「百点山から来た手紙」大西ケンジさんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第33回は、「百点山から来た手紙」を執筆した”大西ケンジ”さんのインタビューを掲載します。

Kindle児童書百点山から来た手紙

大西ケンジ「百点山から来た手紙」

「問答猫をやっつけろ!」神さまのお絵描きから生まれたフロキシ草原で繰り広げられる、フロマンジュとランタンのうさぎの兄弟の大冒険。でも問答勝負に負けたら、恐ろしい魚熱になっちゃうぞ。
銀河パトロール隊や謎の預言者が入り乱れ、抱腹絶倒の物語は、やがて空と陸からの大追跡へと展開していく。はたして、ランタンの買い食いはどこまで続くのか!?少年探偵フロマンジュの推理が冴え渡る!!

フロマンジュはスピードをゆるめもせずに全速力で走り続けた
世界は神様の落書きから生まれた。銀河パトロール隊は誰でも気軽に入れるおマヌケな組織。フロシキ草原はカッコ悪いからフロキシ草原だぞ、うりゃ、梨の木だっ!…世界は不思議に満ちている。ウサギの主人公・フロマンジュとランタンが非常にふわっふわに描かれる本作は読んでいて懐かしい気分にさせてくれる。不思議の国というのはこんなのでしょうなあ。きっと全ての答えは42みたいな。頭のなか空っぽにして童心に帰って読みふけって欲しい。

インタビュー with 大西ケンジさん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

この作品は、ウン十年前に大学で脚本として書いたものなんです。その後、会社勤めなどをしている間、忘れていたのですが、やはりどこかに引っかかっていたのですね。それでなんとか小説にできないものかと思い、書き始めたものです。

――それは良いキッカケですね。作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

面白いんですけど……と言っても、書いた本人が言っているだけでは信用できませんよね。ナンセンスと笑いをたっぷりと盛り込みました。ストーリーはハリウッド映画のように安心して読んでいただけると思います。昨今のライトノベルやファンタジーが硬直化している様に感じられるので、飽きた方に読んでいただけたらと思います。こんな小説もあるんだと。

――作品を書くうえで悩んだところは?

元が脚本だったので、地の文をどうやって埋めるかという点ですね。最初はひどいものだったのですが、書き込んでいくうちに、次第にスタイルが固まってきて、自分の得意な書き方というものを見つけることができました。

――1番読者に伝えたいテーマはなんですか?

大学の脚本ゼミで先生から「テーマは何か?」と言われ続けたのがトラウマになっています。その後も出版社に持ち込んだ時に編集者から「テーマは何か?」と聞かれ、絶句した経験があります。それから「テーマは何か?」と聞かれるのは、「面白くない」という意味なんだと解釈するようになりました。テーマというと、親子の愛とか友情とか世界平和とか、そんなことを連想してしまいますが、どうもそういうマジメなことが苦手で、開き直った結果「面白ければいいんじゃない?」となったわけです。ただ、吉本新喜劇を見ている人にはわかると思いますが、どれだけギャグを詰め込んでも、最後は「テーマっぽい」ことで締めくくると、お客さんは満足します。だからストーリー的にはそうしたものも入れていますが、私の作品のテーマは「楽しんでね」ということだけです。

――わかりやすいですね(笑)では、執筆にかかった期間はどれくらいですか?

10年……なんて言うと大げさですが、仕事のかたわらに書いていたので、それくらいかかっています。パソコンに向かっていない間も頭の中で、なにかしら考えていたので、試行錯誤と自分のスタイルを固める時間も含めれば、やはりこれくらいの時間が必要だったのだと思います。

――小説を書くときのこだわりってありますか

文章のリズム感や読み手の意識の流れです。そのためにパソコン画面だけではなく、紙にプリントして読んだり、声に出して読んで、ひっかかるところを直すようにしています。

――この本を紙で出したいという出版社が来たらどうしますか?

もちろん「よろこんで!」快諾です。より多くの人に読んでもらうには、まだまだ紙の本だと思いますから。

――Kindle で出すにあたって困ったことはありますか?

とにかく、Kindleの日本語対応を待っていたのに尽きます。PDFではなく、どうしてもテキストにしたかったのです。すべての漢字にルビを打つような作業はとてもできないので、テキストならば辞書機能で読み方がわかり、小学生でも読めるようにしたかったからです。

――影響を受けた、もしくは好きな作家さんを5人教えてください

もっとも強烈な印象を受けたのはジェイムズ・ジョイスです。原語で読んでも難解と言われる作家ですが、柳瀬尚紀さん翻訳の「フィネガンズ・ウェイク」を読んで「こういう小説があるんだ」と感動した次第です。
ジョイスに惹かれるのは、狂気とも言える言葉遊びなんですが、同様にルイス・キャロルもあげなければなりません。イギリス文学伝統の言葉遊びや韻を踏んだ詩などが大好きです。日本でも江戸時代の戯作や香具師の口上に、そうしたものがたくさんあって、作中にも長々と香具師の口上をいれてしまいました。
イギリスつながりで言うと、「銀河ヒッチハイク・ガイド」のダグラス・アダムスも好きです。TVの「モンティ・パイソン」や「ドクター・フー」の脚本も書いていて、そのナンセンス感覚なSFには脱帽です。
そしてSF界の大御所フィリップ・K・ディックからは、センス・オブ・ワンダー(ある種の不思議さの印象の感覚を表す概念 by Wiki)を学ばせていただきました。小説が一本できるようなアイディアを、惜しげも無く使い捨てていくディックの凄さに、少しでも近づければと思っています。
もうひとつ。日本ではほとんど知られていないと思いますが「キャプテン・ブルーベアの13と1/2の人生」の作者ヴォルター・メアスです。この人はドイツの人気漫画家なんですが、初めて小説を書いたらベストセラーになってしまったという変な人です。自分が面白いと思うことを書きたいだけ書いたら、こんなファンタジーになってしまいました、というような姿勢を見習わせていただきました。

――情熱をありがとうございます。話し変わって表紙を新しくするなら、どんなイラストレーターさんにお願いしたいですか?

夢はクェンティン ブレイクです。ロアルド・ダールの挿絵を描いている人なんですが、けっこうなご高齢ですし、世界的に有名すぎて恐れ多いです。

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

「面白くないので最近、本を買っていない」という人に読んでもらいたいです。それからハリーポッターやラノベでファンタジーに入った人にも。無料のお試し部分を多めにしてありますので、気に入った方はぜひ全文に挑戦してみてください。

著者プロフィール

大西ケンジ Kenji Onishi
愛知県出身。テレビ局勤務を経て、フリーのパズル作家・絵本作家に。本書『百点山から来た手紙』は、長編ファンタジー小説としては今回が処女作となる。
著書に電子書籍絵本「みみをなくしたうさぎちゃん」(app-storeで販売)パズル本「O'ekaki: Paint By Sudoku(Vertical.Inc)がある。

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