「黎明の笛」数多久遠 さんインタビュー

こんばんわ、Kindleどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。本日お送りする第七回は、圧倒的なリアリティで描かれるミリタリーサスペンス「黎明の笛」を執筆した”数多久遠”さんのインタビューを掲載します。

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「黎明の笛」とは

ここ航空総隊司令部情報課は、航空自衛隊情報活動の中心だった。
本作は元自衛隊幹部の数多久遠さんが執筆したミリタリーサスペンス小説だ。元自衛官という経験によって、本作で紹介される部隊の活動や役割、そして人間関係は迫真のリアリティを持って我々を物語の世界へ引きこんでくる。そして、著者が持つ”戦術”ノウハウを駆使した高度な情報戦はまさに圧巻の一言だ。
数多久遠さんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 数多久遠さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

以前に自衛隊部隊、特に司令部の活動に焦点を当てたシミュレーション小説を書いたことがあるのですが、シミュレーションとしては悪くなかった(と思っている)ものの、エンターテイメント、あるいは小説としては失敗でした。
つまり、一言で言えば面白くなかった。
しかし、何とか司令部の面白みを分かってもらえるような面白い小説を書きたかった。その結果生まれた作品がこれです。

――なるほど。前回の失敗を踏まえてのリベンジだったのですね。作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

やはり、頂いた評価を見ると、実際の自衛隊を知った上で、それをはみ出さずに書いたというリアリティでしょうか。
私自身としては、「戦術」が面白いものだと分かって欲しかったという思いがあったので、それが伝えられていれば嬉しいです。

――”戦術”というのは軍事モノを読む上で大事なテーマですからね。作品を書くうえで悩んだところは?

”個人”に対する感情移入を作為するための個人の活躍と、組織で戦う自衛隊のリアリティの両立でしょうか。
戦術面での仕掛けは、組み立ては面倒なものの、それなりに自信もあるので正解を理解しつつ描けたのですが、小説としての面白みを出すためのキャラクター描写は、それこそ胃が痛くなる思いで書きました。

――キャラクターを書くのは本当に難しいですからね。頭の中で勝手に喋り出してくれるまで時間がかかります。ビジネス小説を書かれてる方から同じような苦労を伺ったことがあります。執筆にかかった期間はどれくらいですか?

約1年です。また、某出版社の編集さんの指導を受けての修正に、さらに半年ほどかかっています。
(社長さんが決裁用の原稿を読んでくれず、紙での出版を断念したためKDPを活用)

――なんと。もとは商業出版を予定していた作品だったのですね。なるほどのクオリティです。では、この本を紙で出したいという出版社が来たらどうしますか?

もちろんOKです。電子書籍版の価格を見直す必要が出るかもしれませんが、まだまだ市場として小さい電子書籍だけでなく、別チャネルでも配布できることは魅力です。

――そうですね。電子書籍発で紙の書籍というのは期待できそうな展開ですね。それでは本作で特にお気に入りのシーンを教えてください

主人公が偽の証言をして自衛隊部隊を動かそうとするところです。

――なるほど。話が大きく動き出すところですね。ではKindleで出すにあたって困ったことはありますか?

とにかくKDPの説明が分かりにくいし、ワード原稿で縦書きにできず、一太郎→ePub→mobiとせざるを得なかったこと。
目次作成がうまく行かないこと。
アップロードでエラーになっても原因が不明なこと、などなど。版の更新の際、今でも困ってます。
あと表紙です。我ながら、素人臭いと思ってます。

――表紙で悩まれる方は非常に多いですね。当サイトでも表紙イラストレーターさんを募集されていますし、良いイラストレーターさんから連絡があると良いですね募集は終了しました)。それではオススメのKindle本を3冊教えてください

実は……kindle本は読んでません。資料本は紙の方が便利(検索が使えれば話は別)だし、読みたいミステリーなんかは、100円の古書が本棚の棚を1段占拠するほどたまってるため、今のところ読む本に困ってない。ただ、電子書籍の将来を読むためにも「Gene Mapper」は読もうかと思ってます。

――そうですね。Kindleは全文検索に対応していますので是非Kindle本をお読みするのをオススメします。一影響を受けた、もしくは好きな作家さんを5人教えてください

トム・クランシー・言わずと知れたミリタリーサスペンスの大御所。和製トム・クランシーを目指したいです。「レッドオクトーバーを追え」など
野沢尚氏 「破線のマリス」など、特殊な業界を、業界外の人に伝えるという点で参考になりました。
宮部みゆき氏・あまりに才能が違いすぎて参考になりませんが、人物描写では常に関心させられてます。「火車」など。
有川浩氏・この人も参考にするのは困難ですが、緊迫感の中に恋愛などホワッとしたものを混じり込ませる技量などは真似したいと思ってます。自衛隊3部作など。
柳井たくみ氏・ディープな自衛隊を書いても小説になるということを実証し、勇気づけてくれた作家です。ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えりシリーズなど。

――有川さん、柳井さんは自衛隊をベースにそれぞれの物語を展開されて非常に面白かったです。それでは小説を書こうと思ったキッカケはなんですか?

現役自衛官だったころ、自分の専門以外に興味を持とうとしない自衛官に、他部門の役割や重要性を理解させたいと思ったことです。
興味を持たないなら、興味が無くても自然と引き込まれるような小説を書けたらいいなと考えたためです。

――それは面白いキッカケですね。実際、読者の評価も自衛隊内部のことを多くコメントされていますね。では、一番読者に伝えたいテーマはなんですか?

”戦術”の楽しさ、美しさ……でしょうか。軍記モノのフィクション版の醍醐味です。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

本格的なミリタリーサスペンスは、日本では商業として成立し難いニッチジャンルだと思いますが、今後も書いて行きたいと思います。
執筆に時間がかかるので、そんなに頻繁に出すことは無理ですが、無理せず着実に行きたいと思います。

著者プロフィール

数多久遠
元航空自衛隊幹部 軍事・防衛は、以前は仕事でした。現在は趣味として追っかけてます。軍事シミュレーション小説も書いてます。
数多久遠のブログ シミュレーション小説と防衛雑感
http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/

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