「はじめてのロードレース」和田桂一さんインタビュー

こんばんは、きんどるどうでしょうです。KindleDirectPublishing、いわゆる個人出版で活躍する著者へのインタビューをお送りする”KDP最前線”。第29回は、「はじめてのロードレース」を執筆した”和田桂一”さんのインタビューを掲載します。


はじめてのロードレース 和田桂一 (著), 岸本公乃 (イラスト)

ロードバイクを買って、休日に50-100 kmくらいはサイクリングできるようになり、ショップのサイクリング会や順位のつかない耐久サイクリング大会ではそろそろ物足りなくなってきた人。
・もっと速く走りたい!、サイクリング会でいつも置いて行かれるアイツを負かしてやりたい、なんていう負けず嫌いな人。
・サイクルマラソンやグランフォンドに参加したけれど、集団の中でどう振舞っていいものかわからない人。
・ローテーションってどうやるの?という人。
本書は、そういう方に向けた初のガイドブックです。

「はじめてのロードレース」

初心者が楽しく完全にレースを楽しむ手助けに少しでもなれば幸いです

本書はロードレース初心者向けに、レースを楽しむためのポイントについてイラスト付きで解説した本だ。ロードレースの種類やレースの見つけ方やエントリー方法、また実際にレースのための自転車の準備についてなどわかりやすく紹介されている。レース前の食事やトイレなど実際にレース場にいって困らないためにもロードレース初心者には是非読んで欲しい一冊だ。

和田桂一さんには、本作のセールスポイントや特にお気に入りのシーンなどを語っていただいた。

インタビュー with 和田桂一さん

――この作品を書いたキッカケを教えてください

自転車レースと言えば、ツール・ド・フランスを思いかべる人がいると思いますが、アマチュアのレースはかなりマニアックな世界で、実際どんな感じなのか普通の人にはよくわからないと思います。それで、ロードバイクを買って、サイクリングしていた人が急にレースをやろうと思っても、教えてくれる人が身近にいなければ、情報源は自転車雑誌くらいしかない。
そういうこともあって、レース集団での「暗黙の決まりごと」みたいなのを知らない初心者が多いレースでは、危険なシーンをしばしば見かけます。自転車レース独特のテクニックを知らない人も多い。それで、そういう「人には聞きにくいけど、やっているうちになんとなくわかる」ノウハウをまとめた本がないなら自分で書いてみるか、と思ったのがきっかけです。
最初の原稿をいくつかの出版社に見せたのですが、マニアックすぎて出版を断られたので、しばらくPDF で公開していました。あと、仕事関係の専門書をいくつか出しているのですが、電子本なら間違いを見つけても簡単に直せるので、ちょっと電子本を出す経験をしてみようかな、というのもあります。でも、現状では、数式がたくさん含まれた本をKindle形式にするのはすごく手間がかかりそうで、あまりやりたくないですね。

――出版が難しいけれど大事なテクニックというのはいいですね。作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

こういうスポーツのノウハウ本って普通は元プロ選手や有名コーチが書くものでしょうけれど、全然強くないアマチュアの方が「初心者の悩みどころ」がわかるのではと思います。自分がはじめたばかりの頃にいろいろ失敗したこととかよく覚えてますので。
プロなら絶対書かないような自転車レースの細かいノウハウも書いてみました。楽しいイラストもついています。
でも、売れている数からして、いまのところこの本の対象とする初心者じゃなくて、知り合いとか、知り合いの知り合いの、既に十分経験者の自転車乗りにしか売れていない気がします(笑)

――同じくらいの目線から語って貰えるというのは良いですね。では、作品を書くうえで悩んだところは?

自分の体験や先輩から聞いたことに基いて書いたので、それほど悩まなかったです。
最初の原稿では、自分で描いた汚い手書きの説明用イラストをつけていたのですが、それでは売り物としてはあんまりなので、友達の自転車乗りにイラストも描いてもらったおかげで、少し本らしくなりました。

――イラストは大事ですね。では執筆にかかった期間はどれくらいですか?

最初の原稿は1年くらいかけて、スキマ時間にだらだらと書いていたのですが、Kindle化するときに、一気に改訂したり、イラストを依頼したりしました。それがだいたい1ヶ月くらいですかね。年末年始の休みを利用しました。

――Kindleで出すにあたって困ったことはありますか?

著者用のツールがまだまだ揃っていないってことです。
もとの原稿は科学技術用の文書の組版システムとして有名なTeX(テック、テフ)を使って書いていたので、TeXから生成したPDFからmobi形式に変換しようと最初試みました。でもダメでしたね。結局、PDFからの変換は諦めて、Google DocumentとCalibreを使って出力を確認しながら書きました。
たくさん脚注をつけるのが僕のスタイルだったのですが、TeX原稿では実現していた脚注が使えない、というか脚注が巻末にまとめられてしまうので、諦めたのが残念です。TeXからmobiやePubをスクリプトで簡単に生成できるようになれば一番いいのですが。
あと、Androidスマホ, iPad, Kindle PaperWhiteと自分の持っている3つ端末で確認したのですが、それだけでもそれぞれ見え方が違うので、イラストや文字の大きさを何に合わせるべきなのか悩みました。

――Kindleで個人出版を目指す方にアドバイスをお願いします

やり方さえわかってしまえば、思ったよりも簡単でした。紙の本よりはちょっとした文章を気楽に出版できるのでコンテンツのある人はどんどん試したらよいと思います。
ただ、読みやすくするには試行錯誤は必要で、その方法もいまのところかなり原始的です。そのうちもっとスマートな方法が出てくると思いますが。

――なるほど、電子書籍そのものについてどう思われますか?

将来性は大きいと思うけど、いまのところ普通の人には技術的なハードルが高すぎて、せっかく安い値段をつけても購入者が限られてしまうのが問題ですね。今回の本でも、PCでないと読めないという人、Kindleで初めてダウンロードしたという人、の方がさくっと買えた人よりも多かったと思います。
ユーザの立場で言うと、改訂版をダウンロードしようとすると、いちいちamazonのサポートにメール出さないとならないというのはちょっと酷すぎですね。改訂や増補の場合、差分をダウンロードできるようにしてほしい。差分ファイルに著者が値段を自由に付けられれば便利だと思います。ちょっとした改訂の場合は0円とか。端末も結局、Kindle PaperWhiteよりもKindle for iPadの方が読みやすいので、まだまだ発展途上ですかねえ。

――今後の予定について簡単に教えてください

半年〜1年に1回、増補版を出せればと思っています。

――今後、どういった作品を発表していきたいですか?

自転車をテーマにした小説。できればカワイイ子が主人公の(笑

――それでは最後に、読者の方へメッセージをお願いします

まだレースをするつもりはないけど、ロードバイクでサイクリングするのが好きな方にも読んでいただけると嬉しいです。

著者プロフィール

和田桂一

自転車練習の合間に仕事していると言われる宇宙物理学者。鹿児島県在住。北海道出身。そろそろレースはやめてノンビリ走りたい。
公式サポートページ
http://astrophysics.jp/hajimete_roadrace/

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