「娘と子猫」矢間たかしさんインタビュー

※一時期販売休止しておりましたが、2月6日に旧題:「ビスマスの母娘」から「娘と子猫」として再出版されました
こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第19回は、「娘と子猫」を執筆した”矢間たかし”さんのインタビューを掲載します。

娘と子猫

矢間たかし「娘と子猫」

ポスティングの傍ら出張ホストまがいの仕事をこなすフリーター健一。街中で猫とじゃれあう女の子加代と出会う。加代は客の一人である渡辺という女の娘らしかった。どうしても健一に加代のことを預けようとする女、そこには説明できない訳があった――。
都心郊外のマンション団地、近くの繁華街にある薬局、北海道の網走湖畔などを舞台に繰り広げられる感動の恋愛ミステリー長編。

「あのさぁ、500円で勝とうって気なの、ねっ?」
「そりゃあ、そんな気でもなきゃ、行くわけねーだろっ!」

講談社の新人賞に応募したという本作はとても上質な恋愛ミステリーだ。5年前に起きた死亡事故、借金を抱えた父と娘…そして蒸発した母親とホストクラブの関係、それぞれの過去が現代に重なり1つの事件に結びついていく。高い文章力としっかりしたキャラクター、なにより読者を引きつけるストーリー展開のレベルが非常に高い。個人的には主人公・健一が実践してるチラシ配りの個人事業はナルホドなーと感心しました(笑)
矢間たかしさんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 矢間たかしさん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

当時、自転車で街をぶらついていた時に、小さい女の子が猫と遊んでいるのを見かけたんです。猫は女の子の首の後ろに乗っかっていて、女の子が降ろそうとしてもなかなか降りない。
その様子が滑稽というか可愛らしくて、自分の中にイメージとして残りました。頭の中にイメージが残っているうちに、その光景をそのまま文章にしてストーリーも付け加えたんです。
この作品はそんな出来事から生まれました。

――なるほど。本作内でもヒロイン・加代の良き友達として活躍しましたね。それでは作品の特徴やセールスポイントについて教えてください

物語の鍵となる過去のいくつかの出来事からストーリーは始まります。冒頭からスピード感を持たせ、読者を惹きつけるように心掛けました。
他のセールスポイントとしては、日常生活で実際に起こりそうなストーリーになっていること、登場人物のキャラクター造形、あとミステリーとしての謎もふんだんに盛り込まれていることです。

――たしかに、サンプルでも読める2章までで一気に引きこまれました。1番読者に伝えたいテーマはなんですか?

伝えたいテーマなんて大逸れたことはありませんが、強いてあげるとすれば「愛」です。あと一応ミステリーということも関係します、一人の女の「生きざま」です。

――なるほど。核心ですね。では作品を書くうえで悩んだところは?

あまり深く考えずに筆の走るままに書く方なので、本来悩むべきところで悩んでないかもしれません。ただこの作品に限って言えば、人間の内面描写と物語のスピード感とのバランスで悩みました。
物語の中で、主人公が女の子と同棲生活を始めるんです。女の子はある理由から逃亡した母親に会えない淋しさもあって、それを紛らわすために猫と遊んだり、時には猫を使って嘘もつくんです。主人公の恋する女性に嫉妬したりもします。
女の子の複雑な心理状況を表すのに、いつも一緒にいる猫そして主人公とのやりとりを細かく書いてしまうと、全体のミステリーとしての展開というかスピード感が停滞する気がして、そのへんのバランスが難しかったです。

――読者を飽きさせない仕掛けとの兼ね合いは難しいですね。では執筆にかかった期間はどれくらいですか?

書き始めてから中編くらいの長さの小説まで書き上げるのに、おそらく1ヶ月はかかっていると思います。その後しばらく寝かせておきました。
半年くらい前にその小説を、ワルプルギス賞という講談社の新人賞に応募してみたんです。そしたら編集の方から続きを読みたいというリクエストを頂いたんですよ。ならば是非、ということで初めてちゃんと長編と呼べる長さの小説を書きました。
結局、受賞つまり講談社からの刊行までには至らなかったのですが、初めてプロの編集の方の貴重なご感想とご指摘を頂くことが出来ました。また、他のユーザーの方々からこれまた貴重なご感想を頂きました。かなり勉強になりましたね。その後少し改稿して出来たのが本作品です。
途中ブランクはありますが、中編になるまで1ヶ月、今の形になるまでさらに1ヶ月、結局2ヶ月くらいは費やしていることになります。

――なるほど。しっかりと練られて作られた作品ですね。ところで小説を書こうと思ったキッカケはなんですか?

お金をかけずに何か暇を潰せるものを探していた時に「小説の執筆」を見つけました、それがキッカケです。
最初は短編小説を書くことが多くて、書いた作品をホームページに掲載していたら反響がそれなりにありました。調子に乗って、さらに書き続けたという感じです。

――お金をかけない趣味というのは面白いですね。では小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?

読み易さです。
何はともあれ読んでもらわないと始まらないので、文章の読み易さはかなり気にしています。文章そのものの美しさとか表現力で読んで頂くというより、ストーリーの面白さで読んで頂きたいなと思っています。ただそれが、なかなか難しいです。

――たしかに、読みやすくないとすぐに投げだされてしまいますからね…ではKindleで出すにあたって困ったことはありますか?

初めの頃は、横書きで出していたのですが、やはり日本語は縦書きだろう!ということで縦書きに変えました。その時に少し困ったくらいです。
ちなみに自分は現在、ワード->テキスト->HTML->Kindleという手順を踏んで作っています。縦書きにも対応していますし、ルビや目次もつけられます。Kindleデバイスはもちろん、アプリも優秀だと思います。簡単なのに、読み易い本が作りやすい。もっと手の込んだ本も作ってみたい気持ちもありますが、今はこれで十分かなと。

――電子書籍についてどう思われますか?

重宝しています。
たまに紙の本も読みますが、やはり電子書籍に比べると不便さを感じます。慣れてしまうと紙の本には戻れません。電子書籍が当たり前の時代に突入したんだなと実感しています。また、紙の本はいろんな意味で貴重な存在になりそうな気がします。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

ある程度の反響があったら、もしくは世の中の皆様から少しでも評価を頂けたら次を書こうと考えています。何か励みになることでもないと、なかなか書き続けられません。本作品を読むことで、ちょっとでも普段の嫌なことを忘れ、さらに楽しんで頂ければ幸いです。
Kindleの方には、ちょっとずつタイトルを追加していきたいと考えています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

著者プロフィール

矢間たかし(やまたかし)
メール -> takashiyama.novel[AT]gmail.com
ホームページ -> http://www.geocities.jp/netonlinenovel/
フェイスブック -> https://www.facebook.com/takashiyama.novel
アメーバブログ -> http://ameblo.jp/takashi7yama/

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