高校球児の最後の夏、そして日常を爽やかに描く「ナイン・ストーリーズシリーズ」を執筆した晋太郎さんにインタビュー

1312202こんにちは、きんどるどうでしょうです。いま話題、もしくはこれから話題になるであろうKindle作家にインタビューするKDP最前線。今夜はその第139回。
高校球児の最後の夏を描いた連作「ナイン・ストーリーズ」シリーズを執筆した晋太郎さんです。第3回の一斉無料キャンペーンで優勝した作家さんですね。
晋太郎さんには本作執筆のキッカケやオススメのポイントをなどを語っていただきました。さぁ、いったいどんなお話が聞けるのでしょうか。もちろん、本シリーズはAmazonKindleで無料で試読が可能です。

著者プロフィール

晋太郎(しんたろう) Twitter @shintarawl
80年代の東京都下に生まれ育った、音楽と映画をこよなく愛するゲイ男。青春偏愛のケがあり、ティーンを主人公とした作品をメインに執筆をしています。
著者ブログ:SLEEPING BAG http://shintarawl.hateblo.jp/

シリーズ最新刊『アフター・ナイン・ストーリーズ』

ニッショー野球部ナイン、最後の夏のその続き──。
『ナイン・ストーリーズ -球児九人夏物語-』のキャラクターたちのその後、 日常のささやかなヒトコマを切り取った愛らしいショートストーリー集!
価格:250円
評価:最初のレビューをお待ちしています
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Kindle作家インタビュー

――この作品を書いたキッカケを教えてください

かの有名なサリンジャーの名著『ナイン・ストーリーズ』を手に、「コレが高校球児9人(ナイン)の連作短編集だったらくだらなくていいっすねえ」と発言したところ、企画屋の知人に「それ、やりましょう!」と焚きつけられたのが最初のきっかけでした。もともと高校野球の大ファンだったこともあり、単なるジョークだったにもかかわらずうっかりその気に……。
また、"9人の主人公の中に1人だけゲイがいる"というバランスにすれば、いわゆるBL小説でもなければゲイ小説でもない、"王道の青春小説の中にゲイ「も」登場するよ"という間口の広い作品が書けるのではないかと考えたことも執筆に至った理由のひとつです。平凡なゲイ・ティーンがどんな風に学校や部活という小さなコミュニティに紛れているのか、そのあたりの実態がよりリアルに、より多面的に描けそうだなとも感じました。
続編が生まれた経緯については、「続きが読みたい!」とおっしゃってくださった一部の読者さん方の声にお応えしたようなかたちです。なので、続編にはリクエストに応じて書いたエピソードも数点含まれています。

――ナイン・ストーリーズシリーズに関して簡単に教えてください

本編は、地方大会の準決勝で敗退した都立高校の野球部ナイン、そのひとりひとりが「最後の夏」の終わりと向き合うという九つの連作短編です。それぞれの物語がときに交差しながら、ひとつの大きなエンディングに向かう構成になっています。
引退の瞬間からストーリーが始まる、やや捻くれたつくりということもあって、いわゆる運動部モノによくあるような熱血ノリは薄く、彼等のメンタリティやその機微を精彩に描いた作品となりました。個性豊かな憎めない球児を9人用意しましたので、1人でもお気に入りの球児を見つけていただけたら大変嬉しく思います。いかに球児どもを魅力的に書くかにはとことんこだわりました。
なお続編に関しては、お好きなキャラクターのわちゃわちゃっぷりで微笑ましい気分になっていただけたら!というカーテンコール的な軽い読みものになっていますので、お話としては本編単体できちんと完結しております。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

9人の主人公たちにしっかりと愛着を感じていただけるよう、連作短編としての丁寧な作り込みを第一に心がけました。
「高校野球の魅力」というよりは「高校球児の魅力」を描いた、個々のキャラクターに焦点を合わせた作品となっているため、イラストレーターさんに彼等のグラフィックをいただいたこともまた大きな売りになっているかと思います。
その流れで、じゃあせっかくだしプロフィール紹介を兼ねてイラストを使った選手名簿を作ろう、名簿を作るなら高校の校章もデザインしよう、作中に登場する校歌の譜面を作ってみよう、……と、自分にできる範疇で「作品の世界観を支えてくれるページ」を充実させていきました。続編の方には、作中に登場する場所のロケーションマップも収録しています。そういった熱量はやはり、本文にも色濃く滲み出ているんじゃないかなあと。

――作品を書くうえで悩んだところは?

僕はゲイのキャラクターが登場する作品を多く書いているものの、「読者をゲイに限定せず、一般の方々にも届けたい!」というスタンスなので、バランスにはいつも腐心します。
性的な描写もなく、先述の通り同性愛者のキャラは9人中ただ1人なのですが、彼のこともスッと受け入れてもらえるように、願わくば好きになっていただけるようにしたいなあと気を配りました。

――読者からの感想はありましたか?

twitterやメール、いくつかの書評サイトさんなど、様々なかたちでのご感想をたくさんいただきました。2万字弱の熱い長文メールが届いたときにはウルウルしつつ読んだ記憶があります。どんなご感想でもリアクションは嬉しいですし、最大のモチベーションになっています!

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

本編の実質的な執筆期間は3ヶ月ぐらいで、推敲に大半の時間を割いた感じです。続編は土壌ができあがっていたためスムーズでしたが、やはり推敲には時間を費やしました。

――今後もシリーズは継続していくのですか?

もともとは続編の予定もなかったぐらいなので正直自分でもわからないのですが、本作のキャラクターが脇役となって登場するスピンオフ小説や、小さな短編であればあり得るかなあと思っています。

――値段はどうやって決めましたか? また今後値段を変える予定はありますか?

KDPの小説価格の相場が安いため、値付けは非常に悩みましたが、熱心に読んで欲しいなと思うものほど敢えて高い価格に設定することにしています。『ナイン・ストーリーズ』は上下巻で500円と僕の作品の中では最も高いのですが、同時にダントツに売れた作品でもあるので、価格で作品の熱量をアピールするというのもひとつのテかもしれません。上下巻と分割するのも効果的だったのではと感じています(ただし、いずれも表紙イラストありきの判断ではありました)。
今後、値段を変更する予定はありませんが、12月20日・21日に開催されるきんどうさんの「オールタイムベスト小説100杯」にて、本編sideAの(初の)無料キャンペーンを行う予定です。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

iOS端末での実機チェックができないという一点のみが不安でした。本番アップされないことには検証ができないというのはちょっとどうなんでしょう……とビクビクしつつアップをし、問題なくいけることがすぐにわかりましたが、初めは緊張しましたね。
ともあれ、KDPのサポート対応はとても親切ですので、不明な点については問い合わせをすることをオススメします。

――無料キャンペーンを検討している方へ、こういう点は気をつけたほうがいいなどアドバイスをお願いします

DLの勢いを見るに、キャンペーンは2日、長くても3日が妥当なのかなと感じています。また、平日よりは週末の方がより多くの人の目に触れる気がしますね。

――無料キャンペーンの利用前と後で販売部数に変化は生まれましたか?

キャンペーン後は同作品がしばらく売れ続けるという傾向が見られました。キャンペーンをしていない他作品へも多少の導線は作られるようです。

――電子書籍についてどう思われますか?

紙で本を作っていた身からすると、驚くほどに便利です。文字量が多くてもコストが抑えられますし、
逆にボリュームが少なくても独立した作品として安価でのリリースができます。印刷部数に悩む必要もなく、思いのほか売れても在庫切れにはならない。制作も実はさほど難しくないので、本を出す上でのハードルがとても低くなったなと感じます。
電書配信をきっかけに僕を知ったという方も多く、また、以前から興味を持ってくださっていた方が「スマートフォンで読めるなら!」とご購入をされたりと、情報の伝播の大きさや、思い立ったときにDLをして即座に読めてしまうことの強みをヒシヒシと実感しているところです。
読み手としてはKindle PWに惚れ込んでまして、「バックパッカーをしていた学生時代にコレがあれば長期の旅がどれだけ充実しただろう……!」という思いでいっぱいですね。端末を手にしたときは素朴に感動しました。

――今後の予定について簡単に教えてください

ストックはほぼ出し尽くした感があるため、書きたいものが出てきたときに書くというマイペースなスタンスでやっていこうと思っています。
ということで、今のところKDPでのリリース予定は特にないのですが、昨年寄稿をした『IT'S OK!!』という十代のゲイに向けたチャリティ・アンソロジーがイタリアでも(紙の本として)販売されることになりまして、そこに僕の小説の翻訳版が掲載される予定です。売上げはイタリアのLGBT(*レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとった総称)を支援する団体に寄付されるとのことです。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

「ゲイが出てくるハナシはちょっとなあ……」というごくごくフツーの方でも、青春小説がお好きであれば楽しんでいただける内容になっているかと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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