カリスマ作家になりたい貴方に伝えたい「感謝力」の使いどころ

1308031こくぼしんじです。いよいよ最終章であるステップ4『感謝』に入ります。
「感謝の重要性」なんて、今さら言われなくても分かってるっ!……と思われるかも知れませんね。ところが実は、ブランドやカリスマを目指すほとんどの人がこの『感謝』のステップで重大なミスをし、より伸ばせるはずのブランドやカリスマ性をみすみす瓦解、ないしは停滞させてしまっています。ある時は目先の利害を追って。またある時は、誠実すぎるばかりに。
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そこで贈りたいのが精神論ではない、冷徹怜悧なテクニックとしての「感謝」の話。よろしければぜひ。では行ってみましょうか!
これまでのあなたも神になれるはこちらから

「『おみこし理論』をあなたに発動させる4ステップ」これまでのおさらい

さて、『あな神』もついに最終章(残すところあと1回)なので、まずはこれまでの流れを簡単におさらいさせてください。

STEP01 定義のステップ

自分がどんな人なのか、あるいはどんな商品やサービスを発信するかを決める。
・これから集めたい仲間やフォロワーにとってもメリットがある内容であること。
・なおかつ、自分を偽ることなく「素」で続けられる内容であること。

重要なのは主にこの2点でした。

STEP02 認知のステップ

とりあえずはアピールしまくり、ウザがられながらも最初の理解者を集めるステップ。
・目立つあなたを見て「ウザい」ではなく「頑張ってる」と思ってくれる人を仲間にする。
・仲間同士の持ち回りでもいいので、あなたが「おみこし」の上に乗っている形を作る。その姿を見て、外側にいる人々は初めてあなたを「スゴイ人かも」と認知する。

STEP03 継続(断行)のステップ

最初に決めたキャラや決め事を継続、ないしはリスクを負ってでも貫くこと。
・継続的な情報発信なくして、ファンの記憶に残り続けることはできない。
・常人離れした実績や生き様で、周囲に「勝てない」と思わせることも必要。
……と、これだけでも良いように見えるのですが、神やカリスマ、そしてブランドという存在には最後の使命がひとつ残っています。
  ↓
応援して下さっている仲間やファンに対する「感謝」です。
「仲間やファンのおかげで今の自分がある」。もっと言うなら「自分だけでは成し遂げられなかった」。そうした大きな感謝を、折に触れてキチンと言葉で伝えることにより、おみこしの上に乗ったあなたはさらに応援され、より大きな影響力を獲得できます。

感謝には「やり方」がある

「感謝すること」の大切さは、さまざまな分野で大成した人が必ず口を揃えることです。お客さまへの感謝。生まれたコトへの感謝。食べ物への感謝。神への感謝。まあいろいろあるんじゃないでしょうか。
しかし本当に大事なのは、「のべつくまなし、誰にでも感謝のポーズを見せりゃいい」というワケでもないってコトです。
とにかく誰にでも感謝しまくった人がカリスマや神になるというなら、渋谷や新宿の繁盛店で毎日沢山の人を相手に接客しているバイト店員さんたちは、みんな日本を代表するカリスマになれてしかるべきです。でも……
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一言でいうと、偉い人が日頃から感謝の発言を繰り返すのは単純に「方便」です。
ただし、誤解してはいけないんですけど、彼らは別に人を騙そうといった悪気があって方便を使っているワケではありません。偉い人の場合、ホンの何気ない一言であっても、他者への攻撃性を口にしたときの影響力がデカすぎて必要以上の波紋を生んでしまうため、迂闊なコトが言えないという事情があります。
たとえば天皇陛下が誰かの態度にいたくご立腹されたとして、その相手に「日本から出て行き給え」なんて仰せられたら大変ですよね? 冗談でもそれは言えないワケです、立場上。
よって偉い人ほど、細かいコトで怒りや悪感情をあらわにせず、常に笑顔を絶やさず「感謝します」「勉強になります」と方便を並べて乗り切るというのが、世渡り上の合理的選択になってしまいます。

ただし、偉くなる前は使い分けが必要

こういった「すべてに感謝」ってのは、どうしてもしたけりゃそれこそ偉くなった後にすりゃよくて。むしろ偉くなる前にこんな態度をとっていると、あなた自身の志向性が見えなくなります。
仲間に対しても敵に対しても同じように丁寧な態度を取っていると、その様子は立派な人というよりむしろ「常に仮面を被って本音を見せないようにしている人」、あるいは「肚の底で何を考えているか分からない人」といった感じで受け取られやすいワケです。
よって、これから偉くなろうという人、あるいはブランド性を高めていこうという人は、感謝すべき相手とそうでない相手を明確な基準で選り分けた方が「得」です。

感謝の使用機会を「絞り込む」ことの重要性

『おみこし理論』をベースにしたブランディング戦略において、感謝の言葉というのはタダで使える最強の武器です。何せ、実質的な代価を払わずに相手を喜ばせるコトができるんですから。しかも時と場合によっては、モノや金以上の効果を発揮する優れモノ。
実際、猿回しの猿だって「感謝」などという形もない餌を目当てに芸などしないんですが、知的動物である人間だけはなぜか、そんな形のないモンを報酬と感じ、全力を出せてしまいます。感謝されている、あるいは必要とされていると思えれば、たとえ無報酬であっても尽くせてしまうのが人間です。
※この点を悪用しているのが、やりがいや社会的意義で若者を釣って対価の低い重労働を強いる「やりがい搾取」や「ボランティア詐欺」ですね。
それだけに、贈る相手とタイミングは慎重に選ばなくてはいけません。しつこいですけど「感謝の言葉」はタダ。そしてタダであるがゆえに、感謝の言葉をシューティングゲームの連射モードみたいに無尽蔵に撃ちまくっていると、どうなるか。感謝の言葉がいわばインフレ化してしまい、言葉の持つ誠意や重みは失われてしまうワケです。
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では、実際に「感謝」を向けるべき相手は誰で、感謝しなくていい相手は誰なのか。ブランディングにおいて有効か否かという視点から、冷徹に絞り込みましょう。

感謝すべき相手、感謝すべきでない相手を「区別」しよう

1)味方(家族、友達、恋人、利害を同じくする仕事仲間など)
2)敵(あなたを訝しむ者。あるいは叩こう、潰そうという気持ちで来る者)
3)第三者(無関係な人、直接的なつながりがない人)
『あな神』で想定する、人間関係の主要なアクターは大体こんなところ。そしてこの3者に対する感謝の必要性は、以下のような感じです。
  ↓  ↓  ↓
1)味方………常に感謝すべし。
2)敵…………味方へ転向させる見込みがあるなら感謝すべし。でなければ無視。
3)第三者……感謝してはいけない。関心の送り過ぎすらもタブー。

感謝のステップで起こりやすいミス・その1

各論に入る前にぶっちゃけ話を書いてしまうと、感謝のステップでいちばん起こりやすいミスは、「3)に感謝やアピールを贈りすぎて1)を疎かにする」というケースです。
コレだけじゃピンと来ないと思うので、具体的な例を出しましょう。中小企業の経営者さんなんかだと、こういう感じのミスになります。
  ↓  ↓  ↓
「外部の専門家や社長仲間との交流ばかり重視して、意見もそうした人たちの話ばかりを聞く。本来はいちばんの味方であるはずの従業員を顧みないどころか、ウチの連中はみんな使えなくてねえ……なんて愚痴ばかり垂れ流す」
3)ばかり重視して1)を疎かにする……よくある話ですよね?

もちろん、作家や芸能人の場合にも同様のミスはあります。最も多いのが、自分を応援してくれているファンの存在を忘れて、メディア関係者や自分と同じような有名人との付き合いばかり大事にしてしまうとか。
コレ、特に有名人のTwitterアカウントなんか見ると如実です。フォロワー(ファン)数万人に対し、フォローはごく限られた身内だけ、とかね。
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例を出すならこういう状態(特定の人を貶める意図はなく、単なる例です)。
本当は、その無数のファンに有名人の方から「フォロー返し」をしてあげるだけで、ファンがどれほど狂喜乱舞するかって話なんです
たかがボタン1回押してファンをフォローしただけで、相手はそれに感激し、ともすれば一生ファンでいることを誓うかも知れないのに。感激のあまり「あの有名な○○サンが私をフォローしてくれた!」と学校や職場で自慢し、さらにファン層を拡大してくれるかも知れないのに。タレントや有名選手としての「旬」を過ぎ、メディアからも距離を置くようになったあと、そうやって育てた「熱いファン」がどれだけ助けてくれるか分からないのに……。
オレが知る限り、Twitterでファン1人1人を丁寧にフォローする有名人というのは、元ハドソンの高橋名人をはじめとして、ほんの数人だけ。本当に勿体無いと思います。

感謝のステップで起こりやすいミス・その2

もう1つ、起こりやすいのが「敵にまで感謝しすぎた結果、丁寧さがむしろ媚びになってしまい、卑屈な人や慇懃無礼な人に見えてしまう」というミス。
こっちは上と逆に、謙虚で真面目で良心的な人ほど陥りやすく……言ってしまえば、多くのKDP作家さんも「やってしまいがち」なミスです。
具体的な例を言うなら、作品に対する揚げ足取りやクレーム、罵倒の類に対する、過度に丁寧かつ謙虚な応対です。
オレの記事にも何度かありましたけど……誤字脱字の指摘とか、言葉の誤用の指摘とか、そんなモンは心の中でだけ「(無償奉仕で)わざわざアリガトさーん」と思いつつ、粛々と直しゃいいんです。わざわざ感謝まで付けてやる必要はないというか。
とまあ、こういう言い方には異論があるかも知れませんね。でも、あえてこういった相手に感謝なんか贈らなくていいと断言するのは、下記のような理由です。
  ↓  ↓  ↓
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つまり、クレイマーや批判屋のくだらない自己アピールにあなたが感謝で応えたって、何も出ませんよ、と(笑)。
特に多くのKDP作家さんの場合、昼間は普通に働きつつ、アフター5や休日だけで執筆から販売、その後の顧客対応まですべてを行わなくてはいけないですよね。なのに、ストレス以外に何も生まないクレイマー対応やネットストーカー対応なんかで、限られた執筆リソースを浪費してる場合じゃないでしょ……って話。
ブランディング云々だけでなく、書き続けるのに必要なモチベーションの低下を防ぐという意味からも「自分に向けられた無責任な悪意にいちいち付き合わないコト」はとても重要なんです。
とはいえ、もし誤字脱字の指摘や作品に対する厳し目の感想などが「個別に」届いたのであれば……その時は、あなたの体面を慮ってくれた相手の善意と厚意に感謝しましょう。この場合は内容がたとえ厳しい指摘やクレームであっても、誠実に対応するべきです。

「見当違いの感謝」こそが一番キケン

上で書いたように、感謝の贈り方1つであなたのブランディングの成果は大きく変わります。まあ、すべての成果を自分の手柄に帰結させ、誰にも感謝しないなんてのは論外。そこは誰でも分かってらっしゃるかと思うので、いちいちお説教じみたコトは言いませんけど。
でも、実はそうした「感謝しない」コトよりも、「感謝のしすぎ」や「方向ハズレの感謝」の方がブランディングにおいては危険だったりします。本人がもっぱら一般的な社会的通念やビジネス戦略に従って"上手くやっている"つもりでいる分、すぐにはミスに気付けない……そういう意味で危険なんです。
社会的通念やビジネスマナーというのは、あくまで人間関係に余計な波風を立てないために存在するのであって、必ずしもあなたの価値を高めるために存在するルールではありませんから。
なので、この先は『あな神』らしく、あなたや、あなたが提供する製品やサービスの価値を高めるという目的に特化した「感謝のテクニック」について詳しく語ります。
とはいえ、ちょっと長くなってしまったので、感謝の贈り方をめぐる各項目の解説については次回とさせてください。
ではまた!

この記事を書いた人

本名:小久保真司(こくぼしんじ)
1974.10.12.うまれ。
東京都台東区の山谷地区出身。慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、専門学校や声優養成所の事務員として働きながら漫画原作者に師事し、シナリオライターに。コンビニ向けのペーパーバック漫画やゲームのシナリオライターとして活動する。現在は通常のライター業も請けつつ、KDPでオリジナル作品を発表中。他に、自分と同じKDP作家を支援する活動も行なっています。
→『きんぷれ!』(http://kin-pre.com
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