昭和モダン萌えは寄ってらっしゃい見てらっしゃい「東京フラッパーガール」を執筆した杉浦絵里衣さんにインタビュー

1312092こんにちは、きんどるどうでしょうです。いま話題、もしくはこれから話題になるであろうKindle作家にインタビューするKDP最前線。今夜はその第136回。
昭和初期のモダンなガールを全力追求!「東京フラッパーガール」を執筆した杉浦絵里衣さんです。
杉浦さんには本作執筆のキッカケやオススメのポイントをなどを語っていただきました。さぁ、いったいどんなお話が聞けるのでしょうか。もちろん、本作はAmazonKindleで無料で試読が可能です。

著者プロフィール

杉浦絵里衣 (すぎうらえりい) Twitter @erii_magaki
大阪生まれ・大阪在住。主婦業のかたわら時短パートをしています。
長くオリジナル小説サイトを運営・公開していましたが、新たな読者層開拓のため一部の長編作品を自己出版化しました。
著者サイト『籬の花』:http://www.magaki.sakura.ne.jp/

東京フラッパーガール

昭和五年、東京。 伯爵令嬢・二宮環は自由な生活を夢見て家を飛び出し、女だてらに探偵事務所を開いているが、依頼といえば猫探しなどのつまらないものばかり。
帝都復興祭の開催に向けて沸き立っていたある日、カフェーの店長から「店の売上金を盗んで失踪した女給を探してほしい」と相談を受け、お目付役である書生の葛葉とともに調査に乗り出す。
やがて女給の行方をつかんだものの、手許にはすでに金はなかった。 彼女はなぜ金を盗んだのか? 大金はどこへ消えたのか? その背景には、誰もが予想できなかった陰謀が隠されていた──。
暗く不安な昭和初期の空気を、破天荒なお嬢さま探偵が豪快に吹き飛ばす、軽快エンタテイメント!
『東京フラッパーガール』シリーズ第1巻。
価格:250円 ★★★★★ 1件のレビュー
Amazon.co.jpで詳細を見る

Kindle作家インタビュー

――この作品を書いたキッカケを教えてください

もともと昭和初期の風俗や文化などに興味があり、特にモダンガールや職業婦人といった旧態に縛られない女性が大好きだったんです。それでいろいろな小説や映画を探したのですが、意外と女性が主人公の作品が少なかったので、ならば自分で書いてしまおう!と思い立ったのがきっかけです。
昭和初期というと、一般的には太平洋戦争の暗い印象が付きまといがちです。しかし調べてみると、昭和でも十年代前半までは戦争の影は大衆の間にはなく、現代とそう変わらない毎日を過ごしていました。
ですが実際は、着実に戦争へのカウントダウンは始まっています。満州事変や陸・海軍内部の不穏な動きが積み重なり、やがて日中戦争から欧米諸国を敵に回した太平洋戦争へと、否応なしに時代は流れていきます。
表通りは華やかな昭和モダン文化が咲き誇るが、その裏では冷たい影が忍び寄っている──そんな危ういバランスで成り立っていた昭和初期という一時代を、小説という形でお届けできれば、という思いから、今作を書きはじめました。
とか偉そうに語ってみましたが、やっぱり第一は昭和モダン萌えですね。断髪!洋装!銀ブラに映画にダンスホール!もっと昭和モダンが再注目されてもいいと思うんです!ぜひみんなで盛り上げましょう!

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

上でも述べていますが、昭和初期のアイコンをできるだけ詰め込んで、当時の雰囲気を出せるよう工夫しました。
たとえば電話をかけるシーンでは電話室を描写したり、カフェーの女給という当時ならでは職業を出してみたり。文体はさほど意識はしませんでしたが、ところどころ「一番」を「一等」などと表現してみたり、あえて当時の貨幣価値をそのまま使用したりと、レトロ感が出るようにしました。
そして、舞台とは別に作品そのものはテンポよく進むよう心がけましたとくに序盤の女給探しから、天下を揺るがす大事件へと繋がる一連の流れは、プロットを綿密に練り上げました。
あとは、主人公である環のじゃじゃ馬っぷりですね。芯が強くて情にもろいツンデレ女子が好きではありますが、ちょっと彼女はやりすぎました(笑)。ついでに相棒の葛葉の堅物ぶりでしょうか。
これまでチャラ男とか無愛想男とかばっかり書いていて、融通の利かない堅物男は初めてだったんですが、主に女性読者から好評を得た印象です。眼鏡と書生服込みで(笑)。控えめですがロマンス要素もありますので、そっち方面も楽しんでいただければ幸いです。

――作品を書くうえで悩んだところは?

今まであまりプロットを作り込まず、なんとなく書きたい場面だけを書き連ねる「行き当たりばったり」な作風だったのですが、KDP化するにあたり「読者を飽きさせない見せ場を増やす」よう加筆改稿しました。これまでが「だらだらしたヨーロッパ映画」だとすれば、今作は「スピード感のあるハリウッド映画」という感じでしょうか
やはり有料で発行するのですから、中途半端な作品は提供できません。正直ハリウッド映画的作風は苦手分野なのですが、周囲の方の助言をいただきつつ、何とかストーリーにメリハリが付くよう頑張ってみました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

2年前に第一版を上げたのですが、その当時で約一ヶ月かかりました。今回のKDP化に際して大幅な改稿を加えました。こちらも約一ヶ月かかったので、合計約二ヶ月です。一週間のうち執筆にあてられるのは平日の数時間しかないので、少しずつ書き進めました。
表紙はイラストレーターの宗像久嗣氏に全面的にお願いしましたが、そちらの方は全行程が一週間ほどで終了しました。あれだけのクオリティの装丁をたった一週間で仕上げてしまうとは……。遅筆な自分からすると魔法のようです。

――どうしてこのタイトルにしたのですか?

タイトルは毎回頭を悩ませるのですが、今作はとくに手こずりました。そんなとき知り合いから「マインドマップを使うといいよ」とアドバイスを受け、とにかく作品に関するキーワードを片っ端から出していき、その中から適当に組み合わせたのが『東京フラッパーガール』です。
最初は違和感がありましたが、今はこれでよかったと思います。キャッチーな表紙絵ともマッチできましたし。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

勢いで思い立ったはいいものの、知識ゼロからはじめたので、なにもかもが手探り状態でした。
最初はネット上の無料サービスやフリーソフトなどを利用しましたが、スキルが足りないため細かい調整がうまくいかず、結局有料ソフトを購入しまし た。あとは皆さんおっしゃっていますが、EINの申請ですね。英語がからっきしダメなので、書類を作成するときも先方から到着したときも、間違いが無いのか常に不安が残りました。今でも書類の中身を全部解読できていません(笑)。

――小説を書くときのこだわりってありますか

気分を盛り上げるために、執筆中は作品のテイストにあったBGMを流します。ただし、日本語の歌詞はダイレクトに頭に入ってきて邪魔になるので、もっぱら歌なしか外国語の曲ばかりです。
今作では昭和初期の気分に浸るため、1930〜40年代に流行したスゥイングジャズを流していました。『イン・ザ・ムード』とか、当時の浮かれた感じが出てていいですよ!ちなみに、今後刊行予定の刑事ものは落ち着いたR&B、ヴィクトリア朝を舞台にしたミステリーは賛美歌やクラシックを主に聴いていました。

――杉浦さんは「小説家になろう」にこれまで投稿されていたそうですが、KDPとの違いを簡単に教えて下さい。

まずは読者の立場からすると、有料か無料か、というのが一番大きな違いですが、読む環境がまったく違うのも特徴です。
小説家になろう」(以下「なろう」)はパソコンですぐに読めるという点が、読者の敷居を低くしていると思います。Kindleだといったんスマホなりタブレットなりにダウンロードするという手間がかかりますが、「なろう」だと思い立ったらhtmlですぐ読めます。この「手間の差」はやはり大きいですね。
おそらく普段「なろう」で小説を読んでおられる方の中には、専用端末がないとKindle本が読めない、と敬遠している層が少なからずいると思います。この「手間の差」は、Kindle for PCが日本でも運用開始されれば解消されるでしょうが、まだ無理みたいですね。
次に作者の立場からすると、「なろう」はとにかく投稿が簡単です。私はいったんローカルで完結させた後、少しずつ投稿していく口ですが、多くの方はその場で続きを書いてすぐに投稿されます(多分)。
キーボードで文章を打ち込んで「投稿ボタン」を押せば、すぐに小説としての形式が整う。しかもhtmlのデザインはあらかじめ決められているので、特別な知識は不要。ブログを更新するように、小説を投稿する。これは大きな強みだと思います。それに比べてKDPは、作者がファイル化も装丁もすべてやらねばなりません。執筆だけに集中は出来ないのです。
こう書くと「なろう」の方が楽だしいいじゃん、と思われそうですが、もちろんそんなことはないです。
まず「なろう」は「なろう」の中だけで読者が行き来します。別の小説SNSもありますし、個人サイトで公開されている方も多いですが(私も自サイトを持っています)、やはり「なろう」はその中だけで満足し てしまうだけの作品数を誇るため、どうしても新しい嗜好を持つ読者が入りにくくなります。
また「なろう」には主流になっているジャンルがあり、そこから外れるとなかなか読者の目には止まりにくいという欠点もあります。私の作品も「なろう」では傍流にあたるジャンルだったので、そこが悩みどころでした。
それに、KDPには「自分でデザインする」という楽しみがあります。すべて自分でやるという大変さはありますが、それらをやり遂げた後は「自分の本」という愛着が沸きます。
紙の本のように用紙やフォントにこだわることは出来ませんが、挿絵の配置や効果的なルビの振り方、プロっぽい奥付の書き方など(笑)、表現方法はいくらでもあります。
個人的には、KDPと「なろう」は上手に使い分ければ良いのでは、と思います。同じ作品を同時に掲載することは、金銭も絡みますし規約上難しいですが、作品ごとに発表する場を変えるのも一つの手だと考えています。今後は「なろう」出身の作家さんも多く出られるでしょうし、私もそういう方の作品を読めるのを楽しみにしています。

――無料キャンペーンを検討している方へ、こういう点は気をつけたほうがいいなどアドバイスをお願いします

無料キャンペーンは、名前を知ってもらう絶好のチャンスだと思います。実際、きんどるどうでしょう様で紹介していただいたおかげで、予想以上にダウンロードしていただきました。ありがとうございます!
ただ期間に関して言うと、私はまったくの新参者で今回が初出版だったので最長の5日間に設定しましたが、最後の方はダウンロード数があまり伸びないので、すでに何冊か出していて下地のある方は2〜3日で十分だと感じました。

――今後の予定について簡単に教えてください

上記のBGMでもちらっと触れていますが、2013年12月に女刑事が主人公の『R.I.P. 〜rest in peace〜』を発行、シリーズ化する予定です。硬派な刑事ドラマや警察小説は数あれど、恋愛描写を含む作品はあまりないので、またもや自分で書いてしまいました。
できるだけ刑事パートと恋愛パートのバランスを良くするよう心がけましたが、どちらかというと女性向けなので、女刑事萌え(+ツンデレ男萌え)の皆様はよろしければぜひ。
年が明けた1月には『東京フラッパーガール』の続編、『上海オールドボーイ』も発行します。タイトルからしてすでに出オチ気味ですが(笑)、これで完結なのでよろしくお願いいたします。そのあとは、ヴィクトリア朝を舞台にしたミステリー『倫敦の悪魔』も発行予定です。
いずれもサンプルを公式サイトに用意していますので、興味を持たれた方はいらしてください。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

まだまだ若輩者ですが、今後とも読者の方に楽しんでもらえる作品作りを心がけたいと考えております。お付き合いいただき、ありがとうございました。

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