、あまり悩むことはありません。
――読者からの感想はありましたか?
カスタマーレビューを頂いたり、キンドる速報さんに取り上げて頂いたり、Twitterで感想を頂いたりしました。
どれもとてもありがたく、大切に読ませて頂いています。
――Twitterでダイレクトに感想が届くのはいいですね。では小説を書くときのこだわりってありますか
こだわりというほどのものではありませんが、読んでいて心地良いように、推敲の際には朗読してみたりと、文章のリズムには少し気をつかっています。
「まほろば」のサンプルとして、掲載作品(竜の魔法)を朗読したものもありますので、ぜひ聴いてみてください。
http://books.doncha.net/apps/dojinnovels.pl?p=mahoroba
――朗読は面白いですね。一石二鳥です(笑)執筆にかかった期間はどれくらいですか?
それぞれの作品により書いた時期が違うので、期間というとお答えするのが難しいですが、どれも短いお話ですので、1作品あたり1日もかけていないと思います。
思いついたときにパパッと書いてしまうので。
――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
ふらふらと街を歩いて、ショッピングを楽しみます。
普段は紙の本を、内容はもちろんデザインから制作まで、手作りで行っていますので「こんな装丁の本を作りたい」というところから物語を思いつくことが多く、装丁を思いつくのはたいてい可愛い雑貨屋さんや、材料である紙屋さんを巡ったり、街を歩いているときなので。
次に作る本があんまり思いつかなくなってきたと感じたら、とにかく外に出て、いろんなものを目に入れるようにしています。
――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?
わたしの場合はKindle用のEPUBファイルを別の方に作成して頂いたので、特に困ることはありませんでした。
EPUBを自分で作成するとなると、色々と大変だっただろうな、と思います。
――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします
個人作家という、どこの誰とも分からない、見たこともない作家が書いている本をお読みいただき、本当にありがとうございます。
そんな本好きの方がたくさんいらしたことに少し驚くとともに、とても嬉しく思っています。
これからも少しずつ電子書籍を出版していきますので、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
著者プロフィール
くまっこ(@cumazou3)
文学フリマやコミティアなどの同人誌即売会を中心に、文庫本(短編集)や豆本を手作りして展示販売している物語作家。
小説はもちろん、本のデザインやイラストも自身で手がけている。
また小説本の他に、写真集やお料理レシピ、豆本の作り方など、幅広く執筆、販売している。
ブログ:「くまっこにっき。」
http://kumazasa.blog98.fc2.com/