「POSTMAN!!」長谷川圭佑さんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第20回は「POSTMAN!!-ア・ノーブル・ウーマン-」を執筆した”長谷川圭佑”さんのインタビューを掲載します。

KDP,POSTMAN

「POSTMAN!!-ア・ノーブル・ウーマン-」

私の名前は、ケンゾー・コシノ。職業は、宇宙郵便配達員だ。

本作は遠い未来、超高速のワープ航法により人類の生存圏は大きく広がったが、通信手段が発達せずに未だに手紙を使っているという面白い舞台設定のSFだ。主人公・ケンゾーは郵便配達員。地球から三万光年離れた人工植民星「ノップス」のとある屋敷に手紙を届けるが、そこに住む少女から、無くなった指輪を捜すことを依頼される。「ハードボイルド」「渋い中年の男」「SF」が好きな人のこころに響くだろう。非常に読みやすい短編小説だ。

長谷川圭佑さんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 長谷川圭佑さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

以前から、機会があったらどこかの新人賞に投稿するつもりで考えていた構想があったのですが、そのうちにKDPというものが始まったのを知って、これに出すために設定やストーリーをより「商品」として見栄えのするものに改めました。
1ユーザーとしてKindleを使っていて、東野圭吾さんの『ガリレオ』シリーズがエピソード単位で買えたらいいのにな、とふと思ったので(氏の作品は今のところどれも、単行本単位でもKindle版にはなっていませんが)、自分でそういう売り方前提の作品を書いてみようと思いました。

――なるほど、戦略的な販売方法ですね。では、作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

悪役も含めて、キャラクターたちがそれぞれ個性的で魅力のあるものになるよう努めたので、そう感じていただけたら嬉しいです。
また、ストーリー自体は単純に楽しんでいただけるよう作ったつもりですが、それとは関係なく各所に、発見すればニヤリとできるような小ネタも散りばめてあります。見つけてもらえると嬉しいです。

――物語を盛り上げるギミックが素晴らしいですね(笑)では、作品を書くうえで悩んだところは?

自分の根性の無さに悩みました。(笑)800字くらい書くと、もう休憩したくなる……。書くこと自体を楽しめる人は、本当に尊敬します。

―あはは、確かに執筆は大変ですからね。それでは執筆にかかった期間はどれくらいですか?

原型となった構想をもやもやと考えていた期間を除けば、プロット作りに一週間程度、初稿執筆に41日、推敲に3日です。

――おぉ、しっかりプロットを作って臨まれたのですね。では、今回初出版をしてみて電子書籍についてどう思われますか?

今の時点では、紙の本に較べて便利な部分と不便な部分があると思います。
便利な点は、もちろんかさばらないこと、原理的に「絶版」という状態が無いことだと思います。
Kindle本はスマートフォンでも読めるので、出先でのちょっとした時間をつぶすのに重宝しますし、もう一度読みたいけど、どの段ボール箱の中にしまったか判らなくなってしまった……ということがありません。
絶版状態が無いということで良いことは、いわゆる死蔵状態にある書籍に光が当たることだと思います。出版社も重版の可否という経営判断のひとつから開放されますし、ユーザーにとっても、どんなにマイナーな書籍でもいつでも適正な価格で買うことができるようになれば、ありがたい。電子書籍の普及によって死蔵されていた良書の数々が発掘されていったら、とても良いことだと思います。
不便な点は、「偶然の出会い」が少ないということです。リアルの書店では、何となく気になって手にとった本が面白かった、という良い事件はしばしば起こることですが、電子書籍ではこの「何となく」が生じにくい。せっかくほぼゼロコストで多様な品ぞろえを維持できる仕組みになっているのに、リアルよりもシビアなランキング至上主義になってしまうというパラドックスがあります。ですから、その溝を埋めるための「きんどるどうでしょう」さんや「キンドる速報」さんの活動はとても意義があることだと思うし、頑張っていただきたいです。
とはいえ、私は書店という空間がとても好きなので、電子書籍のキュレーションがどんなに整備されても、無くなっていっては欲しくないですね。紙の本の帯にコードが付いていて、それを入力すると電子版が無料または格安で入手できるとか(あるいはその逆とか)、ゲームのダウンロード版のようにリアル店舗で電子書籍を売るとか……そういったシステムが確立して、共存共栄できたら、と思います。

――本と読者の出会いの機会は非常に難しいですね。いっそ手売りしたほうが…といった感があります。ではKindleで出すにあたって困ったことはありますか?

ePubファイルを作成するのに、まったく知識が無かったので苦労しました。圏点をつけるのがどうしてもできなかったので、結局AozoraEpub3(http://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html)を使いました。これ便利です。

――なるほど。今後はさらに執筆を助けてくれるツールがでてきそうですね。ところで、執筆に苦労したとのことですがアイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

書く前に90秒ほど逆立ちします。これをやると、頭に血がよく通って調子が出てくる気がします。昔『特捜戦隊デカレンジャー』で見たので、真似してます。『デカレンジャー』は良質なSFで、面白いです。
ちなみに、危険かもしれないので、真似する場合は自己責任でお願いします。

――百鬼夜行をぶった斬る勢いの前準備ですね。では、Kindle で個人出版を目指す方にアドバイスをお願いします

これは自戒を込めてのことなのですが、「手軽に」出版できるからといって、「気軽に」出版はしないほうがいいと思います。五年後、十年後に下世話でいうところの黒歴史になる可能性というのは、常につきまといます。それが半永久的にどこかにアーカイブされるというのは、恐ろしいことです。
何が言いたいかというと、全世界に発信するということは、それだけ覚悟の要る行為だと思う、ということです。常に「これは世界中の目に晒すべきものなのか、どうなのか」ということを自問しながら作っていくというのは、苦しいですけど大切なことだと思います。
できることなら、発表前に友人に読んでもらうとか、当てがあるならば編集者に一度目を通してもらうとか、そういう手順を踏まえるのが一番良いと思います。
この言葉が自分自身に跳ね返ってこないよう、頑張りたいと思います。(笑)

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

正直、出してからしばらく本当に一冊も売れなかったときは、新人賞に出したほうが良かったかも……と思いました。しかし、もう走りだしてしまったので腹をくくって(笑)、1話以上の品質を維持して2話、3話……と続けていきたいと思っています。
もし気に入っていただけたなら、「いいね」ボタンを押してくださるだけでも、次作を書くための大きな励みになりますので、よろしくお願いします。

著者プロフィール

長谷川圭佑(Twitter:@HASEGAWAksk
1983年静岡県生まれ。おとめ座。B型

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