KDP著者として注目を集めるための3つの定義付け。あなたは弱小であっても無名ではないんですっ

1306153こくぼしんじです。
さて、前回(というか初回)の記事では、あなたも神になれるというおビョーキなタイトルのもと、『おみこし理論をリアル世界に発動させる4ステップ』というモノを紹介し、大風呂敷を広げました。
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(1)定義のステップ……注目されるために必要な目標や理念の設定
(2)認知のステップ……最初の支持者を獲得するまでのアピール
(3)継続(断行)のステップ……支持者の支援を受けつつ目標へ邁進
(4)感謝のステップ……支持者に感謝し、活動のスケールを拡大
さっそく(1)から順番に説明しましょう。
そのためにまずは、あなた自身の定義付けが必要です。有名なブロガーや、人気Twitterユーザーでなくても、著者として本をリリースした段階で多かれ少なかれ著者にはブランドが付与されます。その時、どういう戦略を立てていくか。そのために大事な3つの定義付けについて今回説明します。では行ってみましょう!
>>これまでの「あな神」はこちら

キャラ論でたどり着いた「ブランド」や「カリスマ」の正しい意味

さて、あなた自身の定義付けをする前に、実は本連載で扱う重要語句についても、先に定義しておかなきゃいけないんですが……。中でも今後頻出する「ブランド」だの「カリスマ」って言葉の意味。Wikipediaや辞書で調べると、こんなに難しい言葉なんですね(苦笑)。

ブランド

ブランド(英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。
引用:Wikipedhia-ブランド

カリスマ

"the powerful personal quality that some people have to attract and impress other people"(一部の人々が持つ、他の人々を引きつけ感銘を与える強力な個人の性質)
(オックスフォード大学出版「Oxford Advanced Learner's Dictionary」より引用)

……ってコトらしいんですけど。過去に『それゆけ!ライターズ』で展開してきたキャラ論の観点から説明すると、これらの言葉が持つ意味はもっとシンプルです。
ブランド……名前と明確なポリシー、イメージを持った、すべての商品やサービス。
カリスマ……名前と明確なポリシー、イメージを持った、すべての人物。

これだけ。ブランドやカリスマという言葉に本来、これ以上の意味はアリマセン。
おそらく、皆さんが考えている「ブランド」「カリスマ」とは、捉え方が少し違うんじゃないでしょうか。
「ブランドってのは、広く認知されてる、価値ある存在のことじゃないの?」
「カリスマって、チョーーーー魅力的な人のことじゃないの?」
って感じで。
よって、あらかじめ補足したかったのです。

【重要】ブランドやカリスマ性は本来、誰にでも備わっている

よく皆さん、ブランドやカリスマ性といった概念を「ある/なし」で語っちゃうんですけど……まず、そこが大きな間違いなんです。
ブランドやカリスマ性には、その影響力や知名度、浸透度によって強弱がもちろんあります。仮に、野球の王さんとオレなんか比べた日には、天と地どころか、例に出すのも失礼なほど、ネームバリューに差があるワケで(笑)。
『機動戦士ガンダム』で言うなら、ビグザムとボールぐらい違う。はい、己の器はよーーーく認識してます。
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しかしながら、ブランドやカリスマというのは、デジタル的に「ある/なし」で語る概念ではありません。
たとえばあなたがKDP作家だとして、自分のことをいわゆる「無名の作家」だと考えているなら、それは大きな間違い。名前はあるじゃんって話で。親に付けてもらった本名なり、自分で決めたペンネームなりが。
ただ、その名前の持つブランド力や、あなたの発しているカリスマ性が大きいか小さいか、強いか弱いかってだけの問題です。
弱小の作家ではあっても、無名の作家ではないってコト。
これは作家に限らず、企業や商品、サービスでも一緒。無名であることを言い訳に、己の存在を「無」だの「無価値」だのとカテゴライズしてしまうと、ブランディングって始まらないんです。
そういう意味では、まず匿名を捨てることが、ブランディングのスタートになります(※)。
※ただし、上記は全読者に「匿名を捨てよう!」と訴える趣旨の発言ではありません。あなたがブランディングや知名度アップを目指していない場合、今日びのネット社会で匿名性を捨てるメリットはむしろ皆無に近いと思っています。

なぜ、匿名を捨てないとブランディングは始まらない?

理由はシンプルに2つです。
(1)匿名だと覚えてもらえないから。
人間が他者を覚えるには、名前を付けることがほぼ不可欠です。たとえば、道で美人さんとすれ違ったとして、あなたは何年経っても、その人の顔や姿を覚えていられますか?
おそらく無理でしょう。
もし、仮に覚えているというなら、それは「広末涼子似」でも何でも、既存の美人さんの顔や名前と紐付けているからではないでしょうか。要するにそれぐらい、人に記憶されるためには「名前」を公開しておくコトが重要なんです。
覚えてもらえなければ、継続的に応援されることも、後で思い出されることもありません。

(2)匿名だと、ファンや支持者との間に信頼関係が築けないから。
ブランドやカリスマを育てる上で欠かせないのが、ファンやフォロワーとの「信頼関係」。要は、応援してくれる人たちに対する責任感、使命感の類です。自分を無名だのどうでもいい存在だのと思っていたら、いつまでもそういう意識が育ちませんよね。
名前や連絡先が非公開だから、いつでも逃げられる。誰とも約束事を交わしてないから、ルール変更も常に自由で無責任……そんなスタンスで人様から支持されようなどと考えるのは、詐欺に近いと言えるでしょう。
『自分には存在価値がある! 生まれてきた意味があるはずだ!』ってほど、自我を肥大化させる必要はありません。それはただの「意識高い系」。
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ともあれ、小さくても、自分はここにいる。小さいけど、価値は「ゼロではない」……と思っておくコトは、ブランディングを始める上で非常に大事です。

ステップ1. 定義のステップ

さて、前置きが長くなりましたけど、そろそろ本題へ。
今から始まる「定義のステップ」では、あなた自身、あるいはブランディングしたい対象を「こういう存在だよ!」と、自分の意志で決めていきます。
みんなに褒められたりネタにされたり、知名度を上げていったりというのは、まだ先の話。正体や理念が定まってもいない存在を、他人が評価したり応援したりはできませんから。
また、世の中には「不言実行タイプ」の人たちもいます。彼らにしてみれば、自分がどう見えるかなんて、周囲が勝手に決めることだという考え方もあるでしょう。それはそれで間違っていません。
ただし、自己がどう見えるかというイメージ作りを完全に周囲に任せてしまうと、あとで思い通りになっていない場合に、何の対策も打てません。
たとえば、周囲から意味もなく「バイキン野郎」、あるいは「生きてる価値もない存在」などとレッテルを貼られた場合でも、あなたはそのイメージを甘受するんですか? と。
ブランディングというのは何も、偉くなって名声集めるぜ―!だの、カネ集めるぜー!だのという目的のためだけに行うモノではありません。
ブランディングのノウハウというのは、身近な少数の仲間(家族や友人など)からもっと信頼されるために使ってもいいし、周囲から貼られたマイナスイメージをぶち壊して再構築するために使ってもいいんです。むしろそういう目的に使ってもらえる方が、話すオレとしても嬉しいってのが正直なトコロ。
まあ、そんな感じで納得して下さった方は、以下を読み進めてください。

さあ、何を決める?

ここで決めるべきは、先ほど紹介した「ブランド」や「カリスマ」の定義に書かれた項目です。
つまり、
・名前
・明確なポリシー(理念や目標、守るべきルール、商品やサービスなら価格も)
・イメージ(傍からどう見えたいか?)
この3つ。これらの項目が「応援されるに値する内容」であった場合、結構すんなりと、最初のファンや支持者を掴めます。
おそらく、ここから始まる項目には、具体例があった方がいいかも知れませんね。

ブランディング「定義」の具体例――KDPプレビューサイト『きんぷれ!』の場合。

手前味噌でかなり恐縮なんですが、ここでは、私こくぼが最近こしらえているサイト『きんぷれ!』を実際にブランディングしていく過程を、例にしてみます。
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……と、非難したくなる気持ちも分からなくはないですし、実際の有名人や成功パターンを例に説明する方が、こっちもカンタンなんですけど……。それだと「ただの結果論じゃん!」と言われたときに、何も反論できませんから。
よって、まだ結果が出ていないモノを実際にブランディングして、結果に育てていく過程を見せるのが、やり方としていちばん納得できるんじゃないかなあと。
さあ、そんなワケで……以下、こくぼが決めた『きんぷれ!』についての具体的な設定です。

Myサイト『きんぷれ!』にブランディングの「定義」を当てはめた場合

【サイト名】きんぷれ!
名称の由来は「Kindleプレビュー」の略です。
心なしか本サイト「きんどるどうでしょう」さんに似ているコトだけが気がかりでしたが(笑)、KDP関係者なら一発で覚えて忘れない名前(※)だろうと思って決めました。
※「(読者が)一発で覚えて忘れないかどうか?」というのは、物語で名ゼリフを考える際にも気をつけるべき要素です。

【ポリシー】
・既刊のKindle本の一部(30%~70%)を無料公開して、読者が充分に納得の上で購入できることを目指す、KDPレビューサイトならぬ「プレビューサイト」
・面白い作品は宣伝に凝らなくても中身さえ見せれば売れるという信念のもと、応募作品を厳選。具体的には「面白いと判断した作品しか掲載しない」
・良質な作品を書いている"ブレイク前の"KDP作家さんを発掘し、ブレイクを応援する
……コレだけ言うと、ちょっとカッコ良さげですけど。
実際には、本連載『あな神』が終わるとこくぼ自身、媒体露出の場を失うので、そのリスクヘッジとして「潜在顧客が集まる場所を確保しておきたい」という目論見です(笑)。
ちなみに、ここでは本来言わなくてもいい思惑まで堂々と言ってますが、実は「敢えて」です。今はネットが発達しているため、キレイ事だけ並べてもその通りには納得してもらえません。頭の良い人たちによって、すぐに裏の思惑など暴露されてしまいますし、名前でググれば過去に何をやってきたかという履歴も一発でバレます。
よって、ポリシーを定める段階で裏の思惑まで含めて堂々と明らかにし、その上で「最終判断はお客さまに任せる」やり方を選ぶ方が合理的なのです。
ここは、歴史ある大企業などが行なってきた、過去のブランディング事例と明確に違います。21世紀のブランディングは、もはや自分や自社サービスの欠点や弱点を隠しきれないという前提で行わなくてはいけません
あんまりビジネスの話をしたくないですけど、たとえば自分が長く関わっているスクール業界など、商品やサービスの単価が高額かつ、評判で売れ行きが左右される業界ほど、弱点を隠しきれないという傾向は強くなります。電書も単価こそ安いものの、評判が売れ行きを左右する傾向は強いので同様かと。

【イメージ】
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まあ、こんな感じで、素人丸出しのサイトです。今のところは。
ちなみに、サイトへのリンクですが、故意に張りません。そもそも人様のサイトで自分のサイトの宣伝するなんてかなり失礼ですし。また『きんぷれ!』にとっても今のところ必要なのは、サイトタイトルで検索して訪問して下さるぐらい、強い興味を持って下さる方だけ(※)です。
※この辺りの「露出具合の管理」というのは、正確に言うとステップ2「認知」の際に必要な考え方なんですが、いま説明してもややこしくなるので、説明は後の連載に送ります。

「定義」の際のポイント

定義するポイントは上述した3つ(名前、ポリシー、イメージ)ですので、ポイントも同じく3つになります。順番に解説しましょう。

名前の決め方

これは企業名やサービス名、本なら作品のタイトルなど、あらゆる世界であらゆる人達が語っているコトなんですけど……マンガの世界で育ったオレの場合、ネーミングの際に考慮するポイントはたった1つ。
「1度聞いた(見た)だけで覚えられるか、そして忘れないか」
コレだけです。
まあホントは、伝えたいイメージとの相関関係とか、いろいろあるんですけどね。カッコ良さで世界に挑もうという趣旨のファッションブランド名に、いくら覚えやすくたって「田吾作」とか名付けるワケにはいかないとか(笑)。

ポリシーの決め方

ブランディングに失敗する場合、原因となるポイントはだいたい決まっていて、中でも最も失敗しやすいのが、この「ポリシー」です。
ポリシーを考える際に気をつけるべきいちばんのポイントは、
「応援してくれる仲間や顧客にとってもメリットのあるポリシーかどうか」
カンタンな例を出しましょう。
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どっちが、応援されやすいでしょう? 当たり前ですけど、多くの人に応援されやすいのはBちゃんです。なぜならBちゃんの夢には、応援して乗っかったフォロワーにもメリットがあるから。
どうせ夢を語るなら、自分だけでなく、自分以外の人間まで利するほどの、大きな夢を掲げるべし! ということ。
『それゆけ!ライターズ』の18回、猪木算の項目でもほぼ同じコトを語っているのですが、猪木は完全にこのツボ(応援される夢の設定方法)をよくよくわきまえていて、だからこそ彼は夢を語るたび、多くの人間を巻き込みます。

イメージの決め方

イメージという言葉の通り、視覚的分野というか非言語分野なので、ここを言葉で説明するのはなかなか難しいんですけど……(笑)。あえて言葉で説明するなら、名前やポリシーを決めたあと、お客さまや支持者にどういうイメージで見られたいか、という部分です。
なので『きんぷれ!』の場合は、こうなります。
対 著者さん的には
「ここで掲載されればオレも一人前だな!」という自信が持てるようなサイト。
対 読者さん的には
「ここに来れば、面白い作品に出会える!」という安心感を持ってもらえるサイト。
ここで重要なのは、先に決めたポリシーとイメージの間に、辻褄が合っているかどうかです。
ポリシーを貫いた結果として、ちゃんとたどり着けるイメージになっているか。その辻褄が合っていないと、結局は途中で(正確にはステップ3「継続(断行)」の段階で)ポリシーから変更せざるを得なくなり、その右往左往ぶりが、フォロワーを幻滅させてしまいます。

……と、ここまでで紹介したのが、まあ定義のステップにおける『表の戦略』です。基本、上述した内容は、人の役に立つだけのスキルを何か持っていないと難しい内容でもありますから。
で、表という以上、『裏』ももちろんあって。
たとえばあなたが、神だのカリスマだと呼ばれるような要素や可能性を何も持ってない!(と思っている)場合に、一体どこから、何から始めればいいのか?
なので次回は、そんな『裏のやり方』をお話します。

この記事を書いた人

本名:小久保真司(こくぼしんじ)
1974.10.12.うまれ。
東京都台東区の山谷地区出身。慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、専門学校や声優養成所の事務員として働きながら漫画原作者に師事し、シナリオライターに。コンビニ向けのペーパーバック漫画やゲームのシナリオライターとして活動する。現在は通常のライター業も請けつつ、KDPでオリジナル作品を発表中。他に、自分と同じKDP作家を支援する活動も行なっています。→『きんぷれ!』(http://kin-pre.com
Kindle本「DISTANCE (がんばれ!アクターズ戯曲シリーズ)」好評発売中

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